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あなたの「自己分析」ホンマに妥当ですか?

(※全て無料で読めます)

どうも、就活全敗記録保持者のカズマです。今回は「自己分析」について自論を展開してみたいと思います。それでは以下にて。

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就活生に限らず転職者にとっても必須な項目、それが「自己分析」だ。様々なツールが開発されており、「自己分析マン」と化した人間はあらゆるツールにむやみに手を出し、本来の目的が達成できないまま徒労にくれる。

そんな学生さん、身近にいませんか?

正直、私の周りには割とよく見る光景である。巷に溢れる自己分析論はどこかしっくりこない違和感があった。そこで今回は、自分なりの自己分析論を言語化してみたいと思う。

※あくまで個人の見解としてなので、全てが「正しい」とも自分自身が思っていないという前提の元読み進めて頂ければ幸いです。


■そもそも自己分析の目的は?

自己分析の目的は3つある。

かの有名な経営学者であるピーター・ドラッカーは、とにもかくにも「強みを活かせ」と強調していることは多くの方がご存じだろう。

ではその「強み」とは何か?

様々な定義があるだろうが、えてしてこれらは相対的なものだ。こと就職活動に限れば、「他の就活生」と比較した上での「差」ということになるだろう。つまり、「他者よりも自分が得意なこと」になる。

「そんなんわかってるわ!それでもわからんからこっちは悩んどるんじゃ!」という声が聞こえてきそう。なるほど最もだと思う。

では、もう少し解像度を上げてみるとするとどうなるであろうか。強みが他者との相対比較で決まるということに着目すると、こう定義できないか。

・他者には苦痛でも、自身にとっては全く苦痛でない事柄
・他者にとって普通でも、自身は楽しみながら取り組める事柄

上記に対して発揮できる個人の能力。

実はこれだけでも十分な差別化、つまり「強み」になる。なぜならば就職すれば必ず職種が割り当てられるからだ。例えば、私自身は思考を伴わない単調な事務作業などがあまり得意ではない。だが人によっては、その作業にエクセルを用いてマクロを組んでみたりと、自分なりに工夫することによって楽しみを見出せる人もいると思う。「強み」とはそんなもんだ。

難しく考えすぎている学生は多い印象を受ける。

転職者になればここに経験が加わり、強みに幅が広がったり、もしくはより専門性の高いスキル等がアピールできる。自己分析の一つ目の目的は、自身の「強み」を見つけるという事だ。


二つ目の目的は、自分の性格なり気質なりを加味した思考・行動特性を把握するためだ。多くの自己分析診断ツールでは、抽出された項目に名前が付けられ、それが自身の特性として認識される。または既存の項目に数値化されたグラフとして表現される。

ストレングス・ファインダーという診断ツールを知らない人はいないだろう。これに基づいて私の優位性トップ5の項目を並べると、

1.学習欲
2.内省
3.収集心
4.回復志向
5.運命思考

となる。経営コンサルタントとしての業務を生業とする自分には極めて合致している様にも感じているし、結果とのギャップもない。


三つ目の目的は、将来的な自身のキャリア像を描くためだ。過去の体験を振り返り、これまでにどのような経験をして、その中でどのような感情を持ち、どのような価値観が形成されてきたのか。その結果、今現在の自身は「○○という人間である」というアイデンティティを持つと同時に、それに基づいて「将来的に○○という状態で在りたい」という像を描く。

「原体験」という言葉が広く普及しているのも、揺るぎない自身の使命や信念の類を確立しておくことの有用性が大切であるからだ。この点について、例えば私は自身で、

「関わる人達が自らを肯定し、自らで人生を切り開いていく、そのための支援を生涯に渡りし続け、その波及効果を伝播させる」

というミッション・ステートメント=使命を掲げている。人生観や人生哲学と言い換えることもできるだろう。これらが定まっているに越したことはない。なぜなら、日常の小さな判断はもちろん、人生における大きな決断の判断軸となりうるからだ。路頭に迷うことがなくなる。

その効果性については、「7つの習慣」という世界中で大ベストセラーとなった著書の中でも述べられている。ご存じの方も多いだろう。


■自己分析の適切な順序とその根拠

先日こんなツイートをした。

割と多くの反響を頂いた。現役のキャリアコンサルタントの方からも賛同の引用RTを頂いた。自身の学生時代を振り返ってみても思うのだが、今思えば明らかに順序が異なっていた。

先述の記載でも引用した経営学者のピーター・ドラッカーは、

企業とは「環境適応業」である。

と定義している。つまり、外部環境の変化に合わせて、事業経営、組織経営における戦略を練り上げる。孫氏の兵法においても、

「彼を知り 己を知れば百戦危うからず」

との言葉がある事も有名だ。最初に知るべきは、自身の事ではない、自身の外にある現象だ。就活に置き換えるのであれば、現代社会におけるビジネスのトレンド、成長産業、優良企業、需要のある職種といった、外部環境を真っ先に知ることが何より大切だとお分かり頂けるであろうか。

今回のコロナ禍などはまさにその典型である。この事態を無視して「いや、自社は○○という強みがありまして」とうつつを抜かす事ほど本末転倒の極みだ。そのような企業がもしあるとするならば、既に破綻しているのではないだろうか。それほど「外部環境」の変化には留意しなければならない。

自己分析は二の次である。


■多くの学生がハマる3つの悪いパターン

自己分析において学生が路頭に迷う法則性のようなものがある気がしている。自己分析が手段としてではなく、目的化してしまうパターンだ。ここでは代表的なものを3つ紹介してみたい。

