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アイデアと人は別物である

こんにちは、かず(@kazu_1247)です。

NewsPicksで取り上げられていた『起業家8人の愛読書』から、ザッカーバーグの愛読書20冊を読み進めていこうと思います。

その中の、今回はエド・キャットムル著『ピクサー流 創造するちから』です。

何回かに分けてアウトプットをしていきます。

ピクサー流 創造するちから

今回の学んだことはざっくり以下のことです。

・全ての作品は駄作から始まる
・駄作を駄作でなくするためのブレイントラスト
・人とその人のアイデアはイコールではない
・本音で語り合える環境こそ、いいものを作れる唯一の方法
・グッドノート(良い指摘)


作品は初期段階においてどれも「駄作」である


それでもピクサーの創造的プロセスにとって率直さほど重要なものはない。それは、どの映画も、作り始めは目も当てられないほどの駄作だからだ。乱暴な言い方だが、私はよくそう言っている。オブラートに包んだら、初期段階の作品が実際にいかにひどいかが伝わらない。謙遜で言っているのではない。ピクサー映画は最初はつまらない。それは面白くする、つまり「駄作を駄作でなくする」のがブレイントラストの仕事だ。(p130)

エドは、ピクサーの映画も、初期段階では駄作であると述べている。このことは、映画に限らず、私たちの作り出す作品が、初期段階では駄作でも良いということを認めてくれる。しかし、ここで大事なのが、仲間とともに、それらをどのように最高の作品に作り上げていくのかということだろう。ピクサーでは、「ブレンイントレスト」が重要な役割を担っている。


駄作でなくするためのブレイントラスト

ブレイントラストとは、卓越した作品作りに向けて、妥協を一切排除するための仕組みだ。スタッフが忌憚なく話し合いをするための要となる制度で、およそ数カ月ごとに集まり、制作中の作品を評価する。その仕組みはいたってシンプルだ。賢く熱意あふれるスタッフを一同に集め、問題の発見と解決と言う課題を与え、率直に話し合うよう促す。正直になることが義務のように感じられる人は、率直さを求められると多少気が楽になる。率直な意見を述べるかどうかを選ぶことができ、実際に発言すると、本音である場合が多い。ブレイントラストはピクサーで最も重要な伝統の1つだ。絶対確実な仕組みではない。時には率直になることの難しさが際立つだけの場合もある。だが、うまくいったときの成果には驚くべきものがある。ブレイントラストは制作現場のムードまで変えてしまうのだ。(p126)

エドは、より良い作品を作り上げるために「率直さ」を大切にしている。また、本書の中で「率直さ」と「正直さ」を分けて考えている。「率直さ」は「正直さ」よりも道徳的な意味合いが小さい。本当のことを言うというだけでなく、あけすけなさや抑制のなさも表している。作品を作りあげていく過程で、感じたことを、感じたままに述べていくことだ。


アイデアと人は別物である

それでも、波風が立たないとは限らない。当然、どの監督も作品を褒められる方が嬉しいに決まっている。そこでブレイントラストは、明らかに欠点があり練り直しが必要だと言われる苦痛を最小化するように考えられている。監督が自己防御に走る事はめったにない。自分の権限を振りかざす人や、ああしろこうしろと言う人がいないからだ。作り手ではなく、作品そのものが精査される。この原則を理解させるのはなかなか難しいが、非常に重要だ。人とその人のアイデアは別物だ。アイデアを自分のことのように考えてしまう人は、アイデアを批判されるとむっとする。健全なフィードバック体制を築くには、そのイコールの関係を排除する必要がある。人ではなく、問題を見るようにするのだ。(p135)

この考えは、非常に重要だろう。メンバーとともに作品を作り上げていく過程で、考えるべきことは作品そのものであるからだ。メンバー全員が、作品自体に目を向け、それに対して率直な意見を出していくことが重要なのだろう。アイディアを批判されたからといって、その人自身が批判されたということではないことを、全員が認識する必要がある。この認識がなければ、率直な意見を出し合えないからである。


本音で語れる環境こそ、いいものをつくる唯一の方法である

大勢の人を数ヶ月に1度集め、率直な話し合いをするだけで自動的に会社の病が治ると思うのは間違いだ。第一に、どんな手段でも一定の信頼関係を築き、本当に率直に話せるようになり、反撃を恐れずに危惧や批判を表明できるようになり、グッドノートの言葉遣いを覚えるまでには時間がかかる。第二に、どんなに経験豊富なブレイントラストでも、その基本理念を理解していない人、批評を攻撃と受け取る人、フィードバックを咀嚼しリセットしてやり直す能力のない人を助けることができない。第三に、後の章にも取り上げるが、ブレイントラストは時とともに進化する。一度設置したら後はほったらかしでいいと言うものではない。優秀で寛大なメンバーを揃えたとしても、問題はいくらでも起こりうる。メンバー間、部門間の力学も変化する。だからブレイントラストを機能させるためには、目を光らせ、必要な調整をしながら守り続けるしかない。(p149)

やはり、信頼関係は非常に大切である。これは、チームとして根底にある要素だろう。信頼関係がなければ、相手を気にして率直な意見を述べることができない。いいものを作りあげていく中で、信頼関係がなければ、本質的ではない部分が邪魔をする可能性がある。
また、個人としては、批評を攻撃と受け取らないこと、フィードバックをしっかり咀嚼してリセットすることも意識しておきたい。


「グッド・ノート」をする

ピクサー創業したての頃、ジョン、アンドリュー、ピート、ジョーは互いに約束をした。何があっても本音で話そう。率直なフィードバックがいかに重要で貴重なものであり、それがなかったら良い映画が作れないことを知っていたからだ。ピクサーでは、当時も今もそのような建設的な批評を「グッド・ノート(良い指摘)」と呼んでいる。悪いところ、抜けている点、わかりにくい点、意味をなさないところを指摘するのがグッドノートだ。まだ問題を流せる段階でタイムリーに示す。要求事項は含まれない。修正案がある場合でもそれはあくまで1つの可能性として示されるだけで、指示ではない。ただし、グッドノートは何よりも具体的である必要がある。「身悶えるするほど退屈」はグッド・ノートとは言えない。どんな指摘をするにしても、相手を考えさせることが大事だと常に思っています。『あの子に宿題をやり直したくさせるにはどうしたらいいか』いうふうに。『このシーンの脚本がイマイチ』と言う代わりに『見終わった観客にあのセリフはよかったねと言ってもらいたくない?』と言う。『これがやりたいんじゃない?やってよ!』って。(p148)

グッド・ノートは大切だと思う。建設的な批評である。批評すると同時に建設することだと思う。壊しながら建てている。ただ批評するだけで終わらせないことは意識していきたい。


今回は以上です。

また読み進めた時に、その分のアウトプットをしていきます。

Written by かず(@kazu_1247)


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