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結婚誓約書

暇に飽かして、新聞の投稿欄に目を通していた。
ほとんどの記事は「フーン」という感じで通り過ぎるのだが、先日、短いが心温まる文章を発見した。
68歳のお医者様の投稿記事で「73年前、両親が書いた結婚誓約書」というタイトルである。

95歳で亡くなられたお母様の遺品の中に「誓約書」と記した変色した原稿用紙が見つかったそうである。日付は1948年、昭和23年である。
お父様の几帳面な筆跡で、
・〇〇子(お母様)さんの希望に沿うべく常に努力致します。
・浮気しません。
・喧嘩をして万一怒った場合もその日の夜12時で停止致します。
・〇〇子さん及びその家庭を愛します。
それに添えてお母様の筆跡で、
・常に善良なる妻たる事を誓います。知識・教養の増進向上に努めます。
とあったそうである。
時代は戦後の混乱期で、就職もままならない中、お母様にプロポーズされたらしく、お父様は精一杯誠意を示し、お母様も誠実に応えようとしたもの。
「私は突然、若き日の男女としての父母に出会った。驚くほど率直に誓い、それを誠実に貫いた2人。たまらない懐かしさと感謝と温かさの入り交じる不思議な感情でいっぱいになった。」と締めくくっておられる。

みなさん、どう思われただろうか?
ジェンダーとは程遠い?
世知辛いこと言わないで。。。

私は何十年も新聞記事を読んでいるが、はじめて涙腺が緩んだ。
自分の両親も投稿者より一世代下であるが、いったいどんな会話をして夫婦
になったのだろうか?どんな約束があったのか?
両親が結婚してから自分が物心がつくまでの出来事は、当たりまえだが私にとってはブラックボックスである。
私もたまらなく知りたくなった。
普通なら知る由もないことであるが、若き両親が幸せで、私もその輪の中にあったと思い込みたくなった。

すばらしい投稿に感謝!

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