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俺はフィギュアを見倒して温泉に浸かっただけだった・・・が、気ままな一人旅は楽しかった

なんかね、俺って人はある日突然フラッとどっか行きたくなるの。そういうお話。

<序>特急に乗った

1週間ぐらい前から、漠然と「倉吉方面に行きたい」と思い始めた。特に動機はない。なんか1人で気ままにどっか行きてえな、ぐらいの気分だった。だいたい俺は昔からそういう人間だから。糸の切れた凧みたいにどっかに行きたがる。当てなんかない。
だから最初は倉吉だけに行くつもりだったが、そうだ、せっかくだから温泉に浸かりに行こう、などと思い立ち、で、若旦那がガイナーレ鳥取を応援されてるという「しあわせひょうたんの宿 旅館水郷」に行ってみるか、などと思い立ってしまった次第。アディショナルタイムではあるが、せっかくだから豪勢に(宿泊もしないのに「豪勢に」もへったくれもないのだけど)行っちゃえ、と。

山陰本線って路線は、ある程度の遠距離移動は特急列車でないと行けないようになっている。いや、普通列車でも行けるよ。行けるけど、駅によっては〇十分とか平気で停まるし。元々日帰り旅なのに、そんなことしてる時間的余裕なんかないので、今回も特急列車で移動。

特急列車のくせにグリーン車すらつかない2両編成とか頭がおかしい、などとガタガタ文句を言わないように。田舎はこれで普通なの。
山陰本線には4両編成の普通列車とかいる(これは本当。この少し前に出る列車は本当に4両編成)んだぞ。俺、毎朝その列車見るけど、未だにあれが4両編成である必然性が見えてこないんだもん。

まあ、とにかく、乗った。行きはTwitterばっか見てた。いや、湘南ベルマーレのチョウ・キジェ監督がパワハラしたのなんのって騒ぎになってるんで、何じゃそりゃ?というね。

正直、何のこっちゃようわからんので、調査の結果白黒ついてから、あれこれ判断したらええのと違うの?と思うようになっている。個人的には、チョウさんを悪く言いたくもないし、企業としてのRIZAPにも良い印象はないんだけど、それはそれ。どちらも否定のステートメントを出してるみたいだし、ま、結果を待ちましょ、で、ええやん。

さ、まあ、そんな俗世間の話題はどうでも良い。俺はあくまでこの日は一観光客なのだ。ともあれ目的とする街に着いたぞ・・・

・・・って、ここは何処や?

く、くらのがわ・・・
俺は倉吉に来たはずだが・・・。

( ゚д゚) ポカーン・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) …!?

俺はやはり倉吉に来ているらしい。

鳥取駅にもこういうボードが設えてあるのを知っているが、まだ実際に絵とかが描かれた様子は見たことがない。一足先に倉吉駅で目にしようとは。

まあ、とりあえず、倉吉駅を出て、バスターミナルに行った。

こんな感じのレーン構成になってるみたい。で、西倉吉行きのバスに乗ったわけだ。

<1>さて、第1目的地に急ごう・・・ところが!

最初の目的地はここだ。

倉吉市の明倫小学校というのが、円形の建物で、ここの小学校の建物(学校自体はやや南西の方に移転しており、建物もそれに併せて建て替えられている)が老朽化によって解体されることになったそうで、しかし、いざ解体されるとなると、やっぱり勿体ないので何か有効活用できないものか、となったみたい。その結果、ここをフィギュアの展示場にしちまえ、となったわけらしい。
倉吉にはフィギュアを作っている会社があるらしい。その辺りの肝煎りなどもあって、小学校だったものがフィギュアの展示場に生まれ変わったという次第らしい。

・・・と、円形劇場くらよしフィギュアミュージアムの説明を流ちょうにしているのだが、調子に乗ってスマートフォンを見まくっているうちに、ふと気がついて前方の運賃表を見たら・・・。

・・・の、乗り越した?・・・

ガビーン!やってもたやないか!

