飲食店のテイクアウト・デリバリーを始める3つのポイント(無料でできる!)
新型コロナウイルスの影響でお店をイートインからテイクアウトやデリバリーに一時的に切り替えた店舗も多いと思います。しかしうまく売上を上げることができず、結果、完全休業してしまったお店もあります。
また、とりあえずなにか始めないと!という感じも否めないので、冷めると美味しくないものを入れてしまった、高級店なのにお弁当屋さんのような容器に詰め合わせてしまった、別途保健所の許可が必要なものを売ってしまった、そもそもまったく売れないんだけど、などなど。
今回は、この状況なので、現金を作ること・減らさないことを前提として、できる限りお金を使わない、最大限できることはやってみるということを踏まえてこの記事にまとめてみました。
前提として、ネガティブにテイクアウトをやるというよりは、ピンチはチャンス!と思いポジティブな気持ちでやることが必要です。その気持ちはお客様に伝わりますので。
これからやること
大きく分けて3つです!
① 注文メニュー
② 注文ツール
③ 告知方法
④ その他Tips
① 注文メニュー
まず一番大事なことはお店のウリである注文メニューです。
ここで大切なのことは、2つあります。
1つ目は、提供後即座に食べてもらえないことを前提として、注文メニューを考えることです。
テイクアウトだと帰るまでの時間や取りに来る時間帯で食事時間帯とずれていることが多いからです。その点デリバリーのほうが食べたいときに注文することが多いので、配達時間(10〜20分くらい)を考えれば十分です。
2つ目は、見た目です。
どんなに美味しい料理でも見た目が悪いと先入観で美味しくないものと脳が判断してしまいます。そう判断されるともちろん注文も入りません。それだけでなくブランド毀損もしてしまうので、美味しそうに写真を撮る必要があります。
例えばですが、下記の写真を比べてみていただくとどちらが美味しそうか一目瞭然です。(コツ:後ろ斜めから光が入る場所で撮影し、明るさと彩度を上げて暖色系にするとおいしそうに見えます)
もちろんカメラマンに撮ってもらうことが一番ですが、iPhone(X以上)などのスマホでも今は十分きれいな写真が撮れますし、iPhoneの基本アプリ「写真」にある「編集」でも加工することが可能です。
② 注文ツール
いろいろなテイクアウト・デリバリーサービスがありますが、今回はなるべく無料でできるツールを紹介します。
利用するものは、以下3つになります。
・注文フォーム
・注文管理シート
・Google Maps(デリバリー)
これだけで効率的に管理が可能になります。
まず注文フォームです。
これは色々無料のツールを試してみたのですが、Googleフォームが一番だと思いました。
理由は4つあります。
・無料でフォーム内を自由にカスタマイズできる
・フォームのコピーが可能
・写真が載せられる
・注文管理がしやすい(Googleの他ツールと連動できる)
Googleフォーム
https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/
利用するのにちょっとコツがあります。
・質問内に画像を追加したい
メニューのイメージ画像を追加する場合は題名の横にある画像ボタンを押す必要がありますが、分かりづらいです(笑)
・注文者に注文後に確認メールを自動で送りたい。
普通に名前、電話、メールなどと項目を追加して作れますが、そのままだと注文後に確認メールは送られません。確認メールを送るためには1つ設定が必要になります。
フォーム編集画面の右上にある歯車マークの「設定」から、下記のように「メールアドレスを収集する」→「回答のコピーを送信」→「常に表示」をチェックする必要があります。ただし、これを設定するとフォームの一番最初に「メールアドレス」の入力項目が必須で追加されてしまうので、最初にご注文者情報を入力してもらうような形にしたほうが自然です。
ここまで完成したらあとは、注文フォームを公開するだけです。公開の仕方はフォーム編集画面の右上にある紫の「送信」ボタンを押し、「リンク」マークからURLを取得します。(短縮URLのほうがSNS等で共有するときに見た目が良いです)
次に注文管理シートです。
注文が入ると管理者アドレス宛に内容が送信されますが、メールだけですと見落としたり、管理者しか見れなかったりと管理が煩雑になります。また、管理シートを利用するといつ何がどれだけ売れたのかということも一覧で確認できます。上記の理由で効率的に管理ができるのでオススメです。
利用するのはGoogleスプレッドシートです。これは上記のGoogleフォームと連動して管理できるのでとても楽ちんです!
