人間が引く線
最近やっと、そういうことかと意味の分かった英単語がある。
それは
East Indian
カナダとインドは今、あやしい関係になってしまっているが、ここ近年インドからの移民の数が増えている。
この湖畔の田舎町でもよく見かけるようになって
その人たちのことを友人などがイースト・インディアン(East Indian)と呼ぶのだ。ただのインディアンでなくって。
どうして見ただけでインドの東の地域出身だってわかるの?
(そうなんです、私ってかなりボケてるんです)
誰からもストンとした回答を得ることができなかったのが、先日やって来た日本滞在(多分ここがポイント)の長いカナダ人の友人が、やっと私の疑問を理解してくれた。
インディアンって言ったら、北米の先住民のインディアンやカリブ海の西インドと呼ばれている地域もあってややこしいだろ?だから単にインド人のことをイースト・インディアンと呼ぶのさ。
イーストと言ってもインドの東の地域を指していたわけではなかったのだ。そして
んで、イーストってなぜ・・?
日本からみたらインドはどう見たって西に在りますから!
いえいえ、そうそう、決めたあなたたち(笑)から見たら東、そして日本はFar East、極東でしたね(笑)
と、とても納得した次第。
大体誰が決めたか知らないが、あの日付変更線もやっかいだ。
ここカナダのトロントの空港から日本に戻るとき、北米大陸の西海岸バンクーバーで乗り継ぐときがある。
バンクーバーに着くと気持ちとしては、いや実際に日本に近づいているが、時間は日本から離れる一方である。
そうそう日本はFar Eastでしたね(笑)
飛行時間や時差を考ると頭がこんがらがるので、現地時刻はスマホの表示をうのみにしている。楽になったものである。
さて私もおボケさんであるが姉はそのうわてを行く大ボケ姉妹である。
妹のカナダ生活がもう4年目に入ろうかという時に判明した。
姉の頭の中に時差という単語がなかった!
ある時、亡くなった母のことで銀行の人と会わなければいけないのを私はカナダにいるのでと姉に任せていた。オンラインチャットの使い方がやっと分かった当時の姉。
すると突然姉からのメッセージ。
ビデオチャットがあるからそれで話せることに気づいたわ!今銀行に向かっています。じゃあ30分後にね!
あのね~こっちはもう夜の11時半。シャワーも浴びてベッドに入るところ・・呆れて返信せず完全無視をした。
一方で時差をうまく利用する人もいる。
高校時代の友達だ。
時折精神的に不安定になる彼。
眠れない夜があるらしい。
そういう時にメッセンジャーがやってくる。
大した会話ではない。
元気?と言ってきてあとはスタンプのやり取りくらいなもの。
でも眠っていない仲間がいると安心するらしい。
誰も相手にしてくれないからって・・まあこちらは真昼間だからいいけどね!
こんな人もいる。
先日カーテンの取り付けの相談に来たケリー。
私が日本出身だと知って
日本はこれから夏に向かうところ?
実はこの質問、今までに何回も受けたことがあるのだ。
いいえ!ここカナダと同じく日本も冬に向かっています!
え~?そうだっけ?と頭の中で地球を回している様子のケリー。
確かオーストラリアは逆で・・日本は・・
ちょっとちょっと地球の回転軸を変なとこに挿さないでくださいね(笑)
でも人のことは言えない、
エルサルバドル出身の人と出会ったとき、赤道の北か南かあるいは赤道直下か????と分からなかった私である。
その点サポートに入っていたモンテソーリスクールの子どもたちは賢い!(笑)
確かもうすぐ6歳の男の子だった。
先生が私を紹介して、ジャパンはどこにあるか知っていますかの問いに、アジア!と答えていたのだから。(世界地図の木製パズルがモンテソーリのワークにある)
日本とカナダ。
オンラインで繋がっているとき
こちらは次第に暮れゆき
画面越しには明るくなる日差しが見えることがある。
その一瞬を共有しつつ地球の丸さを思う。
なのに人間が引いた線のためにまた別の争いが始まった。
そう言えばイスラエルに住む友人がいる。
彼女は日本に住んでいたアメリカ人で、離婚をきっかけに故郷のイスラエルに戻ったのだ。
その後何年かして彼女からfacebookのメッセンジャーが届いた。
ひょっとして私たちって知り合いじゃないかしら?
まだfacebookの使い方が分からなかったころ。日本語版も出ていなくて。たまたまアカウントを作ったものの、ひとりとして友達がいなかったのである。
だから彼女がお友達の第一号。
遠くイスラエルから私を見つけてくれて繋がることができるということに興奮を覚えたものである。
線を引かなければ
この瞬間を共に過ごすことができる地球上の人々
そんなテクノロジーの時代になってなお
地球に線を引きたい人がいる
そちらは大丈夫?
これから彼女にメッセージを送るつもりだ。
いつかその地を訪問したいと思っているのだけれど。
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。