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私がジョナサンをほぼ毎日利用するになった理由(ワケ)

2023年に入ってから、やけに仕事が立て込んできて、だんだんと精神も犯されそうになるくらい、切羽詰まってきた。やはり人間には適度な休養が必要なのだ。さりとて、締め切りは矢継ぎ早に迫ってくる。

どうしようもなくなり、私は近所のジョナサンに逃げ込んだ。10年近くこの地に住んでいるが、ジョナサンはファミレスの中でも割高感があり、ちょっと仕事に疲れた帰り道に、自分へのご褒美という感じで、ミックスグリルを食べに寄る、そんな機会が年に1〜2回あるかないか、というとってもとっても薄いお付き合いだったのだ。

そんなジョナサンに救いを求めたのも、とにかくワンルームの狭い賃貸で四六時中仕事をしていて発狂しそうになっていたため、ここではないどこか、でも徒歩5分くらいで行ける適度な距離感、そんな自分にとって都合の良すぎるニライカナイを求めた結果の、ジョナサンだったのだ。

で、これがよかった。びっくりするぐらい仕事に集中できた。元来、自分はカフェやファミレスなど、周囲が雑然としている場所では仕事に集中できないものと勝手に決め込んでいたが、バカ集中できた。

「ジョナサンに行けば原稿が終わる」

そんな、絶大な信頼をジョナサンに抱いてしまった私は、もう中毒がごとく、足繁くジョナサンに通うようになった。ちょっと美味しいご飯を食べて、コーヒーや紅茶を飲みながら、ひたすら原稿に没頭する。

「今日も、ジョナるか」

朝起きて、いきなりジョナサンな気分になることもしばしば。そして、まるで世紀の大発明でも閃いたかのように「それは名案だ、名案だ」と頭の中で繰り返して、なんか無性にウキウキしてくるのだ。

ジョナサンでは猫型のロボットが料理をサーブしてくれる。猫型といっても、かなり寸胴な体型で、猫のような顔面が「〜だニャン」と発する程度の猫感なのだが、ジョナサン通いを続けていると、こいつが異様に愛おしく見えてくる。健気に料理を運ぶ姿が、ロボットなのに、なぜだか癒やされるのだ。

猫型配膳ロボットは、子どもにも、お年寄りにも受けがいい。子どもは必ず「ニャンちゃんかわいい〜」と大喜びだし、お年寄りも「あらあら、偉いわねえ、料理を取ればいいの?」と、孫でも見守るかのような態度でけっこう、受け入れている。そんな姿を横目で眺めるのも、なんかいい。

ジョナサンは料理がうまい。ちょっとしたサラダでもうまい。少しお高めのファミレスなんで、それはそうだろうという感じだ。でも、料理が美味しいって、どれだけ身体を癒してくれるかって話だ。誰かが作ってくれた温かくて美味しい料理、これは応援団100人分くらいの「応援力」があるといっても過言ではない。

そして細かい話だが、ドリンクバーがかなり充実している。流石にちょっとした長い時間仕事をしていると、漫画喫茶にあるような甘いジュースとコーヒーだけではちと飽きる。ジョナサンはソフトドリンクも基本は抑えつつ、アイスティー、野菜ジュース、青汁的なやつ、キウイジュースなどなど、ちょっとこだわりの種類もあって嬉しい。コーヒーも、今月のおすすめ的なやつから、エスプレッソ、カフェオレ、ノンカフェインなど、けっこう選べる。抹茶オレみたいなのもあったような気がする。

というように、選択肢が多くて、まったく飽きることがない。最近の私のルーティンは、まずアイスティーでスッキリと喉を潤しながらごはんを食べて、コーヒーを飲んで、続いて炭酸水か、ちょっと甘いカルピス系の飲料に行って、そしてカフェオレで気分を変えて、最後にキウイジュースで締める、という流れに固定化されてきている。はい、誰も得をしない情報をお届けしました。

最近、久々にサイゼリアに行ってビックリした。ジョナサンと比べて、あまりに安いのだ。ジョナサンは好きで、友だちと足を運ぶことはこれまでにもよくあったし、安いことは理解していたが、ジョナサン後に、足を運ぶと、本当に驚天動地の安さに思えてくる。ミラノ風ドリアが300円だと!?

安くてうまいことはいいことだ。それはそうだ。しかし、私は食事をしてちょっと仕事をするのにサイゼリアは適さないと感じた。というのも割りに合わないと思うのだ。わずか400円、500円で、何時間も滞在をねばろうとするのは、どうも申し訳ないというか、後ろめたい感じがするのだ。

さりとて、私も開店から閉店まで居座るような豪の者ではない。そこは断っておかなければならない。多いか少ないか分からないが、だいたい2〜3時間くらいいさせてもらえれば万々歳という感じだ。で、その時間に対しての対価として、サイゼリアの価格感はではどうも釣り合わない感じがするのだ。

やはり仕事に没頭するためには、気負いなく取り組めるような精神状況にはしておきたい。その点、ジョナサンは堂々と大股びらきで構えていられる。これはあくまで個人の感覚でしかないが、ジョナサンぐらいの価格感だと、私にとっては「どうだ明るくなったろう」とお札に火を灯すくらいの、なんだか貴族のような気構えでいられるのだ。

なんだが最終的に、すごくケチくさいような話になってしまって申し訳ないが、もちろんお金を払えば長居をしてもいいというわけではない。ユーザーとして、それなりの節度をもって、利用させていただくのは大前提である。そういって、なんとなくお茶を濁しておこうと思う。

3月に私は引っ越しをする。このジョナサンとの付き合いも、もうあと何十日という感じだが、去り際になってやけに濃密な関係性になってしまった。引越し先にも近くにジョナサンがあるだろうか。にゃんこ配膳ロボットさんはいるだろうか。

今後とも、末永いお付き合いをお願いしたい。


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