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患者さんが本当に求めているものは何?

 こんにちは。竹中かずしです。いつも食器洗いしてて水筒の隅の方って多分あんまり洗えてないよなと思う今日この頃です。
 
 今回は3月21日に行ったpersonal designの内容を聞いて学んだことと自分の考えをまとめていこうと思います。


personal design3月講師は瀬口雄一郎さん

 3月21日に行ったpersonal designでは講師に瀬口雄一郎さんに来ていただきました。瀬口さんは愛知県で介護事業や介護情報誌「クレセント」を作られている方です。
https://www.crescent-kaigo.jp/staff


 今回は瀬口さんの話の中で印象に残った部分を取り上げていこうと思います。
 

 瀬口さんの話の中に、

 施設の利用者さんが円背になりかけているのをなんとか防いで転倒の予防をしたいと思った時がありました。
 でもその際、利用者さんが座っている時に「背筋を伸ばして」と伝えてもその時しか良くしてくれなかったんです。

 でも、ある時利用者さん達の写真を撮るようにし始めると、なんだかんだいいながら姿勢を正したり、笑顔になったりして写真に写ろうとしていました。

という内容の話がありました。

これをまとめると

瀬口さんが求めるもの
 →利用者さんに姿勢を正してもらって転倒の防止につなげたい

利用者さんが感じたこと
 →どうせ写真に撮られるなら綺麗に写りたい

ということになります。

この話を聞いて、これって普段の仕事でも大事だし、応用できることだよなと思いました。



こっちの欲求ではなく本人達が求めるものを前面に出す

上の話の内容を少し抽象化してみるとこうなります。

自分たちの求めるものを押し付けても人は動かない。
人が動くときはその人達の欲求を引き出すことが必要。

 今回は利用者さん達が姿勢を正そうとしたのは転倒を予防したいからと思ったわけではないです。
 あくまで写真を撮ってもらうなら、綺麗に写りたいとの欲求が引き出されたからです。

 これを考えて、普段の仕事で自分の求めることを患者さん達に押し付けしていることあるよなと思いました。



患者さんに対して何を前面に出してリハをしてもらうか?

 自分も普段回復期のリハビリテーションをしていて自分たちが求めるものを患者さんに押し付けていて上手くいかないなと思うことがあります。

 例えば、筋トレをするときに患者さんに対して
「Aさん、しっかり歩けるようになるために足の筋トレをしましょう。」
などと伝えているときはありませんか?


 これは先ほどの話で行くと転倒をしないために背筋を伸ばしてと言っているようなものです。

 これでは患者さんはあまりやる気にはなりません。
 頭では筋肉が落ちてて歩きにくくなっているのは分かっていても本人達の強い欲求にあまり当てはまってないからです。


 ではどう伝えたら良いのでしょうか?



患者さんが求めているものは何か?

 患者さんが能動的に動いてもらうために必要なことは何か。

 それは、こっちが求めることは一旦後ろに置いておいて、患者さんが持っている深いところにある欲求を前面に出すことです。

 例を挙げてみましょう。
 例えば、Aさんに話を聞くと、入院する前までは自宅で一人で暮らしてて、たまに娘の家に行って孫に会いに行くことが楽しみだったという話をしたとしましょう。

 そうするとAさんは歩けることだけを考えたらそこまで強い欲求を持っていないですが、孫に会うことに関しては強い欲求がある可能性がありますよね。

 そうなれば、Aさんに対しては
「歩けるようになるために筋トレしましょう」
というよりも

「お孫さんに早く会いに行きたくないですか?」

(うんうん)

「そしたら家の玄関から駐車場までの砂利道を歩いて、自分で車に乗って、スーパーで孫のためにおやつを買って娘さんの家まで行かないといけないですよね?」

(うんうん)

「そしたらもう少し不安定な道も歩けるようにならないといけないし、車に乗るときの段差も登れないといけないですね。」

(確かに)

「じゃあそれができるようにもう少し筋トレしましょうか。」

(頑張ってやろうかな)


 このような感じで患者さんの強い欲求が引き出されると能動的な行動に繋がり、結果として自分たちが求めるものに繋がると思います。



本人の欲求をどう引き出すのか

 自分たちの求めるものを押し付けるだけではダメなのは分かった。
 でも、本人達の欲求なんてどうやって引き出すんだよ。

 そう思った人もいるかもしれません。

 自分の考えとして、本人達の欲求を引き出しつつ、自分たちが求めるものを能動的に行ってもらうためには2つのステップが必要です。

①その人の話を深く聞いたり、行動から価値観を知る。

②本人が求めている欲求を要素に分解して自分たちが求めているものとのつながりを提示してあげる。

この2つです。


 すごく当たり前ですが、まずは本人の話を良く聞きましょう。その話の中で

・何に楽しみを感じていたのか。
・何に対して嫌な感情が芽生えるのか。
・何に対して価値を感じていたのか。

 を考えて聞いていくと、その人の価値観が少しずつ分かってくると思います。
 価値観が分かってくれば自然とその人の強い欲求も分かってくるはずです。

 自分もこれは頭では分かっていても実際にやるのは非常に難しくて毎日試行錯誤しながら行っています。


 ぜひ皆さんも明日から今までよりも深く患者さんや利用者さんの話を聞いてみてください。
 そうするともう少し深い価値観が知ることができると思います。




 今回もお時間作ってこのnote読んでくださって、本当にありがとうございます。
 少しでも皆さんの日々の生活に生かすことができ、人生を前に進める手助けになれば嬉しいです。


#竹中かずし #日記 #理学療法士 #personal design #瀬口雄一郎



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