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そうか、猫だとこうなるのか

なんか口がヘンだと、猫のご家族が感じて、動物病院に来院しました。
羽尾先生は「なんかヘンって、何だろう?ヘンな主訴だな」と思いながら診察室を始めました。
その猫の確かに、なんかヘンです。
口をへの字に曲げて半開きにしています。
ニヒルな笑いの様な、それでいて困った様な表情を浮かべています。
これはいったい、どういう事でしょうか?
口の中に違和感がありそうなので、羽尾先生は猫の口を開いてみました。
すると、すぐに原因が分かりました。
何という事でしょう!
半開きにしている側の下の犬歯が舌に刺さって、貫通しているのです。

小学生の頃、でんぐり返しをして自らの膝をしたたかにアゴに打ちつけて、舌を噛んでしまって涙が出たあの出来事・・・。

猫で同じようなことが起きると、こうなるんですね。
猫の犬歯(これも変な言葉ですが)の鋭さを、羽尾先生は身震いするような思いで学びました。
刺さりどころが良かったのか、歯を下から抜いても、ほとんど出血はありませんでした。

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