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会社の健康診断にて異常発見。拡張型心筋症の疑いあり、大病院での精密検査へ

勤め先で実施される、年に一度の健康診断。

受診後には「もう少し痩せたらコレステロール値も下がるよ」と産業医から言われる。でもあまり痩せず、毎年お小言を言われる。毎年お決まりのルーチンイベントだった。正常値を外れた社員を見つけては健康指導に呼び出して産業医が暇つぶししているんだろう、と悪態をついたりもした。

40代になり心電図も検診メニューに加わった。ドキドキしながら録ってもらった。若干不整脈が出ているねと言われ、紹介状片手に近所の循環器病内科を訪れたが、24hホルター心電計での計測の結果、特に異常は見られないのでしばらく様子を見ましょうと言われた。

あれから3年。リモートワークも増え、自宅で飲酒する時間も増えた。以前のようにアウトドアに出かけるのも憚られるご時世、若干体重も増え、あるとき気付けば陸橋をのぼったあとに多少の息切れを感じるようになった。

「太ったのが原因かな。運動不足に違いない。痩せよう、鍛えよう」

思い立ったが吉日。決断の速さと実行力が強みの私。平日夜にも気軽に体を動かせるようクロスバイクを買った。24段変速のスポーツ自転車、夜風を切って走り回ると仕事で抱えた心のモヤモヤも一緒に吹き飛ばしてくれる。乗るたびに距離を伸ばし、自宅周辺の市街地を25kmほど巡る1.5hのコースができてきた。

もっと早く自転車に巡り合っておけばよかった。自転車はとても楽しい。自転車に乗れるよう、家でお酒を飲まなくなった。定期的に汗をかいて体重も少しずつ落ちてきた。なんて健康的な生活なのだろう!ますます自転車が好きになった。

そんな矢先、人間ドックの心電図でまた不整脈が検出された。今回は検査技師の方が「派手に出てますねー」と言っちゃうくらいわかりやすく検出されたようだった。長めに録っときますね、と言われる。サービスか。

職場で検診結果を朝礼のネタにしながら「ということで、早めにかかりつけ医で検査しますね」と、夕方早めに仕事をあがってかかりつけの循環器内科へ。ふたたび心電図を取り、脈がとんでいるのでホルター心電計を録りましょう、と前回同様の流れに。どうせ何もないんでしょ、不整脈が検出されても9割は特に問題ないってWebに書いてあったし。面白くない。

翌週、24hホルター心電計を装着。以前に比べて軽量化されている。腰につけていた機械本体が、LEDウォッチのような形状になり胸にテープで貼り付ける形状になった。さながらウルトラマンのカラータイマーのよう。装着したままシャワーも浴びられるようことに驚き、医療器具の進歩を実感していた。

24hホルター心電計を取り外し、患者さんが捌けるのを待って心エコー検査。自転車での運動も始めたし、飲酒量も減り、体重も少し落ちてきた。特に大きな問題はないはず。さっさと帰って今日も自転車に乗ろう。

しかし、かかりつけ医の反応は想像と違っていた。

「ほぼ一日中不整脈が出続けている。危険な兆候の波形の3連発が何度も検出されている。左心室が大きく壁が薄くなっている、心臓のポンプ能力も正常基準値の半分以下になっている。すみやかに大病院での精密検査を受けた方が良い」

え?
なんていった?
検査結果に異常あり?

多少は息切れの症状はあるけど運動不足が原因だったはず。ヒルクライムも余裕よ?飲酒量が増えていたとはいえ、自分よりも大酒飲みはいっぱいいるよ?にわかには信じがたい。

ちらりと目を落とすと、拡張型心筋症の疑い、とメモがあった。よくわからないが心臓の病気が見つかったらしい。あとでスマホで調べてみよう。

すみやかに循環器を専門とする大病院に紹介状を書いてもらい、最短で予約を入れてもらう。予約を取る上でどうしても都合つかない日程を聞かれたが、仕事はあとで調整するとして、予約確保を最優先でお願いした。

病院を出てすぐ、上司の携帯電話に連絡した。長い会社勤めで報連相の習慣が身についている。時計はすでに20時を回っており、上司は家族と食卓を囲み、いつもの晩酌をまさに始めようとしているタイミングだった。

「かかりつけ医から大病院での精密検査を指示された。よくわからないが心臓病、結構おおごとらしい」

まずは口頭報告。上司は、仕事はどうにでもできるからまずは貴方の体調を最優先で動くように、との返答をくれた。

つい3分前に聞かされた病状。内容をまだ咀嚼できていない。でも自分の中でとどめておくには重すぎる内容で、誰かに聞いてほしくて、信頼している上司にまず電話した。電話を切ったあと、上司に連絡してよかった、と思った。まだ情報が足りなさすぎる。妻には自分なりに情報を整理してから伝えることにしよう。

上司に報告したことで、自分の中でも急速に現実味を帯びてきた。足がガクガクする。EF値ってなんだ?心臓の病気?なんか病名も言ってたな。知らない単語だらけだったけど、かかりつけ医の表情からも、なんだかヤバそうな内容だったな。断片的に残る単語や数値を脳内メモリから消さないよう復唱しながら、まず自宅に戻ることにした。


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