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手帳はアナログ派の私が、デジタル手帳を使う理由

来年の手帳が店頭に並び始める時期になると、
チェックせずにはいられない。
ファンシーなものも、ビジネスライクなものも、手にとって中を見る。

「今年もこのメーカーは安定してこのタイプだな」
「ファンシーだけど機能はイケてる」
「ここがもっとこうだったら買うのに惜しいな」など
まるで手帳ハンターだ。

そんな私がここ3年ほど、
アナログ手帳、いわゆる紙の手帳は使っていない。
スケジュールはiPhoneに入れている。

そのきっかけとなったのは、出産と育児。

出産し退院すると、どうすればわからないまま
自宅での新生児育児が始まる。

おっぱいやミルクはいつ飲んだのか、どのくらい飲んだのか、
おしっこやうんちはいつ出たのか、
普段使っているバーチカルの手帳に書き込んだ。
入院中にしていたから、そのままチェックを続けた。
そうしないと不安だった。
が、育児手帳を別に用意するマメさはなかった。
私の手帳は出産後、すっかり育児手帳と化していた。

フリーアナウンサーという仕事柄、
出産を機に放送局のレギュラーの仕事を降りたものの、
産後も単発の仕事を依頼される。
出産後3ヶ月くらいの頃から、
両親に頼ったり、保育園の一時預かりを利用したりしながら、
依頼される仕事を徐々に始めていった。

保育園であれ、実家であれ、子どもを預けるための荷物は大荷物になる。
さらに、送り迎えの途中に使うかもしれないオムツや飲み物、
自分の仕事に必要な荷物をあわせると、
旅行にいくかのような大荷物だ。

子どもを預けるのに必要なものだけを肩にかけ、
子どもを抱っこして、
保育園の門をくぐる。
自分の荷物は駐車場に停めた車の中だ。

送り迎えのときに保育士さんと交わす会話の中で、
「お母さん、来月の2日なんですけど、利用されますか?」
と、予定を聞かれることがある。

でも、スケジュールがわからない。
スケジュールがバラバラすぎて、覚えていない。

帰りに寄ったお店で、ばったり元職場の人と会うと、
「そうそう会えてちょうどよかった。保育園行ってるの?」
「じゃあ、来月初め頃にナレーションお願いしたいんだけど、いつなら空いてる?」

いつなら空いてるんだろう?

「すみません。あとでスケジュール見て連絡します。」

ああ、即答したい。
今、ここに手帳があれば、と思う。

子どもを抱っこして、子どもに必要なものを背負って、
お財布バッグを斜めがけしている状態。
送り迎えや買い物で手帳を開く可能性は低い。
だから、持ち歩きたくない。

でも、この状態、不便すぎる。
いったい、なんのための手帳なんだ。

そういえば、手帳に書き込むことすら困難になっているじゃないか。
出産前は、
家でも仕事場でも、
手帳は手の届くところに置いていて、ほぼ開きっぱなし。
いつでもすぐに書き込める状態だったのに、
今では置きっ放しになんてできない。
子どもの手の届かないところに置くから、
書き込むことも手間になっているじゃないか。

ああ、私はどうしたい?
どんな手帳を探している?

マンスリーは月曜始まりがいい。
平日も土日も不規則に仕事が入る。
平日と土日で仕事の種類が違う。
放送局の仕事や企業研修などの平日とイベント中心の土日をまとめたい。
土曜と日曜で行が変わるのは困る。

ウィークリーは縦型のバーチカルと言われるタイプがいい。
学校の時間割に慣れすぎたせいかもしれないが、
月火水木金と横に並び、1時間目から6時間目まで縦に並ぶ感覚。
さらに、平日も土日も同じ幅が欲しいし、24時間記入できる方がいい。

新しい手帳を、新しい年に合わせて使いたい。
だから1月始まりがいいけど、3月終わりにしてほしい。
スケジュールは、たいてい年度で動くので、年度末までのスケジュールを書き込みたい。

そして、重くないもの。
だからシステム手帳は選択肢にない。

ああ、欲張りだ。

でも、なんのために手帳を使うの?
手帳に何を求めるの?

「スケジュールがわかること。」

そう、手帳はスケジュールがすぐにわかることが大切!

「今の私」がいつでもどこでもスケジュールがすぐにわかる状態になるには
携帯性が必要。

携帯性?
携帯は、保育園の送り迎えの時も、買い物に行く時も持っている。
やっぱり、iPhoneか。
カレンダーアプリなら、自分の使いやすいようにカスタマイズもできる。

でも、やっぱり紙が好き。
でも、でも、「今の私」が、アナログにこだわるのは、
自分で自分を不便にする。

これは、もう、iPhoneを手帳にしよう。
デジタルでもいいじゃないか。
「今の私」には、
スマホからもパソコンからも、
外出先でも家でも確認できるのが便利なんだ。

そういえば、車も同じかもしれない。

かつて、2ドアのスポーツタイプの車に乗っていた弟も、
小学生2人の父親となり、今では7人乗りのワゴン車だ。

仕事もプライベートも軽トラックを使っていた友人も、
子供ができた今は、仕事用の軽トラックとプライベートの乗用車と、
2台を使い分けている。

こだわりも、譲れないポイントも、
車も手帳も人それぞれというだけではない。

「その時々のその人それぞれ」なのだ。

「今の私」をストレスフリーにする方法が一番だ。

なんだか頭の中で固まっていた石がポロっと流れ落ちたような気がした。

今ではすっかり、手帳はデジタル派のごとく、
クラウド連携でカレンダーアプリを活用している。

子どもは、ようやく3歳をすぎた。
オムツも外れ、子どものために持ち運ぶ荷物も減ってきた。
来年の手帳も店頭に並んできている。
そろそろ、来年からは紙の手帳も復活させようかな。
やっぱり、紙の手帳の方が視覚的にイメージが膨らみやすい。
デジタルとアナログを併用するのがいいかもしれない。

店頭に並ぶ手帳のチェックはやっぱりワクワクする。

書いてみたこと、発信してみたこと、 それが少しでもどこかで誰かの「なにか」になるならばありがたい限りです。