「恋愛弱者」という言葉の 本当の意味や定義は知らないけれど わたしの恋愛に勝ち負けがあるのだとしたら 大黒星であろう。 黒も黒、 深淵を覗き、冥界への入り口となる穴のごとく 醜悪な色をした黒星だ。 相手に好かれて始まったと思った。 好きを浴びるほどに感じていると こちらの愛や情も深くなっていった。 深くなりすぎて、底なしの沼になったと 気づいたときにはもう遅かった。 こちらを顧みず、好き放題遊び放題。 挙句の果てには女をタラシこみ、疑似恋愛。 そのくせこちらには愛想の
自分の好きな音楽とは別に、 彼の好きな音楽という括りがある。 音楽はジャンル問わず雑食で、 気に入ったらなんでも好きになるタイプなので、 彼が好きと言っている音楽は一度は必ず聞く。 そして何故か好きになってしまうのである。 クラシックもメタルもわたしの彼達に教えてもらった。 ただ気をつけたいのが、 昔の彼のお気に入りの曲を ふとした瞬間に耳にする時だ。 昔の甘い記憶と彼の匂いと 夜に彼を思いながら歩いたアスファルトの質感と 別れ際の失言と 全てがフラッシュバックする
彼の家の壁には血の跡がある。 キッチンの換気扇下のコンロに向かって左手の壁に。 最初に見たときはケチャップの飛沫かと思って、彼になんとはなしに聞いてみたら 「血だよ」 と言われた。 そういえば彼が前付き合っていたヒトは少し怖い人で、別れるのに5日かかったみたい。 そういえば以前、彼は慣れない料理をして指を切ったって言っていた。 そういえば彼は冗談が好きだった。 なんだか色々考えるとその壁の赤が、彼の全てを語ってくれる気がした。大袈裟かな。 もし、その血が前の
昔から女の武器を最大限に活用している女の子が好きだった。それに自分もそうなりたいと思っていた。 らんま1/2やセーラームーンなどのアニメを幼少期は見ていたのだけど、一番好きなキャラはシャンプーや美奈子ちゃんだった。 みんなから可愛いと言われる、誰しもが認める美貌を持つ存在。そしてそれに価値があると分かっている彼女たちがとっても魅力的だった。 らんま1/2のヒロインのあかねは、勝ち気でちょっと男勝りだけど、たまに見せる女らしさが魅力だった。ただ、そういうキャラだから、らん
言葉とは、あらゆる命の中でヒトからしか紡がれないもの。それは喜びも悲しみも怒りも救いも祈りも罪も、偽りでさえも産むことができる。 強く美しいものに思う。 言葉とは、誰かから貰う自分への価値。 小さな世界では自分の意思に関係なくそれが全てを決めてしまうこともある。 誰にも自分の心の中は見えないから。 ”言葉が感情を凌駕することはない” という普遍の意識があるが、感情にカタチを与えるものが言葉であり、カタチのないものは認められないということも普遍の意識なのである。 カタチの