1.分析マニアパターン
ありとあらゆる診断ツールに手をつけ、その結果に翻弄されるパターン。診断ツールはそれぞれ基準となる質問項目や設計そのものも異なるため、全く同じ結果が出る診断などない。にもかかわらず、それぞれの結果の整合性ばかりを求めて分析し、自分で自分が分からなくなってしまうパターンだ。何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」である事を忘れてはならない。

2.ラベリングありきパターン
【就活 自己分析】などと検索すれば、

・積極性
・行動力
・慎重さ
・思慮深さ

といった、端的で分かりやすいキーワードが山のように出てくる。決して全てを否定するわけではないが、それら一つひとつのキーワードから自分の過去を振り返り、無理やりそれらにまつわるエピソードを抽出するパターンだ。人間の脳の構造上、無意識的に「つじつま」を合わせようとする本能がある(※参照:ファスト&スロー)。本来的な自身の強みかどうかも分からないまま、それらを企業ごとに「合わせ」に行ってしまうパターンだ。何を隠そう、過去の私自身である。もちろん結果は……。

3.アイデンティティ拡散パターン

「自分は何者か?」
「自分は本当に何がしたいのか?」

こうした哲学的な問いの機会がなかった哲学童貞の学生に散見されるパターン。「お祈りメール」が届いた際にも陥りやすく、就活以前の問題にまで発展してまうパターンだ。「就職」というゴールを完全に見失ってしまい、物思いに耽る時間が多くなる。誰にしもなり得る可能性はあるが、あまりにひどくのめり込んでしまい、お先真っ暗の状態にまで自分を追い込んでしまっては元も子もない。


ところで、ここまでで何回「パターン」という単語を使ったのか即答できる方がいれば、就活は問題ないはずだ。知らんけど。


■まとめ

そもそもの「自己分析の目的」からはじまり、自己分析に至るまでの適切なプロセス、陥りやすいパターンを紹介してきたが、ビジネスに正解がないように、就職活動にも正解などない。

「そんなまとめ方はないだろう!」

そう思ったあなたがもしいたとしたら、私は願ったり叶ったりである。なぜならば、VUCAと呼ばれる現代において、時代の流れは余りに早く、ノウハウなどすぐに陳腐化してしまうからだ。

だからこそ、自ら思考の上その方法論を自らで考え、編み出して欲しいと心から願っている。その思考プロセスが構築できれば、どんなに変化の激しい世の中になろうと、あなた自身で未来を切り開いていけると考えている。

余談だが、大人のビジネスマンでも自ら思考できる人間は少ない印象だ。自ら思考を放棄している様にも思えるし、長年に渡る「考えない」という習慣が拭い去れないのかもしれない。日本人の1/3は日本語を適切に理解できないという調査結果すらある。

そのような事態に、私は強い危機感を感じている。自分の人生は自分で切り拓くという気概と真摯な姿勢があれば、必ず手を差し伸べてくれる人間はいる。これは断言してもよいレベルだ。

「天は自ら助くる者を助く」

という英語の諺もある。

だからこそ、自ら考え、判断し、試行錯誤を繰り返して欲しい。安易に答えやノウハウばかり求めないで欲しい。

「たったの○○日で、○○万の収入が!」

こんな安いキャッチコピーが大人の世界にも溢れている。

大人ですらこの安いキャッチコピーに飛びついてしまう現象がある事を鑑みると、思考力で劣るであろう学生にとっても、安易に、早急に、簡単に、結果がでるというノウハウに飛びついてしまいたくなるだろう。

だが、私はこの事象に強烈なアンチ・テーゼを唱えたい。なぜなら、それが自身のミッション・ステートメントと連動するからだ。自身のエゴでしか、勝手な正義感でしかないかもしれないが、訴えずにはいられない。

誰かに少しでも届けば本望です。以下、最後の章にて、選りすぐりの武器を渡す代わりに、自身の思考を放棄しないで頂きたいと強く願っています。


■オススメの診断ツール and 書籍

▼診断ツール

・ストレングス・ファインダー

5,850円(R2/3/30現在)と決して安くはないが、一度は試しておいて損はない診断。書籍を購入することでも実施は可能だが、上記webサイト版とは異なり、上位5つまでの項目とそれに付随するレポートのみの提供となる。


▼書籍

①影響力の武器

「なぜ、人は動かされるのか」の副題の通り、他者へ影響力を発揮する、もしくは他者の影響力から身を守るための術が科学的に論述されている。社会心理学の教科書としても活用されており、大学図書館には必ずある1冊。対人関係にまつわるあらゆる場面で応用できる根本的な原理原則が記載されており、就活においてもその効果性を応用できる。

②ファスト&スロー

行動経済学の経典。人間の錯覚(認知バイアス)について網羅されており、「影響力の武器」同様、自身の思考や他者の思考原理が論述されている。著者のダニエル・カーネマンはノーベル経済学賞を受賞しており、学生の内からこの内容を知り、社会を観察することの意義は計り知れない。下巻もあり分量も多いが、その費用対効果は抜群。就活の面接場面における実験シーンも記載されている。

③原体験ドリブン

チカイケさん初の著書。自身の原体験を深堀し、内面を見つめる事を通じて将来展望まで俯瞰できるようになるワーク付き。上記2冊とは異なり、非常に分かりやすく丁寧に読者に寄り添う形で書かれた1冊。この1冊で自己分析は完了するといっても過言ではないと思っている。


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おわり

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