フォーム編集画面の上部真ん中にある「回答」をクリックすると下記のように「新しいスプレッドシートを作成」と表示されるので選択して作成します。
作成されると、下記のように自動で質問項目を作成してくれて、注文時間の「タイムスタンプ」も項目にあるので管理がとてもしやすくなります。これをお店のPCで常時開いておけば、スマホはメールの着信確認だけで内容を確認しなくても大丈夫です。
以上が注文フォームと注文シートになりますが、デメリットもありますので記載しておきます。
・使いこなすのにちょっと時間がかかる
・数量限定商品の管理はできない
・受付締切時間の設定ができない
(できない部分は文言対応が必要です)
Google Mapsでデリバリーの配達ルートを管理
今まではテイクアウトのお話でしたが、デリバリーも一緒にやる場合は、注文フォームをテイクアウトとは別にしておいたほうが管理しやすいです。デリバリー用注文の場合、注文の際に住所も入力してもらうと思いますので。また、住所と注文内容を一括でGoogle Maps上にインポートすることが可能です。詳しい方法は下記でご確認ください。
【リストに記載した住所をGoogleマップへ“ピン留め”するテクニック】
ぶっちゃけ言うと、デリバリーは配送人員も必要ですので、本格的にやるようならUberEatsや出前館などのデリバリーサービスを利用したほうがいいと思います。ちょっと手数料が高い(35%〜40%)のがネックですね。
③ 告知方法
テイクアウトやデリバリーなど新しいことを始めた場合、告知したりアピールすることが必要です。告知する方法もホームページ、Googleマイビジネス、InstagramやFacebookなどのSNS、グルメサイトなど様々なツールやサービスがあります。さてどれを利用すれば良いのでしょうか?
答えは全部なのですが、注力するツールやサービスを何にするかということが大切です。
現状ですと、SNSを利用することが効果的です。ただオウンドメディア(ホームページやGoogleマイビジネス)は必要最低限の情報を揃えておく必要があります。なぜなら、お店の看板だからです。ページを訪れる人は少なからず興味がある顧客(潜在顧客)が含まれるので、最新の情報や正確な情報を載せておかなければなりません。このページを見ればすべてが分かる!ということが大切です。FacebookなどのSNSは更新が楽なのですが、タイムラインでは最新情報はわかるものの注文ルールなどの固定情報が流れてしまいまうので、毎回UPするのはちょっと手間ですね。そこはテクニックでまかないます。
そこで、告知する方法としてやることはオウンドメディアの整備について3点あります。
・ホームページまたはLP
・Googleマイビジネス
・SNS
・「ホームページまたはLP」で告知
前段でお話したとおり最新の情報や正確な情報がオウンドメディアにあることが大切です。そのためにまず必要なのは自社ホームページにあることが必要です。ホームページを委託している場合、更新にお金や時間がかかると思うので、無料ホームページ作成ツールを利用してLP(ランディングページ)を作ることをオススメします。下記はWIXという無料ホームページツールでテイクアウトページを作成しました。パーツを置いていくだけなので簡単におしゃれなページを作ることができます。作成にはお店や料理の写真が必要なので準備してから作成しましょう。
(https://toretatips.wixsite.com/website)
・「Googleマイビジネス」告知
Googleマイビジネスはすでに宣伝できる1つの媒体になっています。グルメサイトの影響力が落ちている中で、興味ある人やリピーターにしっかりと情報を提供していく場として重要なツールです。またGoogle Mapsと相互連動しています。
Googleマイビジネスでテイクアウトでデリバリー情報をしっかりと載せましょう。以下3点です。
・「情報」→「属性」からテイクアウトや宅配可能をチェック
・「情報」の「事前注文リンク」に注文ページをリンク
・「投稿」機能を使って告知
まず「情報」→「属性」からテイクアウトや宅配可能をチェック
Googleマイビジネスの「情報」から「属性」にある「テイクアウト」「宅配可能」項目をチェックします。これを設定することにより、Google Maps上の「テイクアウト」ボタンから露出が可能になります。
詳細はGoogleサポートに記載あります。
https://support.google.com/business/thread/37608445?hl=ja
「情報」の「事前注文リンク」に注文ページをリンク
