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カスタマーサクセスについて思うこと

カスタマーサクセスとは:
カスタマーサクセスとは継続率とLTVを最大化することをミッションとする組織・職能のこと。具体的には下記のような職務に携わる

Onboarding(Customer Training)
顧客ロイヤルティ向上
継続利用の獲得
Upsell & Cross-sell

※Wikipediaより引用


最近、カスタマーサクセスやWEB業界の話について書くことが多いのですが、実は言うとうちの会社にはカスタマーサクセスと呼んでいる部署はありません。ないというか、部署名が全く別の言葉になっていて、ABMグループというところがカスタマーサクセスの役割を担っています。


※ABM×カスタマーサクセス に関しては下記の記事に詳しくまとめたので、よろしければ参考にしてください。

私がこれまでの社会人生活でもっとも長く在籍したのが『ABM』という部署で、やっていることはほぼカスタマーサクセス、でも名前はABMという、なかなかややこしい感じのところにおりました。


そもそもうちの会社がカスタマーサクセスの活動を始めたのは5年ほど前ですが、当時はカスタマーサクセスという言葉自体あまりメジャーではなかったので(ABMもですが)、部署名も当時から変わらずABMという名前のまま続けております。とはいえ、実態は完全にカスタマーサクセスだったので、私自身もこれまでの経験を記事を書いたりセミナーで話したりしているわけです。


ちなみに当時の業務内容は至ってシンプルで、WEB制作の既存クライアントに訪問して、ツール活用の支援を行い、成果を出してもらい、追加投資をもらう。これだけです。まあ大前提として、WEB施策で成果を出すために幅広い提案を心がけてはいるのですが。


その際に、いわゆるオンボーディングを初回フォローと呼んでいたり、ハイタッチには高頻度で接触をとったり、ロータッチには勉強会をしたり。全くカスタマーサクセスの用語は使っていないのですが、やってることはカスタマーサクセスだったなと後になって思うわけです。


また、ヘルススコア的なところは、使っていたようで目的が違っていたかなとは思います。まあぱっと見はヘルススコアっぽいのもあるんですが、そこを元にチャーン関連の指標を置いていたわけではないので。


どちらかというと成功させるためにスコアをつけているイメージです。危険顧客のフォローももちろん大事だけど、攻撃は最大の防御だと思っているので、もっと前向きな指標としてスコアリングをしています。


前置きが長くなりましたが、カスタマーサクセスという言葉は使わないにしても、ちゃんと顧客のサクセスを追って自社売上にも還元してきたので、改めて思うことをつらつらと書いていきたいと思います。

※前提として、WEB制作業界で自社CMSを利用し、定額の保守をもらいながら無料でカスタマーサクセスを行なっています。また、MAやAdなど、別のサービスや自社ツールも扱っており、追加提案を行なっています。

売上比率2:8の法則 

2:8の法則はよく聞く話ですよね。2割のクライアントが8割の売上を持ってくるという。これは本当にそうだなと思っていて、2割のクライアントが8割の追加投資を行なってくれます。むしろ1:9くらいかもしれないです。


そして何が大変かというと、その1~2割がいつどこで現れるかわからないということです。というのも、企業(特に中小)は突然WEBを含むデジタルに力を入れ始めるようなことが起こります。なんの前触れもなく社内体制が代わり、広告予算が跳ね上がり、WEBについて現状を詳細に聞かれたりと。


突如としてチャンスが現れるため、油断ができない。だからこそ本質的な意味でABMの考え方が必要になります。せっかくポテンシャルがあるというのに、ここぞという時にしっかりを準備をしておかないと、機会損失になってしまう。だから目先だけではなくて、真にポテンシャルが高いところを見極める嗅覚、そしてそれを体系化する仕組みが必要です。


もちろん、明らかにハイタッチな企業はあり個別の対応は必要ですし、8割の層を2割に上げていく活動も超重要で、ここは普通にカスタマーサクセスしていく必要があります。ですが、それ以外にも不確定要素はあり、そのシグナルを探っていくことは常に求められることでもあります。


