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Alles Gute zur Hochzeit.

 前略、お元気ですか?ご無沙汰しています。招待状をありがとうございました。残念ながら出席できないので、お手紙を書きました。

 ご結婚、おめでとうございます。

 大学一年生の頃。学年がだいぶ上だったはずの先輩となぜか机を並べて、毎週ドイツ語の授業を受けたこと。昨日のことのように思い出されます。二人ともサボりすぎて、先生に目を付けられてましたね。でも先輩はいつも、発音を褒められていましたね。

 そして、テキストの上で二人、ドイツ旅行をしましたね。

 ミュンヘンの市場で、得体の知れないドイツ料理を食べたり。これはいくらですかって、デパートで何時間も値段を訊いて回ったり。免許もないのに、ロマンチック街道を車でひたすら走ったり。

 僕にとってはその全部が、とてもいい思い出です。

 僕にも色々なことが起こり、大学の卒業は先輩と同じ頃でしたが、独身の卒業は先を越されてしまいましたね。さすが先輩です。

 Alles Gute zur Hochzeit. 

 「結婚おめでとう」という意味です。インターネットで調べました(ドイツ語の勉強はサボってばかりいたので、あまり覚えていません)。

 それでは、よい結婚生活を。人生の単位を落としてばかりいる僕には、永遠だとか愛とかは、まだよくわからないけれど。

 先輩の幸せを、心から祈っています。