手近なバス停で降りてはみたものの、バスの時刻表示を見ると、当分来ない感じ。仕方ねえ、歩いたれ。久々にてくてく歩いた。バスがたくさん来る通りに出たものの、いつ来るのかわからん上に、次が目当ての停留所っぽいので、もう少し歩こう、となった。夏のクソ暑い中、歩いたわ。死ぬかと思ったぜ。俺、脳梗塞とかやってるのに、こういう土地勘のない街で死んだらやだな、なんてなことを一瞬思ったり。

ま、幸いくたばるようなことはなくて、適宜休憩などしつつ歩いた結果、どうにか本来降りるべきバス停が見えてきたんで、そこから南下した。途中でこういうのを見つけた。

街路ごとにこういう石柱が立ってるみたい。どうもこの近辺では夏の祭としてこういうのがあるらしい。

よくわからんけど、この辺りは、さぞその祭の時には賑わったりするんだろう。

さて、さっきの2本目に見た石柱の横にこういうものが。恐らくここらの界隈「鍛治町」または「広瀬町」の由来になった屋号だと思われることから、こういう説明になっているのだろう。よくは知らんが。

先程の2本目の石柱や説明のあるプレートのそばの路面を見ると、こういうプレートがあった。この道の説明みたいなものだろう。

この辺りをバスが走るのかは知らないが、バス停みたいな休憩所のようなものがあり、そこでは座って休めるようにできている。この辺の界隈の地図もこんな風に飾ってあるみたいだ。

さて、そこから程近い場所に・・・

第1目的地発見!俺は遂に見つけたぞ。降り間違えたバス停から歩き続けること十数分、遂に見つけた!

<2>円形劇場くらよしフィギュアミュージアムにはフィギュアがこれでもかとばかりにあった

ってなわけでバスを降りる場所を間違えたり、そのせいで余計な徒歩を積み重ね、結果として時間を大幅にロスしつつ、着いた。

昔はここが小学校だった、というのだから、これはこれでなかなか風情があって面白いんじゃなかろうか。

中に入ると、この劇場のこういう円形のシンボルマークやキャラクターが迎えてくれる。

入場の際は3種類の料金がある。常設展示のみを見る場合(1000円)・企画展示のみを見る場合(600円)・両方(つまり館内全て)を見る場合(1200円)の3つだ。お子様はこの半額。今回の自分は使っていないのだが、障害者割引なんていうのもあるそうだ。
ちなみに、この入場区分をどうやって見分けるか、というと、首から提げる要領のチケットを渡され、これを提げていると入館できるエリアがわかるという次第。俺は今回一通り見たかったから常設と企画のセットを頼んでるのでいいんだが、イベントを調べてきて、目当ての展示だけ見たい、という人は企画展示だけ見られるものを買ったら良いし、実際、その方がチケット代はお得だ。ただ、それだと常設展示の部屋には入れないので、ある程度考えてから、ここに来た方が良いと思う。

また、基本的にこのミュージアム、写真は撮影可能だし、それどころかSNSなどにアップしても構わないらしい。ただ、ものすごく限定的なごく一部の作品(とある実在の個人を象ったフィギュア)には「撮影お断り」とあったが・・・。

早速、企画展示の1つ・・・

つまり

こいつらが出迎えてくれた。といっても、別に秘孔を突かれた挙げ句、「おまえは既に死んでいる」などと冷酷に宣告されるわけではないし、その際に「ひでぶっ!」などと叫びながら死んだりもしない。
世代的にはどストライクな俺だが、実を言うと原哲夫さんには大変に申し訳ないのだけど「北斗の拳」ってまともに読んだこともなければ、アニメに熱狂したこともなかったりする。
週刊少年ジャンプで同じように大ヒットした「ジョジョの奇妙な冒険」でさえそうなのだから、俺の感性は少しズレているのかもしれない。というか、ジャンプに掲載される(特にマッチョ且つマニッシュな世界観を持つ)作品に概ね共通して存在すると思われる固有の「暑苦しさ」が、どうも俺の感性には合わんのかもしれない。好みは人それぞれなので、その辺はお許し願いたい。

というわけで、作品自体にさほど興味があったわけではないので、この展示はあんまり写真を撮ってない。ただまあ、これに限らず、好きな人たちにとってはたまらんだろうなあ、と思った。

何しろフィギュア自体が圧倒的な質量なのだ。それはむしろ2階のこうした展示群から見て取れた。

恐竜のコーナーでこれ。しかもこれらはごく一部。多くのフィギュアがこんな感じで迎えてくれるわけだ。

動物でこれ。もちろんこれも一部。

少し前に流行った「悪いパンダ」もここにいるみたいだ。

ナウシカか何かでこういうの見たような記憶があるぞ。次の部屋に移ったところが・・・

ミリタリー系はたまらんねえ。個人的には好きなものだったんで。陸軍系のものより海軍系のものが好きだったが、陸軍・空軍系も好きだったよ。

そう思ってると、海軍系キター!

