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オンラインゼミvol.2 不確実な世界を捉える感覚・思考を研ぎ澄ます

前回、探究学習と発達理論の接続についてのテーマで試験的に開催したオンラインゼミVol.1

いろいろな意見をいただきまして、いまの自分ができる皆さんに貢献できる手段として、「人と組織の発達をテーマに、自己・社会を捉える観点や価値観に新たな気づきをもたらす、学び続ける大人のためのオンラインゼミ」とコンセプトを打ち立てた少人数×双方向のオンラインセミナーとして実施していくこととしました。

開催は不定期ではありますが、新たな考えが浮かんだり、研究の進捗があったとき。または発達理論やその関連領域などを学んでいくなかで皆さんにお裾分けしたいテーマが浮かんだときに開催する方向で考えています。

そんなオンラインゼミですが、7月17日に第2弾を開催させていただきました。

オンラインゼミ2


vol.2のテーマ

今回は「不確実な世界を捉える感覚・思考を研ぎ澄ます システム理論と統合的思考に学ぶVUCA時代のリテラシー」と題し、予測困難で混沌とした現代社会を生きていくためのリテラシーとして、人の発達を捉える発達理論、世界の複雑性を読み解くシステム思考、そして万物の理論とも称されるインテグラル理論のエッセンスを取り入れた考え方やフレームワークをご紹介しました。

オンラインゼミvol.2_スライド

イントロダクションでは、いま世界で起こっている静かな変革の兆しと分断の傾向、そしてAfterコロナに生まれるであろうニューノーマル、beforeコロナに戻ろうとする動きとしてオールドノーマルの可能性を示唆。

オンラインゼミvol.2_スライド2

レクチャーに関連する内容であり、5月27-31日に行われたIntegral European Conference(インテグラルヨーロピアンカンファレンス)の内容もお裾分けとしてシェアさせていただきました。

IECは2年に一度開催されているインテグラル理論を背景とした各分野の研究者や活動家が一堂に介して行われるカンファレンス。オンラインとなったことで参加することができました。

5日間に渡って様々なクラスが開催されていましたが、なかでも特に印象に残ったキーノートスピーカーであるU理論のオートー・シャーマ、ティール組織のフレデリック・ラルー、そしてインテグラル理論の提唱者でもあるケン・ウィルバーの話を今回お伝えしました。

キーノートのテーマはCOVID-19がもたらした社会システムや人の行動への影響、気候変動についてなど、いずれもタイムリーなものばかりで、これまでそれぞれを別個で学んできましたが、話を聴いていくなかで各理論同士の繋がりが浮かび上がってきます。

オンラインゼミvol.2_スライド4

後半のレクチャーではIECのキーノートの話を前提とし、システム思考や発達理論などを組み合わせた統合的な思考の活用方法を紹介しました。

単体でももちろん有効ですが、それぞれが繋がることでより深い理解が生まれ、新しい気づきが生まれてきます。その結果、システムのなかでこれまで見えていなかったもの(死角)が見えてくるかもしれません。当日は統合的な理解を高めるためのエクササイズも簡単に行いました。

統合的な視点が持てると複雑な問題の因果関係や要素同士の繋がりが読み解けます。その結果これまでとは違った対処療法的ではない、根本的な変化を起こすためのシステム構造やメンタルモデルへのアプローチ方法も浮かんでくるでしょう。

もちろんすぐに出来る訳ではありませんから、初学者として全体像を掴んだ後は学んだことを意識しながら少しずつ使っていくことが習得のために必要です。

余談ですが、最近はこうした統合的な思考を取り入れて学校教育でお伝えしていたりします。

SDGsなど持続可能な社会システムをいかに築くかということにいま注目が集まっていますが、この時代を生きる大人の教養として、こうした統合的思考ができること=VUCA時代のリテラシーと呼べるのではないかと考えます。

今回もご参加いただいた皆さんの振り返りと感想の一部ご紹介します。

「協力するには?」の問いをしばらく持ち続けてみようと思います。今回の対話シェアでも、何らかの協力が起こっていて面白かったです。(ボディケア・フリーランス)

インテグラル理論とカイロプラクティック(身体)はほぼ同じようなことなのじゃないか?と思ったのと、ウィルバーの主張が宇宙意識?(スピリチュアル)なとことろに通じる部分があるなぁと思って、ますますこの目に見えにくい世界に関心を持った。目の前の問題に対して、最近は左寄りの考えで向き合っていたので、四象限をバランスよく見ながら、問題解決に臨みたい。(大学生)

U理論の一部分を無意識に実践していたので、さらに実行していく。自分の死角になっている部分に気付けるよう意識する。元どおりに戻ろうとしているメンタルモデルをいかに変容していけるか、自分ができることを問い考え続けます(専門学校講師)

今日の話を組織開発の事例に当てはめるとどうなるか考える。参加者の皆さんとの対話がよかったです。今回も素晴らしい講座をありがとうございました。(大学教員)

対話では自身の仕事に置き換えて考えてみたり、教育現場にどのように取り入れていくかなど、自身では持ちえない様々な観点から意見をお聞かせいただき、多くの気づきをいただきました。

ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました!


レクチャー動画(56分)

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