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自分用メモ 『過去の名牝と比較するオークス×リバティアイランドのパフォーマンス』

東京競馬場で行われたオークスは川田将雅騎手騎乗の1番人気リバティアイランドが6馬身差で圧勝。G1・3連勝で牝馬クラシック二冠を達成した。

今回は、初めに過去データに基づくリバティアイランドのオークス好走の条件を整理し、後半では過去の名牝とオークスでのパフォーマンスを比較し分析していく。

過去データが裏付けるリバティアイランドが持つ十分すぎる確勝級要素

①持ちタイム
オークス馬には共通点がある。それはオークスまでのマイル戦において、走破時計1:33.9以内かつ上がり時計34.0以内を記録しているという点。

近5年のオークス馬の上記条件を満たすマイル戦実績は以下の通り。

22年 スターズオンアース
桜花賞 1:32.9(33.5)

21年 ユーバーレーベン
阪神JF 1:33.2(33.6)

20年 デアリングタクト
エルフィンS 1:33.6(34.0)

19年 ラヴズオンリーユー
白菊賞 1:33.6(33.9)

18年 アーモンドアイ
桜花賞 1:33.1(33.2)

今年のオークス出走メンバーの中で当条件をクリアした馬は以下2頭。

リバティアイランド
桜花賞 1:32.1(32.9)

ラヴェル
アルテミスS 1:33.8(33.0)

さらにここで終いの脚に焦点を当ててみる。桜花賞を上がり最速で制した馬のオークス実績は(4-1-0-0)。

1着馬
09年 ブエナビスタ
12年 ジェンティルドンナ
18年 アーモンドアイ
20年 デアリングタクト

2着馬
14年 ハープスター(落鉄)

結果として、桜花賞を上がり最速で勝利したリバティアイランドは見事オークスも優勝を果たした。まさに確勝級のデータであった。

②血統
オークスではキンカメの血を持つ馬が好走傾向にある。近5年のオークスにおけるキンカメの血を持つ馬券圏内の馬は以下の通り。

22年 スターズオンアース スタニングローズ
21年 アカイトリノムスメ
20年 デアリングタクト
18年 アーモンドアイ リリーノーブル

23年オークスではキンカメの血を持つ馬が2頭馬券圏内に入った。1着リバティアイランド、3着ドゥーラ。

リバティアイランドのオークスパフォーマンス分析

勝ち時計2:23.1は19年のラヴズオンリーユーに次ぐこのレース2番目の速さ。さらに2着馬につけた6馬身差は12年のジェンティルドンナの5馬身差を上回り、グレード制導入後の最大着差となった。

リバティアイランドが叩き出した勝ち時計、そして着差。この二点はいかにして生まれたものなのか。レースラップの実数値を紐解くと見た目の派手さ以上の怪物っぷりがわかってきた。

2023年 オークス レースラップ
12.3-10.5-12.3-12.6-12.3-12.0-12.0-12.0-12.0-12.0-11.6-11.5

残り1400mから1F 12.0が5連続。3歳牝馬の2400m戦にして過去一の消耗戦となった。

リバティアイランド 個別ラップ
12.8-11.4-12.2-12.5-12.3-12.2-11.9-12.0-11.75-11.50-11.30-11.25

近10年で最も中盤が流れた厳しいペースの中、自身は前目6番手で追走する。直線に入り他馬が次々と仕掛ける中、追い出しを遅らせ持ったまま追走。ペースが落ちず息が入らなかった先行勢の脱落を尻目に、坂を超えてもなお加速ラップで走りきっている。恐ろしいことに騎手コメントからもまだ余力が残っていたように見受けられる。

過去の名牝らとの比較

オークスにおける2:23秒台はまさに名馬への登竜門である。

ラヴズオンリーユー 2:22.8
リバティアイランド 2:23.1 ←NEW
ジェンティルドンナ 2:23.6
アーモンドアイ 2:23.8
スターズオンアース 2:23.9

このうち三冠牝馬2頭と今回のリバティアイランドのパフォーマンスを比較してみる。

12年オークス
12.6-10.9-11.6-12.0-12.0-11.9-12.4-12.3-12.2-12.1-11.8-11.8
ジェンティルドンナの年は残り1200m→600m地点を12.4-12.3-12.2

18年オークス
12.6-11.1-12.0-11.9-12.0-12.2-12.4-12.3-12.4-12.2-11.1-11.6
アーモンドアイの年は残り1200m→600m地点を12.5-12.3-12.4

これらに対して今年は同地点を12.0-12.0-12.0。今年の中盤がいかに厳しいペースで流れていたのかが分かった。リバティアイランドはこの流れを前目追走、上がり最速の加速ラップで優勝している。

馬場差は多少あれどリバティアイランドは歴史的名牝らの同時期より高いパフォーマンスで走っていると言えよう。ジェンティルドンナ、アーモンドアイは牝馬三冠達成したのちジャパンCを制覇。比較対象が三冠牝馬で、3歳にしてジャパンCを勝つ馬である時点で、リバティアイランドの能力の高さが証明されている。

最後に

見事二冠を達成したリバティアイランドは、既にサンデーレーシング吉田俊介代表より秋華賞で牝馬三冠を目指すことが発表されている。

リバティアイランドは世界中から良血馬、名競走馬を導入し続けたノーザン・社台の結晶のような配合。牝馬三冠→JC→翌春ドバイのローテションは生産牧場の先輩ジェンティルドンナ&アーモンドアイが築いた道であり、リバティアイランドも概ね踏襲することになるだろう。何れにしても故障なく順調にと願うばかりだ。


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