昔、ウオータラインシリーズ(知ってる?)を、下手なくせに貪るように作りまくった自分はそれだけで随喜の涙を流したくなった・・・が、さっきも言ったように、ここでは陸軍系の展示が多かったので、海軍系は割合が少なめだった。艦これとか人気だったんで、たくさんあると思っていたんだが、わりかしそうでもなかった。

まさか、ガルパンはいいぞと館内全体から無言の圧力が・・・って、そんなわきゃねえか。

それぐらい陸軍系の展示が圧倒的だった、というお話だ。良い悪いのお話ではない。あと、これらはやはりごく一部。

あったので空軍系も載せておこう。ミリタリー系はこのように圧倒的に陸軍系が多かったのだが、だからと言って海軍系や空軍系の肩身が狭いってわけではない。

陸軍系はこんな風にジオラマにしやすいから多いのかもしれない。海軍系や空軍系はなかなかジオラマにしづらいものがあるものね。

さてお次は・・・

ヒト系もある。バットマンもいたしね。あと、企画展にもいたこいつとか。

エヴァンゲリオンもいた。

エヴァにはとんと疎いのでおじさんよくわからんけど、これだけフィギュアがあるのだから、やはり相当な人気があるのだと窺える。エヴァンゲリオン周辺は、やはり大きな存在だと再認識した。

「よつばと!」自体は読んだことないし、そのスピンオフである「にゃんぼー!」も実は見たことがない。俺は実は「はなかっぱ」を毎週見ていて録画もしてたりするのだが、毎週金曜分はこれ(「にゃんぼー!」)のエンディングがチラッとかぶってくる(もちろん夕方のみ。朝は「シャキーン!」をやっている)のだ。

お次に日本文化コーナーというものがあって、いきなり出くわしたのが、ご存知「芸術は爆発だ!」の人によるこれ。

よく見ると作者本人のフィギュアまであるではないか。今有名な太郎は何人かいるが、個人的には「圧勝」の人を推したい。芸術は爆発して圧勝だ、ってなんかいい。

もちろん、これだけがデンと鎮座しているわけじゃない。

どうでもいいが、何か縮尺が変じゃないか。何か知らないが東京タワーが凄まじくデカいぞ。

城小せえ。凝った人はある程度の縮尺による城のプラモデルを買ってきて、いろいろな装飾だの仕掛けだのを施したジオラマを作ったものだよね。だけど、ここはプラモデルの展示会場ではないので、そんなものはなくても当たり前なのだ。

全国各地のお土産フィギュアみたいなものがあった。

神様・仏様がたくさんおられた。日本は「神の国だ」なんてなことを言うと目をつり上げて怒り出す人がいるのだが、実際の話、日本はこれだけ神様・仏様を大事にしちゃう国なのだから、やはり根底の部分では「神の国」なわけで。そこは否定できない。
俺も40代になってから時々神社仏閣に行く機会があるけれど、参拝マナーや手法がどうこうなどという細かいことより、そこに参って神仏への祈りや感謝を表した方が良いのでは、と思うようになってきた。それは宗教への帰依以前の、もっと原始的な心持ちなのだろうなあ、と漠然と思ってしまう。
たぶん、こういう心根を理解できない人もいるだろうし、それはそれで仕方がないとしか思えない。否定や批判する気は起こらないので、別にどうでも良い。

少し脱線してしまったが、これらのフィギュアを見て、何となくそんなことを考えてしまった。まあ、こういうのもいたしね。

千手観音はやはりなかなか独特の威容がある。不動明王みたいなのもインパクトはあるけれどね。

そう言えば、ここ倉吉出身として名高い第53代横綱琴櫻というかつての名力士がいた(現在は故人である)けれど、そんな彼にちなんだもの(琴櫻の得意形は突き押しなどらしい)なのか、力士のフィギュアがあった。琴櫻の現役当時は俺はガキだったのでほぼ覚えていない。横綱昇進も遅かったというからなおのことだ。

鳥取県と言えばこちらを忘れてはならん。

おや、あなた確か一畑薬師にもいたよな?随分リアリティ溢れる造形になられたことで。

一畑薬師でも見てるで。あっちはブロンズ像だったけど。

さて、この他にもフィギュアを好きなように並べて撮影できたりするコーナーがあるというので少し覗いてみた。キングジョーとポインターのヤツ以外は何も触っていない状態のものに適当にキャプションをつけた。

腕立て伏せに勤しむウルトラマン一族。

お母ちゃん、これ買ってぇ~!

