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モンテネグロの教育からみる「公教育と多様性の大切さ」

こんにちは!
最近、モンテネグロの学生さんとお話をする機会をいただきました。
モンテネグロの教育についてお話を聞き、そこから僕が感じたことを書きたいと思います。
今回は、公教育が多様な価値観や普遍的な知識を提供することの重要性についてです。

モンテネグロの教育について


モンテネグロというと、つい最近(2006年)に独立したばかりの印象が強い国ではないでしょうか?
そんなモンテネグロの教育についてまずは簡単に、、

モンテネグロでは識字率が98.5%、小学校への入学率は98.4%、小学生の退学率が少し高く19.5%だそうです。
さらに中学校への入学率も90.9%と低くはないようです。
http://top10.sakura.ne.jp/Montenegro-p9.html

今回お話を聞いた学生も、特別大きな問題を学校が抱えている訳ではないと言っていました。
友達の多くが学校に通い、同じように勉強しているそうです。

しかし、公教育の質はあまり高くないようで、
教員のモチベーションが低く見える、生徒がみんな同じことをしている。
生徒の学業へのモチベーションが低い、などの問題はあるようです。

特に彼が懸念していたのが
ほとんどの学生が自分の人生に目標を持っておらず、やりたいこともないのだとか。
なんだか似たような状況が近くにもあった気がしますね。

感覚的には
・95%の生徒は、言われた通りに行動し、自分の将来に期待していない。
・4%の生徒は、勉学で高い成績を収めて外国に行くか、社会的に高い地位(高収入や高位ポジション)を目指している。
・1%の生徒は、自分なりに考えて幸せになるために独自の方法を探している。
んだそうです。

日本の子たち以上に自分自身の人生に関心がないような感じがしたので、
何か原因はあるのかを聞いてみたところ思いがけないことを教えてくれました。

彼曰く、
「政府が観光業に囚われ過ぎている」ことが原因なんだそうです。
モンテネグロにある高校の90%が「観光業」を専門にした学校なんだそうです。
そのほかの高校は医療や法律、政経など、専門がはっきりしているんだとか、

モンテネグロは元々観光業が主な産業だそうで、
子どもたちの多くは将来は観光業界に身を置くらしいです。
それはほとんど決まったレールらしく、子どもたちは特に疑問や不満も持てずに観光業の職に就くそうです。

このレールが恒久化されていき、
モンテネグロの子どもたちは特に自分の将来についての思考が止まってしまっているとのことでした。

もちろんこれは今回話を聞いた一個人の意見であって、
上記の数字が正しいとか、実態がどうかというのは正直わかりません。
お含み置きを

公教育と多様性について


さて、僕はいままで
無味無臭の基本的な教育(何が基本的な教育なのか?という話かもしれませんが、、)を提供する公教育があまり好きではありませんでした。

公教育であっても、それぞれの教育機関が明確な意図と目的を持って教育を提供するべきだと考えていました。
そして、その教育理念にはもちろん多様性があるというのが前提でした。

この考え方自体は変わっていないのですが、
今回モンテネグロの教育事情を聞いて、より「多様性」という点について考えるようになりました。

モンテネグロでは観光業が発展しているからこそ、高校から観光業のノウハウを教えるというのは理解できます。
それは子どもたちのためになる部分も多いと思います。

しかし、コロナウイルスの影響でその観光業に大きな影響を受けました。
現在では観光業による収入はほとんどなく、
子どもたちが将来観光業で生計を立てられる目処が立たなくなってしまいました。

そもそもVUCA時代(Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のこと)においては観光業一択に子どもたちの未来を委ねることはリスクが大きすぎると思われます。

子どもたちがどんな人生を選ぶことができるように、
教育機関は常にさまざまな選択肢を提示し、自分達の人生を自分で選べるようにしていかなければならないのではないでしょうか?
そんなことを改めて考えさせられました。

まとめ


今回は、モンテネグロの教育から、公教育と多様性について考えてみました。
みなさんはどのような感想を持ちましたでしょうか?
ぜひ、みなさんが感じたことをコメントで共有してもらえると嬉しいです。

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