見出し画像

ちょっと珍しい、思い出の品

先日、荷物の整理をしていると、古いパスポートが出てきました。初めてパスポートを作ったのは23歳のとき。10年で更新なので、今持っているパスポートは2冊目になるのですが、それとは別にもう一冊、パスポートがあります。


「公用旅券」です。

パスポートセンターなどで申請する10年更新、5年更新のパスポートは「一般旅券」と言います。

公用旅券は、青年海外協力隊(現JICA海外協力隊)として派遣されたときに発行されたものです。
大使館職員や公務員が、国の公務として海外に行くときに使用されるもので、協力隊もまた国の公務ということになります。

真偽のほどは分かりませんが、普通のパスポートに比べて信頼度は高いようです。旅行者としてではなく公務としての渡航なので、イミグレでも無駄な足止めをされることもありません。


ただし「公用旅券」には、色々な制限もあります。

まずパスポートは、1人で複数を所持することができません。協力隊として公用旅券が発行されたら、自分のパスポート(一般旅券)は、JICA(外務省?)に預けることになります。

2年の任務が終わり、公用旅券の失効手続きが終わってから、一般旅券が返されます。

また、渡航先の制限もあります。
基本的には、公務として必要な国のみなのですが、その国の情勢を鑑みて、周辺国や日本からの経由地となる国が記載されています。

私の場合、任地はガーナ。
パスポートに記載のある渡航可能な国は、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、オランダ、ナイジェリア、マリ、ブルキナファソ、コートジボワール、トーゴ。

ガーナの周辺の国と、ヨーロッパの国々は万が一の事態が起こったときの退避国となります。

ただ、青年海外協力隊の場合、パスポートには上記の国が記載されていますが、JICAルールによって、更に渡航制限がされていました。

私が赴任していたときは、任期の間で旅行が許されていたのは、日本もしくはイギリスのみでした。

パスポートに記載のある国は、あくまでも緊急用のものということになります。


2022年における日本人のパスポートの所持率は約17%と、コロナ禍によってさらに減少したそうです。

そのパスポートのなかでも少し珍しい「公用旅券」。
ガーナに赴任していた頃の思い出のひとつです。

かず

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?