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第二言語の世界:ああ、勘違い

英語を使う環境で過ごすようになって
人間の母語の強さに感銘を受けるようになった。

正確性
どの言語にも共通した習得の確実性
一旦習得したあとのゆるぎなさ

それに引き換え
ある程度年齢を経てからの第二言語の習得力はなんて弱いのだろう。

そんな風に人間の頭が作られているのだから
どうしようもないけれど。

さて
大体においてそそっかしい私ですから
その弱い習得力が大いに影響して
数多くの
思い違い
聞き取り違い
挙句の果てに理解不能状態を経験してきた。

ではここで
友人にウケた経験談2選

First Aidの講習で救急処置についての話の時
講師がAngina(狭心症)と言っているのに私には
vagina(膣)としか聞こえなくて。
膣の応急処置って何よ?

夫が浮腫を取るための点滴を大学病院で受けていた時
Reduce fluid in the body(余分な体液を減らす)ためのIV(intravenous点滴)を勝手に
fluid(体液)→flood(洪水)
IV(点滴)→ivy(蔦)
と聞きとって
帰宅後ドクターに
蔦のおかげで洪水が治まりました!
というメールを送っていた。
浮腫の余分な体液洪水に例えるなんてうまい表現、それに点滴の管はまさにのようだと感心して間違いに気づいていなかった私。

やれやれ・・
受け取ったドクターはそう思ったことであろう。

わからない
ということより
思い込んでいる方がたちが悪い。

とんだ勘違いはもちろん私だけではない。

日本にいる時、英語が母語の友人が息子の小学校の先生から連絡帳が戻って来たので見てほしいと言って来た
彼女の息子は消化の問題で給食の牛乳が飲めなかったのである。

連絡帳には彼女が一生懸命書いた文章があった。

むすこはぎゃにゅのめません
でもへいばんあればだいじょうぶ

はて?へいばんとは?
今ならタブレットが普及していてピンと来たかもしれない。でもその頃の私はわからなくて彼女に聞くと、辞書で調べたらそう出ていたと。

tablet:平板(へいばん)錠剤(じょうざい)

と彼女の紙の辞書にあった。
あ~錠剤じゃなくって平板の方取っちゃいましたか・・・

にもかかわらず担任の先生の返事は

わかりました

さすが先生
すごい察知能力(笑)。

さてついこの間のこと。
レンタカーを返しに行くと英語習得中らしき男性がカウンターを担当していた。

The washer didn’t come out
(ウォッシャー出てこなかったんですけど)
今思えばwindsheild washer(フロントガラスの洗浄)とかwasher fluid(洗浄液)と言えばよかったのだ。

男性は
????

私はもう一度シンプルにと
no washer

すると男性は
That's okay

いや、オッケーじゃないでしょう。

でも男性は手続きを完了し
返却した車をちらっとみるだけで
no problem!
車に乗り込んで裏に収納しに行ってしまった。

あのね・・?

後で友人に話すと
そりゃThat’s okayじゃないわ!
だよね?

別の友人に話すと
寒かったから凍って出なかったんじゃない?

いやいや、マイナス3℃で凍るものを入れていてはダメでしょうこの地で。

そしてふと気付いたのだ。
きっと男性はwashという音を聞いて
洗車していない
と私が言ったと思ったのでは?

洗車してないの
That's okay

少し泥が跳ねあがっているくらいの車体を見て
No problem

おお~これで会話の辻褄が合うではないか。

しかし、普通洗車して返さないよね、レンタカー。
よほどのことがない限り。

血がこびりついた車体でなくて彼は安心したのかもしれない(笑)


勘違いしていることが
今も知らぬままあるだろうな、きっと私。
そんないい加減な
私の第二言語の世界である。


夫ジェイの闘病中
これを聞き違えると
次の選択を間違えると
彼の生き死ににかかわるかもしれない
そんなストレスから解放されて

今は気楽なものである。
あらん?勘違いしちゃったあ?


ひょっとして
結婚しようって言ったジェイのことばも
勘違いだったかもしれないって?

今となっては
確かめようもないけれど・・・。

写真:レンタした車。エコノミー・コンパクトで予約していたのにカウンターでおねぃさんが
今GMCがあるけどいい?

え~?トラック?
と私

くくくっ、大丈夫。

だってGMCってこの辺りで見かけるのトラックばっかりなんですぅ





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