ゼットンとベムスターが組み体操をしている。

何で俺は14話程度の序盤に出てこなきゃいけないんだ。しかも2話前には封印作品まであるからますます印象薄いじゃねえか。おい、モロボシダン、何とか言ってみろ・・・って、おい、逃げるな!

あ~あ、面倒くせえ、暑いし、いっそ寝ちまうか・・・。

ま、冗談はこれぐらいにして、なかなか面白かった。で、こういうのが存在していた。

<3>ひなビタ♪

倉吉界隈では最近、こういうものとコラボレーションしている。

ひなビタ♪って何ぞや。

作品の舞台は倉野川市という架空の田舎町。くらのがわ・・・はて・・・。

ああ、道理で。この街の中心商店街が大型店舗の進出などで寂れてきたことにより、女子中高生5人組がバンドで町おこししよう、みたいなお話らしいのだ。更に時間軸は進行していき、進級もするし、ライバル的な存在としてローカルアイドルまで登場するらしい。
で、この「ひなビタ♪」と倉吉市はコラボレーションしている、という次第だ。

・・・かっ、かわいいじゃねえか・・・

これはあとから登場する2人組なのかな。これもかわいい。

いい歳したおっさんがこういうのにデレデレすんのって気色悪いとか言う気もしなくもないが、でもまあ、喩えファンタジックでメルヘンみたいな話でも、地方住人としてはなかなか身につまされる話も含まれていて、これはこれで共感が呼べるんじゃないかな。

だって、こういうのに普段あまり関心や興味を持たない俺ですら・・・

こういうものを駅横の観光センターみたいな大きな店で買ってしまったのだよ。打吹まつりのひなビタ♪コラボTシャツなどというものを、だ。どうかしてるでしょ?馬鹿でしょ?

でも、倉吉市がこの作品がテーマにしてる地方の活性化に奮闘する自治体の1つであることは疑いの余地がないし、それは山陰地方に点在する様々な自治体にも等しく言えること。何処も同様の悩みを抱えている。倉吉だけの問題ではない。そういう意味では、山陰地方に住まう者として、共感があってもいいかもしれないな、などとも思ったりした。

まあ、そんなクソ無駄な講釈はともかく・・・

この娘らはかわいい!

例の「ガルパンはいいぞ」式の語彙力の欠如したフレーズで大変に申し訳ないけど、もう、それでいいことにしようじゃないか。それで万事丸く収まるのだ。

で、この娘たちは「日向美ビタースイーツ」という名のバンドをやっているので、こうした展示まで存在する。

しかも、これ、何とラッピングバスまである。

昼飯後にバス待ちしていた時、写真は撮れなかったが、これの実物を目の当たりにした。そういえば、駅にもいたものなあ。すっかり「ひなビタ♪」の街と化した、現状の倉吉市。もちろん悪いことじゃない。

このポスターにもあるように架空の倉野川市と姉妹都市にすらなっている。

さほど数が多いわけではない日ノ丸自動車のバスのみでしか使えないが、特別乗車券まである。

観光課のご案内は彼女がしているようだ。彼女は実際に「ひなビタ♪」に出てくるキャラの1人らしい。

ということは、お昼ご飯を食いに行った先で見かけた彼女も?

街ぐるみで「ひなビタ♪」推しというのは、なかなか痛快だねえ、と。だけど、一歩間違えたら押しつけがましくなっちゃうところだけど、そこまで行かないぐらいに抑えている感じは見て取れた。街中に「ひなビタ♪」のキャラが溢れ返っている、みたいなことがなかった。だからこそそう思うのかもしれない。

