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私達はどう生きたいのか?

3月11日 東日本大震災から13年目を迎えました。防波堤や道路などハード面も復旧はおおかた完了はしましたが、被災者の暮らしをどのように支援するのか、まだまだ課題も多く残されています。

そしてこのような災害は東日本大震災だけではありません。1月01日に起きた能登半島地震をはじめ、多くの災害地域で長期的な支援が必要となっています。

亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、どのようにして継続的な支援を続けるのか、考えていく必要があるなと感じます。

そしてこのような大きな災害は、被災しなくても自分の生き方を見直すキッカケになることも少なくありません。

私自身、311は人生にとっておおきな転換のタイミングとなりました。

「君たちはどう生きるか」という宮崎駿監督の作品がアカデミー賞を受賞しましたが、改めて「どう生きるのか」について考えてみたいと思います。
(しかしこのタイミングでのアカデミー賞受賞。メッセージ性を感じるのはきっと私だけではないはず…)

不妊治療と仕事に揺れ動いた2011年

2011年、私は不妊治療と仕事の両立に悩み始めていました。

元々月経周期が短めな私は、月に2回生理が来ることも珍しくありませんでした。そのたびに排卵誘発剤の注射と卵胞確認にクリニックに通う日々でした。

3月はどうしても優先したい出張があり、はじめて、仕事を理由に治療をお休みした周期でした。

そして仕事は数年来の繁忙期に向かっていく時期でもありました。繁忙期に突入してしまえば、不妊治療に通うのは厳しくなる…それまでになんとか妊娠したい、そんな思いが頭の中を駆け巡っていました。

選択肢がひとつ違えば…

そんな中、旅先の広島で東日本大震災を知りました。揺れを感じることは全くありませんでしたが、津波に関する注意報(警報ではなかったと思います)で、この後の船が休止になるということで、最終便に乗ろうと宮島の桟橋は人であふれていました。

私と夫は島内に宿を取っていたこと、それなりの高台にあったこと、市内に戻っても新幹線が動いていないことから、島内の宿に予定通り1泊したのですが、その日の夜の記憶はほとんどありません。ただテレビで東北の映像を見続けていたことだけ覚えています。

そう私達夫婦は、この日、宮城に行くか、広島に行くか悩んだ結果、夫の一言と偶然みたテレビの旅行番組で広島行きを決めていたのです。

もしあの時、私の希望を押し通して宮城県に旅行にいっていたら‥‥もしかしたら今ここでこうやってブログを更新していなかったかもしれません。

生かされた命

スピリチュアル的なことはあまり好きではありませんが、それでも「生かされた命」というワードが私の頭の中から離れることはありませんでした。

ちょうど、不妊治療と仕事の両立、治療の断念に悩んでいた私は、どうしたいのか?どう生きたいのか?そんなことを自問自答する日々でした。

そして様々な出来事が重なり、今ここで不妊治療を諦めたら、私はずっと後悔し続けるのではないか?と思い、不妊治療退職を選択したのです。

この後、長い間退職したことを後悔していたため、どちらがベストな選択肢だったのか、結局のところ答えは出ていませんが…それでもあの時は、自分にとってベストな選択をしたのだと思います。

卵子凍結する・しない・不妊治療する・しないはライフプランの先にある


「2023年の出生数は75万8631人で8年連続の減少」
数週間前、2023年の出生数がネットをにぎわしていました。ただ90万人を下回った時ほどのインパクトはなく、ただただ現実として受け止められていたような気もします。

しかし、国や行政はそうは言ってはいられません。いかに若い女性に妊娠・出産に意識を持っていってもらうかと必死です。

東京都での卵子凍結への助成金の高さからか、山梨県や大阪の池田市も助成を決め、ここに続く自治体は今後も増えてくるでしょう。

卵子凍結は自費診療。2022年4月から保険診療となり収入減となったクリニックにとっては願ってもない後押し…となり、あちこちで卵子凍結を勧める投稿や広告を見かけることが増えました。

なんとなく不安を感じ(不安を煽られ)、とりあえず卵子凍結をしておけば安心…そう感じている女性も少なくないのでしょう。

そう私達が30代の頃、不妊治療をすればすぐに妊娠できるはず…と思った時と同じように。気が付けば、出口の見えない、終わりの見えない暗闇に迷い込んでしまった人も少なくありませんでした。

ライフプランやキャリアプランを明確にしておけば…そこまで迷い込まなく済んだ…という人もいるのではないでしょうか?

本来、卵子凍結する・しない・不妊治療する・しないを考える前に、まずはライフプランやキャリアプランを考えるのが先です。

ライフプランやキャリアプランを考える前に、産むことを前提に卵子凍結を考える…本当にこれでいいのでしょうか?

凍結した卵子で妊娠に至らなかった場合、どうするのでしょうか?

卵子凍結や不妊治療はライフプランの先にあるものです。ライフプランを考えずにとりあえずで突き進むことはお勧めしません。

どう生きたいですか?

産む・産まないを含めて、まずは自分自身が「どう生きたいか」を考えてほしいなと思います。

その先に、キャリアや妊娠・出産に関する様々な選択肢があるはずだと私は思っています。

周りや世間の意見はいったん横に置いて、「自分はどう生きたいか」「どのようなライフプランを描いているのか」を手帳でもなんでもいいので書き出してみてください。完璧じゃなくてもOK。想定していたものと変わってもOK

そして数年後、それらを見ながら必要に応じて軌道修正すればいいのですから。

「自分はどう生きたいか」 主語は「自分」
他人が決めるのでもなく、世間一般に流されるのでもなく、自分はどうしたいのかをぜひ考えてみてください


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