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WEB制作会社の提案領域とカスタマーサクセスの話



いわゆる”WEB制作会社”はこれから様々な課題を抱えていくことが予想されます。売り切り型のWEB制作の限界。サブスクリプションモデルへの移行。高まるセキュリティへの関心。業界の垣根を超えた競合他者。エンドクライアントのマーケティングリテラシー向上....などなど、越えて行かなければいけない壁だらけです。



特に現段階でも苦しいところが、売り切りモデル型からサブスクへの移行既存クライアントからのチャーン防止、アップセルやクロスセル辺りではないかと考えています。



うちの会社も昔は、新規かつ売り切りのWEB制作案件が中心で、毎月納品に追われる納品地獄に苦しんでいました。(納品に関しては今もそれなりに大変ですが)


営業に関しても毎日遅くまでテレアポをしているような、今よりもずっとブラッ○な会社で、先ほど述べたような課題をもろに抱えていた時代があります。既存クライアントからの売り上げもほとんどなかったですね。大丈夫かって感じです笑


ですが現在では、だんだんとストック売り上げの比率も上がってきており、今では50%ほどがストック売り上げ既存クライアントからのアップセルやクロスセルも数倍、いや10倍以上になったのではないでしょうか。これは全社的に意識を変えてきた結果であり、何年もかけて変わってきた部分であります。


自分自身もこれまで取り組んできた立場なので身を以て思うのは、やはり1番の肝となるところはWEB制作だけを視野に入れた提案だけじゃ厳しいということと、既存のクライアントへのカスタマーサクセス活動は大切だと言うこと。しっかりとマーケティングの上流から考えて、中長期的な提案をして行かないと、なかなかクライアントにも響かないんですよね。


ましてや今流行りのストック型のビジネスモデルに変えて行くとなると、流石にWEB制作だけでは厳しく、広告やMAなどその他ツールも複合的に提案してストックを積んでいく必要があります


それ以外にもコンテンツマーケティングのコンサル、SNS、SEOなど、あくまでビジネスゴールから逆算して、必要なツールやサービスを適切な形で導入してもらう必要があります


そういった提案の根底にあるのがカスタマーサクセスであり、今後が、WEB制作業界が取り組んでいくべきことです。


逆にいえば、それさえできればWEB制作会社はまだまだ付加価値をつけられるし、上記ができている会社はどんどん強みを増やして行けてると感じています。


例えば私の得意領域はカスタマーサクセスを通した既存クライアントからのクロスセルやアップセルなのですが、ここも可能性は無限大です。


自分の引き出しにある提案だけで付加価値がつけられるのでチャーン防止とアップセル、クロスセル活動が同時に可能
となりますし、自分の提案の付加価値次第で売り上げを伸ばすことができるので、本当に自分次第の領域だなと思っています。


カスタマーサクセスの提案なので、こちらの提案に対してクライアントが動いてくれさえすればちゃんと成果を出ますし、顧客満足もどんどん上がっていく、理想の関係性を築くことができます。そのためには当然ノウハウ以外にも、相手を動かすスキルも求められますが。


ただし、売り切りだけのWEB制作じゃここまでできません。作り終わったら「はい、さよなら」で、成果が出ないければ次の発注も来ません。その結果、新規の案件依存からなかなか脱却できなくなります。となるとやはり、継続的にフォローができるようなWEB制作のやり方にシフトしていく必要があります。


また、売り切り型のメリットとして強いていえば手離れの良さがあるのかもしれないのですが、これからの時代はクライアントを手放してる場合ではないです。LTVを最大化するためには継続的な関係構築をして行った方が、最終的なコストも安く済みます。売り切りでWEB制作をするメリットは、薄くなっているのではないでしょうか。










とはいえ、言うのは簡単だけどやるのは大変です。それはもう私自身何年もやってきたのでわかっています。でもだからこそやった会社が優位に立てるんです。他社がやりたくないことをやるから差別化ができるんです。


ちなみに得意分野なのでもう少しだけ話すと、既存のクライアントのCS活動を行う際に、長期的な視点でいえばABMの考えを取り入れると非常に効果的です。



ABMはもともとアメリカで流行った手法で、リードベースではなくアカウントベースにアプローチするやり方です。ポテンシャルが高いところと低いところでアプローチを変えて行くイメージで、ヘルススコアともすこし近い概念なのですが、ABMはポテンシャル、ヘルススコアはステータスみたいな形で、組み合わせて使うと良いです。



WEB制作のクライアントは必然的に付き合いが長くなるんですが、全てのお客様に平等に接していたら効率が悪い。ましてややる気があるクライアントの元へは頻繁にコンタクトを取るべきですし、必要のないクライアントは何ヶ月かに一度でもいいと思います。



ちなみにこれは贔屓云々の話ではなく、実際お客様によってもきて欲しいペースが違ってくるので、双方にメリットがある手段になります。WEBサイトを活用する必要性もないのに毎月のように鼻息荒いフォロー担当がきても、逆に申し訳ない...って感じになるので。ここはしっかりとしたルール作りとクライアントとの認識合わせは必要かなと。弊社も独自ルール作ってやってます。



そういった意味で、地理的にも全部のお客様に訪問することができないアメリカ的な考えを取り入れて、効率的にクライアントのフォローをしていくのは合理的です。MAを使ったナーチャリングのリアル版のようなものですね。WEB制作業界においてカスタマーサクセス ×ABMのハイブリッド組織は強いです。


以上のような手段をうまく使いながら、チャーン防止とアップセル・クロスセルを増やしながらマーケティング全般を踏まえた支援をして行くことが、今後のWEB制作会社に求められることだと思います。



そこをクリアした上で、初めて特色や得意分野とかって話になります。最低限のレベルが上がるので、これまでの戦略では通用しなくなっていきますし、価格勝負になると本当に薄利でやっていけなくなるでしょう。



これからWEB制作会社は、本当に変わって行かないとまずいのではないかと思うわけです。WEB制作会社ではなく最低限「WEBプロモーション会社」にはなっていかないと、生き残れないのではないでしょうか。










・・・と、めちゃくちゃ偉そうに書いてきましたが(本当、偉そうにすみません)、上記のもっと詳細な話を今後のnoteやセミナーで話していこうと思っています。全て経験ベースで、自分自身がやってきたことを話していきます。何をどうやって変わってきたのかを、余すことなく話していきたいです。



割と地に足がついた内容なので、そこまで華やかさもなければ画期的なアイデアも少ないかもしれないですが、少なくともセミナー参加者からは「感銘を受けた」「業界の先駆者っぽくていいですね」みたいなことは言われました。



変わって行くことはそれなりにコストや時間がかかる決断かもしれませんが、これから変わらないといけないと思っていて、未来のために頑張っていきたい会社様は、ぜひ一度お越しいただければ幸いです。


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今回は以上。


小木曽


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