キャラもかわいらしく俺はこれを推したら良いと思う。いろいろな展開があっても良さそうだ。

<4>円形校舎としての側面、そして昼飯

さて、この円形劇場、最初の方にも言ったように、元々は小学校だったわけで、当然学校としての側面があった。

机はこんな感じで放射状に並べられている。円形なのだから、そうなるのも当然の話で、普通の教室みたいに縦に5~6列で6~7人並ぶ、なんてことがない。

そもそも、こういう教室の形状ではそんな並べ方は不可能なはず。小学校でも、3階建てで実際には1~6年生の全児童を収容しないといけない。仮に1学年40人×3クラスとしても、(40×3)×6=720人の生徒を収容するわけ。実際には机の並びの間隔をもっと狭めているのだと思うけど、実際に当時この教室で学んだ在校生がいるのなら訊いてみたい。実際、1学年に何クラスぐらいあって、1クラス何人だったのかを。昔は子供の数が今とは比べものにならないぐらい多かったので、1クラス50人程度いたんじゃなかろうか。

昔、こういう自由研究がされていたらしい。

旧明倫小学校の一端を覗くには、ちょうど良いかもしれない。現在は大多数の部屋が展示用に改装されているので、このような教室の面影を残しているのは1室しかない。

ただ、ここは屋上に出ることができる。屋上からはいろんな光景が見えてくるわけで。

眺望は本当にきれいだ。晴れていると尚更だろう。俺、ここに来て本当に良かった。フィギュアもだけど、ひなビタ♪もだけど、この眺望を見られて、本当に良かった。それだけで、ここに来た甲斐があった。

せっかくだ。何か来館記念に買って帰ろう。

とりあえず、この黒いTシャツを買った。本当はひなビタ♪のキャラがついていた打吹まつりのシャツが欲しかったのだが、訊いたら売り切れだったので、この場で買うのは諦めた。まあ、前述の通り、あとで駅横の店で買えたので良かったが。

・・・のは良いけど、そう言えばフィギュアミュージアムには長居をしないはずだったが、気がついたら1時間以上いる。プランの見通しが甘すぎる俺の本領を遺憾なく発揮している。
そして、すぐ近くにあるバス停でバスの時刻を見て愕然とした。

バスとっくにおらんがな!

ヤバい。だが来ないバスを待っても仕方がない。降りるはずだった停留所に急ごう。そっちの方がバスの来る頻度は高いみたいだ。それで待ってたら来た。だから乗った。

赤瓦白壁土蔵群や旧打吹駅跡を覗きたかったが、時間がないのでそこら辺はオミットするとして、とりあえず近所の蕎麦屋にでも入ろうかと・・・

しばらく歩いて再び愕然とする。

蕎麦屋ないで!

そ、そんな・・・。もう、ウロウロしている時間はない。適当に、そこにあったうどん屋さんに入った。

なかむらさんの傍には、実は打吹駅跡があったことに、実はこれを書いてる今気づくという大変なチョンボをしてしまったが、それはそれ。

うどんを何か食べよう、となった。この時期に熱々のうどんなんか食べたくないので、冷たいうどんを食べることにした。結果、山かけうどんを頼むことにした。

何だか俺の思ってる山かけうどんとは少しばかり異なるような気もしたが、たぶん俺の認識が変なだけなのだろう。そういう認識の相違は別として、うどんそのものは大変に美味しかった。麺にコシもあったし、歯触りもしゃっきりとしていた。とにかく美味だったことは強調しておきたい。お目当ての蕎麦は食べられなかったが、こちらのうどんも大変良かった。

ただ、ご注意いただきたいが、ここのお茶はそば茶らしい。その点も含めて蕎麦アレルギーの有無は注文の前に事前申告しておいた方が良い。

そこさえ気をつければ問題なかろう。

<5>はわい温泉旅情~水郷さんに行ってみる

で、バスで駅に戻り、さっきの打吹まつりのTシャツを偶然見つけたので購入し、さて、どうしよう、と思った。
実は少し前にバスの時刻を調べて、はわい温泉方面に行くバスの時刻を見ていると、これがビックリするほど少ない。
これには心底ガッカリさせられた。スッカスカな土休日ダイヤを見ていて、観光客呼ぶ気ゼロだろう、と思った。いくら「ひなビタ♪」みたいなのとタイアップしてても、これでは先行きが思いやられる。
バスも本数が少ないのは仕方がない。空気輸送を継続するわけにもいかん。民間バス会社も営利企業だ。でもね、せめて土曜休日ぐらいはダイヤを何とかしましょうよ。

