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留学のためのTOEFL、GRE概論

1. 留学に必要な英語試験

大学院受験では大抵の場合、英語力が問われます。東大も一応TOEFLを課していますが、あってないようなものです。しかし、海外大学院はそれなりに、もしくは相当に準備する必要があります。それもアメリカとヨーロッパでも、大学間でも、要求される英語力は異なります。そして、ほとんどの大学では、TOEFL、またはIELTSという試験を受けてその点数を提出します。

加えてアメリカ大学院はGREという鬼畜な試験を受ける必要があります。これについては次の章に概要があります。

まず、大学院出願はだいたい1月に締め切りが多いですが、TOEFL、IELTSスコアは受理されるのに非常に時間がかかるため、10月中くらいに提出が推奨されています。これも締切の罠なので注意が必要です。11月でもギリギリ間に合う気がしますが。

TOEFLとIELTSはそれぞれ使える大学、使えない大学があったりなかったりするので、受ける大学の要件を見て判断しましょう。それぞれReading, Listening, Speaking, Writingの4セクションに分かれており、TOEFLはそれぞれ30点×4=120点満点、IELTSはそれぞれのセクションが9.0点満点の0.5点刻み、4セクションの平均点でスコアが出ます。TOEFLは100点、IELTSは7.0点くらいで大体の大学が受けられます。
TOEFLはすべてパソコンで受験、IELTSは筆記+対面面接と、試験スタイルや問題傾向など異なるので、そこも戦略になるのかも。僕はSpeakingの相手がパソコンの方がネタが使えそう、何かメジャーな気がするという理由でTOEFLにしました(年間受験者はTOEFL80万人、IELTS250万人だそうです)。ちなみにどちらの試験も受験料が1回25000円ほどなので、できるだけ実力を研ぎ澄ましてから受験することをお勧めします。社会人の方だと何回も受験してスコアメイクしている方もいますが、学生はそうもいきません。

出願する大学により要求スコアは異なります。年や受けるコースによっても異なったりしますが、YaleとUCLA M.Arch1は92点、HavardとかMITは100点くらい、SCI-ArcやPrattは80点くらいとかです。Princetonは要求スコアはありませんが、東大内の交換留学(建築以外でも)の要求スコアはSpeaking27(常人には無理です)だったので、英弱を入れる気がないような気がします。理想的には各セクション26点×4=104点くらいあれば困らないと思います。結局僕は10月に運よく96点が取れて、Havardとか受けられなかったんですが、気力もなければ受ける気も起きなかったので満足してやめました。東海岸の方が英語の点数が高く大変な気がします。
ちなみにヨーロッパはもう少し低かったと思います。ETHで80点とかだったような。東大の学内の交換留学も80点がボーダーなので、ヨーロッパはそれくらいなのかもしれません。

2021/06/12 追記
ETH Zurichの要求スコアはIELTS7.0のTOEFL100でした。すみません。ただ、MyBest Scoreを受け入れているようです。米国大学院でMyBest Scoreを受け入れるところを見なかったので、こういうところも違うようですね。

また、よく聞くのは、要求スコアをクリアしてれば足切りクリアで、あまり見られないという話です。実際どうなのか分かりませんが、建築の場合は足切りクリアしたら英語スコア上げるよりポートフォリオ頑張ったほうがいいような気もします。

2. GREとは?

GREというのは、センター試験(共通テスト?)のアメリカ大学院版です。Verbal(語彙)、Quantitative(数学),Analytical Writing(作文)の3パートで、それぞれ満点が170, 170, 6.0(これだけ0.5刻みのスコア)になっています。GREは正直よく分かりません。とりあえず受けて出せばいいのではないでしょうか。というのも、このテストはVerbalとAnalytical Writingが異常に難しく、ネイティブでも普通に勉強して受けるような試験です。難しすぎて笑います。東大も難しかったけど、世の中にこんな難しい(意味が分からない)試験があるのか……という気持ちになりました。GREは点数と一緒にpercentile(上位何%に位置するのか)を教えてくれますが、低すぎて全然傷つきません。TOEFL以上に、これを勉強するならポートフォリオをやればいいと思います。
とはいうものの、Quantitativeはなぜかあまり難しくなく、特に日本で受験勉強をある程度していて、何度か練習していればもしかすると満点も狙えてしまいます。まあ僕はミスしましたが……。
何回か過去問やって受けて提出しましょう。

3. 出願時のスコア

以下僕のスコア変遷です。GREはこんなもんと分かります。
TOEFL
2019/08/03 Total 84 R27 L19 S15 W23
2020/08/30 Total 88 R28 L20 S18 W22
2020/10/10 Total 96 R27 L28 S21 W20
2020/11/07 Total 90 R26 L22 S18 W24

GRE ()はpercentile
2020/11/24 V141(14), Q163(80), AW3.0(14)
2020/12/18 V144(22), Q165(85), AW3.0(14)

TOEFLは3回目に奇跡的に96点で安心して勉強をやめたので、最後が少し低くなりました。おそらくこの点数は高くも低くもありませんが、第一志望がUCLA、志望のコースの要求スコアは88点だったので十分でした。
ちなみにGREは先輩に「思ったより悪くないね」と言われました。難しすぎて絶望していましたが、この言葉で安心してこのスコアで出しました。
TOEFL100点を目指すとなると、各セクションのベストを1回に合わせるのが難しいようなので、もう少し受ける必要があるかもしれません。余談ですが、最近導入されたMyBest Scoresはギリギリ100点を超えて嬉しかったです。笑

4. 元々の英語力と対策概要

少しでも参考になると信じて、元々の英語力をできるだけ晒しておきます。

中一:英検5級、英検4級、英検3級
中二:英検準2級
中三:英検2級
高一:センター同日 168/200
高二:センター同日 108/200
高三:センター英語 168/200、東大英語 60/120
浪人:センター英語 190/200、東大英語 79/120

どちらかと言えば得意な科目でしたが(高二は勉強さぼりました)、WritingやSpeakingは当然できませんでした。浪人の時にうっすら留学への憧れもあり、ぼちぼち力を入れて勉強していました。大学入学以降はほぼ勉強せず、留学を考え始めてからまた勉強しました。
2019年の4月~7月と、2020年の2月~11月あたりまで勉強していたので、大体1年は勉強したことになります。意外としっかり勉強していたようで驚きです。

勉強法についてまた別記事で詳しく書くかもしれませんが、ざっくり言うとmikanで単語を回す、TPOの過去問、特にリスニング1周半&ひたすらシャドーイングです。TPOは無限に問題があるので、ガンガンやりましょう。
ちなみにTOEFL対策の教材にはほぼ無課金です。TOEFL英単語3800と、mikanのTOEFL英単語3800のみで、4000円くらいだけです。紙の単語帳は1,2周してmikanやりました。また、過去問すら買っていません。パソコンでTPOやりましょう。お金がなくてもTOEFLの勉強はできます。
また、TOEFLの勉強法だけなら多くの情報が出回っているので、リサーチして計画的に勉強しましょう。

ここまで簡単に大学院受験に必要な英語について書きましたが、建築の場合はやはりポートフォリオが最重要だと思います。ここに全てのリソースを使わないよう気をつけたほうが良いです。一応ポーフォリをちまちま進めていましたが、本格的に始められたのはTOEFL後でした。やはり海外大学院受験は計画性が最重要です。

この記事が参考になれば幸いです。

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