またそれと同時に、WEB制作のクライアントは2:8くらいの割合で対応工数が発生します。2割のクライアントに8割の工数を要するという。


これは決してネガティブな話をしているのではなくて、どうしてもWEBの業界だとイレギュラーが起こったり、対応しないといけないことはなくなりにくいので、クライアントがサクセスするためには多少は必要な部分です。もちろん減らす努力は常に必要ですけどね。

クライアントの成果にコミットすること

そもそもカスタマーサクセスという言葉を使いすぎるとよくないと思っています。何が伝えたいのかといいますと、カスタマーサクセスという肩書きが色々と業務的にしすぎているんじゃないかという。


”カスタマーサクセスだから”顧客成果を追っているのではなく、本来は営業でもクリエイティブでも、カスタマーサクセスであるべきです。


あえてカスタマーサクセスって部署を作るのはあくまで組織の効率化や最適化のためなんですよね。つまり、そもそもの文化を変えていくための1つの手段だと思っています。全社的にカスタマーサクセスカンパニーである必要があるので、そういう風土に会社を変えていくためのきっかけにすぎない。


じゃあこれからは”全社的に”カスタマーサクセスをするってなると、今あるカスタマーサクセスの部署って具体的になにするねんという話にはなるのですが、結局は運用全般のコンサル的な立ち位置になっていくのかと思います。


自分もずっと、自身のことをカスタマーサクセスというよりコンサルだと思ってきたのですが、ちゃんとコンサルができて入ればカスタマーはサクセスします。もちろんオンボーディングとかも大事なんですが、前提はサクセス。ツールを使うことではなく成果を出すことがゴール。そうなるとチャーンを指標に入れるのも大事だけど、もっと追うべきものがあると思うんですよね。


そもそもチャーン防止っていうのは結果論であって、まあ、SaaS系の商材は特にそこの指標も大事なんだと思いますが、もっと前向きな目標設定をした方が結果うまくいくなと、少なくとも自分はカスタマーサクセスを行なっていて思いました。


ただ、まあまあ忙しかったですけどね。特に立ち上げ初期の頃は。


でもとても楽しかったです。多種多様なクライアントの成果をあげるために休みも関係なしにインプットとアウトプットを繰り返して。実際に成果を上げて追加をもらって。好きじゃないとなかなかできないなとも思いました。


やっぱり顧客の成果にはコミットをしないとリターンとしての成果もないけれど、毎日の業務レベルで、「この1分を時間短縮できたらあの企業の施策を考える時間が1分増やせる」とかそういうマインドでやっていたので、それなりに充実した毎日はおくれていました。


その中で難しいなと思ったのは、そのくらいのマインドで作った組織を下の子や周りにも落とし込むこと。ここは自分のマネジメントやチーム作りの課題だなと思いました。

カスタマーサクセスについて思うこと

ここまで偉そうに書いてきましたが、実は今、改めてカスタマーサクセスを学んでいきたいと思っています。というのも、やっぱり一人でできることには限界がありますし、これまで自分がやってきたことを世の中の言葉にも置き換えて、発信していきたいと思うからです。


自分の中では体系化できていても、それが伝わらなければ意味ないなと思っていて、伝えるためには世の中の言葉に自分のしてきたことを置き換えるのが手取り早いなと思うわけです。


それによって、自分ができていなかったことが明確になると思いますし、自分自身はまだまだ未熟者なので、カスタマーサクセス界隈の人から色々と学んでいきたいなと。


それでも現段階で思うのは、やっぱりチャーンを防止するためのカスタマーサクセスとは、ちょっと距離を起きたいなと思います。どう解約を阻止したかではなく、どう成功したかだけを話したい。どっちも大事なんですけどね。でもなんとなく、スタンス的にはそうありたいと今は思います。自社サービスの性質的にも。


しっかりと、顧客の成果を第一に考えていきたい。


そんなことを思いつらつらと書いてみました。自分のキャリアを振り返ると、やっぱり一番やってきたことはカスタマーサクセスなので、これからもその経験を活かしつつ新しい要素も加えていきたいなと。


なんだか書いてるうちに散らかってしまい、言いたかったことに抜け漏れあるかもしれませんが、取り急ぎまとめてみました。少しでも誰かの参考になればと思います。


今回は以上。


小木曽




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