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#22ゆかの告白と翔太くんの性教育

ついにこの日がやってきた。
翔太くんと本当に恋人同士になるための儀式。告白。

すごく緊張する。
ドキドキ・ドキドキ。

ことの発端はこの前のキャンプでママに教えてもらった『避妊』のこと。
おちんちんにフタを付けて、赤ちゃんのもとが飛び出ても女の子のオマタに入らないようにする発想のことだった。

要するに、これは私だけが知っていてもダメなんだ。
翔太くんにも性の知識を知ってもらわないといけないんだ。

避妊にはお互いの協力が必要不可欠。
翔太くんがいつ『精通』するかわからないけど、将来的に翔太くんと結ばれるためには隠していてはいけないと思う。

私は将来、翔太くんと結婚して、翔太くんのお嫁さんになるという夢があるのだから……。

~ 数日前 ~

私は図書館に来ていた。
エッチなことについて書かれた本を探すためにだった。

以前、夏休みのときの読んだのは高学年向けの性教育本だった。
その時はショックと恥ずかしさで借りることができなかった。

だから今日はまた別の本で、なにか得るものがないか探しにきたのだった。

今回は以前のときと違ってちょっぴり覚悟がある。
動揺はしないつもりだった。

私は低学年向きの絵本コーナーなどをひと通り見て回った。
すると、性教育の絵本コーナーというものがあった。
普段あまり私が来ることのない、目立たない場所にあったんだ。

「…………」

私は意を決してそれらの絵本を読んでみる。

これらの絵本では、小学生の低学年でも読めるような簡単な文章で『性』について触れていた。なかには『セックス』に触れているものもあった。

そして何より、絵が特徴的で面白かった。

(そうだ! これを借りて翔太くんと一緒に読もう……)

そうすれば、翔太くんにもエッチな知識を分かってもらえるはず。
私は、覚悟を決めてこの本を借りることにした。

図書館の受付のお姉さんにどう思われるかなんて考えない。
だって図書館にわざわざ置いてあるんだから、性教育えっちの絵本だって借りる権利があるよね? 私だって。

――――――――――

~ 決意の日 ~

私は学校の帰りに翔太くんに声をかけた。

「翔太くん、ちょっと大事な話があるんだけど……」

私は小声でエッチのことで大事な話があるって翔太くんの耳元にささやいた。
翔太くんはまた私とエッチができると思っているのか、ニヤニヤして聞いていたよ。

「わかった。家に帰ったらゆかちゃんの家に行けばいいんだね?」

翔太くんは楽しそうにしながら私の家に来ることに同意してくれた。
よし、翔太くんに性の告白の準備は整った。

すごく緊張する。
ドキドキ・ドキドキ。

私は、先に家に帰って翔太くんが家に来るのを待つ。
一緒に下校しようかと思ったけど、ドキドキし過ぎてできなかった。

11月の始め、少しずつお外の空気が冷たくなるような季節だった。
紅葉した並木道はきれいに色づいていて、まるで私の告白を応援してくれているかのように真っ赤だった。

ピンポーン……。

そんなことなんか、なにも知らずにウチに来た翔太くん。
私は、玄関に翔太くんを出迎えると、私の部屋にいつものように迎え入れた。

「翔太くん。今日はちょっと大事な話があるの!」

「どうしたんだよ? 大事な話ってなに?」

翔太くんは優しく、訊いてくれた。
だから、私はいきなりだけど……切り出したの。

「えっと、エッチについてなんだけど、あの……。私たち大きくなって、大人の体になってから、エッチすると……。赤ちゃんができちゃうんだって……。だから、『ヒニン』っていうのを翔太くんにも知っていてほしいの……」

「え……、ちょっと待って……。どういうこと?」

翔太くんは突然の告白に困惑している。

「ごめんね。翔太くんもすごくびっくりしていると思うけど、大人になってからエッチすると、赤ちゃんが出来ちゃう、らしいの」

「え~! そんなこと知らなかった……」

「それでね、私たち大きくなると、翔太くんの好きな『しあわせビクビク』するときにね、おちんちんから赤ちゃんのもとが飛び出るんだって。それが女の子のオマタの中に入ると、赤ちゃんが出来ちゃうみたいなの……」

「そ、そんな。僕、そんなこと全く知らずに……今までゆかちゃんのオマタにビクビクしてきちゃった。ゆかちゃんはもう、僕の赤ちゃんが出来ちゃったの?」

「うぅん。落ち着いて聞いて? 赤ちゃんが出来ちゃうのは大人になってからなんだけど、私が読んだ本によると、小学校の高学年くらいから、私たちは大人の体になっちゃうんだって」

「学校があるから、私たちの赤ちゃんができちゃったら大変でしょ? だから『ヒニン』っていうのを今後マスターしてほしいの!」

「ヒニン? ねぇ、ヒニンってなに」

翔太くんは初めて聞く単語を必死に理解しようとしていた。

「男の子のおちんちんから赤ちゃんのもとが飛び出ちゃうならそれにフタを被せてしまえば赤ちゃんができなくなるんだって。この前ママに聞いたの」

「え? ああ、そうか! 赤ちゃんのもとを女の子のオマタの中に入れないようにするのか……!」

翔太くんは頭がいいから、その発想を聞いて赤ちゃんを作らない方法を理解したようだった。

「うん。それを避妊ヒニンっていうんだって。私、大きくなっても翔太くんとエッチしたいから……。ずっとずっと、エッチしていたいから……それでこの前、悩んでいたんだよ」

「ゆかちゃん。このことずっと一人で悩んでいたの?」

「うん」

私は、涙ぐんでしまう。

こんなにしあわせなエッチのはずなのに自分が妊娠してしまうかと思うと、ずっと心の整理がつかなかった。だから、悩み悩んだ末の告白だった。

「僕も、ゆかちゃんのこと、好きだし、大好きだから……。大きくなってもゆかちゃんとエッチしたい! だから、大きくなったら、ちゃんとおちんちんにフタをつけるよ。約束する。それに……」

今度は、翔太くんが言いづらそうにしていた。
勇気がいる告白をしようとしているのだ……。

「……それに……、僕たちが本当に大人になったら、結婚して赤ちゃん作ろうよ。僕、ゆかちゃんの赤ちゃんがほしい。大人になったら結婚して赤ちゃんを作ろう!」

「翔太くん……。うれしいよ……」

「それまでおちんちんにフタを付けて、エッチするよ。ゆかちゃんのために」

「おちんちんのフタはコンドームっていうみたい」

「うん。大きくなったらコンドームを付けるから、これまで通りエッチしよ?」

「うん」

こうして図書館から借りてきた性教育えっちの絵本を、翔太くんと一緒に読んだんだよ。

嬉しかった。翔太くんとこれからもエッチができる約束ができて。
それに、結婚しようって言ってくれて嬉しかった。

将来、翔太くんのお嫁さんになります、私。
そして、結婚したら、一緒に赤ちゃんをつくろうね? 翔太くん。

……→ 次回に続くよ。

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