2つ目は、テイクアウトやデリバリーのページを作成した場合、「情報」から「事前注文リンク」に貼り付けておくと効果的です。
表示される場所はビジネス情報の「注文」に表示されます。
・「投稿」機能を使って告知
3つ目は、Googleマイビジネスにある機能でタイムラインのような機能があります。通常1週間ビジネス情報の下に表示される機能で、イベント情報やクーポンなどのお知らせを投稿できます。(画像はItalianBar2538 GEMS神田店さん)
これを利用することでGoogle検索からビジネス情報上でお店が発信した情報が確認できる(例えばテイクアウトメニューなどを提供しているかなど)ので、お客様にとてもわかりやすい機能です。
そしてここまで整備できれば、あとはSNSでの告知です。
SNSでの告知
SNSによる告知で大切なことは、2点あります。
それは①継続的に発信、②SNS全部使う、です。
①継続的に発信というは、「Restaurant KAZU特製のおつまみセット 始めました!」というような1回の投稿では少数人しか認知されていないのです。なんとなくそれは肌感覚で理解しているという方も多いと思います。まずは1日1回投稿していくことが必要です。たださっき書いたとおり注文方法やハッシュタグを毎回書くのは手間なので、メモなどにコピーして投稿時にコピペして利用します。
このSNS活用については深堀りするともう1記事できてしまう量で...、とてもよくまとまってる記事を見つけたのでぜひ参考にしてください。
そして、②のSNSを全部使うということですが、それは無理だし更新大変だよ、と思う方も多いですが、これには1つ方法があります。
それはInstagramからの投稿で、Twitter、Facebookに同時に投稿することができます。(細かいこと言うとそれぞれ特性があるので本来は内容をちょっと変えると効果的なのですが今回は省略します)
一応参考までにお話すると、お店のファンの方へはFacebook、インフルエンサーやちょっと興味を持ってる人のためにはInstagram、幅広く興味を持ってもらうためには拡散できるTwitter、それぞれの特性に合わせて投稿内容を変えて利用するともっと効果的ですが、今回はとりあえず全アカウントを作ってInstagramに紐づけて全部使っちゃいましょう!
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
苦しい状況ではありますが、アクティブに行動している皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。
最後に、知っておくとお得なTipsを載せておきますので参考にしてください。
*これから暖かくなります。食中毒にもお気をつけください。
*食品販売には許可が必要なものがあります。食肉加工、アルコール類の販売、ケーキ等の販売など。お近くの保健所にご相談ください。
④その他Tips
・メニュー表を入れましょう。
注文いただいたお弁当や盛り合わせなどには紙媒体を入れることでメニューの内容がわかりやすく、お店のこだわりを伝えることができます。またQRコードなどを入れておくことで次回の予約につながったり、友人などに渡してくれるかも知れません。
内容は、
・メニュー(こだわり)
・購入者へのお礼
・お店の情報
・お店または予約ページのQRコード
・Instagramの効果的なハッシュタグを見つける方法
ハッシュタグは10個以上つけましょう。特に、 #店名 、#エリア、#テイクアウト、#エリア+テイクアウト(#自由が丘テイクアウトなど)、#stayhomeは必須です!
・新しい取り組みを始めた店舗さま
・銭場精肉店(PICKSを利用してテイクアウトを開始)
・夢屋さん(BASEを活用し物販を開始)
・将泰庵さん(HP上で自社デリバリー)
・にくがとうさん(肉のデリバリーを開始)
・新型コロナウイルス関連情報のまとめ(情報、融資、取り組みなど)
融資や補助金だけでなく、テイクアウトやデリバリーのツールやサービスも記載していますので、ぜひお時間あるときにでもご確認ください。
・ポスティングも効果的!
この機会にお近くの方々への告知はポスティングが最適です。近くのお店にテイクアウトを購入しに行くことが多いので、ご近所のお客様にテイクアウトを始めたことを知ってもらう手段にとても良いです。これはテイクアウトのみならず新しい取り組みやキャンペーンを行う際にも利用できます。やっぱり地元に根付いたお店は強いですからね!
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