で、俺が乗りたい帰りの列車との接続など、いろいろ考えて、行きはタクることにした。で、たまたまいたこれに乗せていただいた。

黄色いワンボックスタイプのタクシーだ。普通の乗用車型のタクシーではない。実は一度乗ってみたかった。島根県にはこのタイプのタクシーが走っていない(はずだ。少なくとも自分の周囲では見たことがない)。
プリウスのタクシーとかはあるけどね。あと、島田のカツラをつけた花嫁さん用に改造されたタクシー(が今でもあるかどうかは不明)とか。あとはいわゆる多人数乗れるジャンボタクシーみたいなの。
プリウスのタクシーは変種とは言わないと思うので、それら程度しか変わり種タクシーを見たことがない。

何だろう。時々福祉用車両ってあるじゃない。低めのステップがついてたりとか、そういうの。あれのタクシー版だと思うとしっくりくる。おまけに、ワンボックスタイプなので座面が高い。乗りやすいような低めのステップももちろんついていた。路線バスによくあるノンステップバスとかワンステップバスとかの、ああいう類だった。
ありがたかったね。俺はただでさえ足許が覚束ないので、座面の高い車でないと怖くて乗れない。いや、乗れないわけでもないけど、バランス感覚が欠如してしまっているんで、結構苦労してしまう。おかげで非常に助かった。
このためにタクシー料金を(少々かかったけど)払った甲斐はあった。快適なタクシーだった。

誰でも乗れるタクシーではあるのだけど、俺のような身体障害者にはうってつけのタクシーと言えるかも。そんなにたくさんは利用しないけど、また、何かの機会に利用することもあるかもしれない。

UDタクシーの運転手氏には、最初はわい温泉とだけ言っておいた。近くなった時、改めて行き先を告げた。その結果、目的地の目の前まで運んでくださった。有り難い。料金しめて1800円も高いとは思わなかった。いや、バスに比べたら全然高いけど、快適性という意味では・・・ね。

さて、行った先はここ。

はわい温泉は日帰り入浴ができるのを何となく知っていたので、じゃあ、行ってみよう、となった。

実はここの若旦那さんがガイナーレ鳥取を応援してらして、そのこともあったので、実は前々から、一度お邪魔してみたいなあ、などと思っていた。あと、実はビートルズのファンでもあるので、その展示コーナーがあるので、できればそこも見たいな、と。

で、入ったわけだ。500円を払って入浴させてもらった。

ここの旅館は最初の方にも書いたように「しあわせひょうたんの宿」とあるわけで、故にひょうたんがこんな感じで置いてある。これなんかとても立派だ。見てて惚れ惚れしちゃう。

あとで、こういうランタンみたいなのも見た。これはこれでオシャレなものだと思った。

さて、肝心のお風呂。写真はないので、そこはご勘弁。

今回は岩風呂に入らせていただいた。日帰り入浴のお客がその時はたまたまだと思うけど、俺しかいなかったので、貸切状態で楽しめた。というわけもあって、非常に快適だった。ゆったりした気分を満喫できた。こういうところの温泉にのんびりと浸かったのは久しぶりだけど、なんだかとっても落ち着いた。イヤホント、水郷さん素晴らしいなあ。語彙力の乏しい俺には気の利いた褒め言葉は浮かばないが、また何か別の機会に入りに行ってみたくなる、そういう温泉だった。
岩風呂はホントに岩の感じがして、堂々としてる印象だった。旅館そのもののイメージがちょうど良い感じで、今回は宿泊をしなかった(もっとも、時期的に予約は困難っぽいが。事実、これを書いてる13日時点でも満室だそうだから)けど、余裕があったら、宿泊もしてみたくなるような、そんな感じだ。

あ、そうそう。俺は温泉の効能とかにはとんと疎いんで、何がどう効くのかは全くわからない。

ただ、俺、俗に言う「四十肩(または五十肩)」を持ってるんだが、水郷さんのお湯に浸からせていただいてから、気のせいか、幾分楽になったような気がしている。神経痛・関節痛などにもいいとあるようなので、そのおかげかもしれない。
まあ、五十肩なら、東郷温泉のがいいっぽく書いてあるので、本当はそっちの方が良かったのかもしれないが、今回の旅の目的は水郷さんのところに行くことでもあったんで、これはこれで良いだろう。実際、肩は以前に比べてずっと楽になってるし。

あと、若旦那さんが時々仰ってるのだが、程近い場所にコンビニとかがないので、その覚悟は必要かもしれない。それも込みで行くなら、ぜひお勧めしておきたい。

あ、ビートルズのコーナーも見た。

この米盤ブッチャーカバーを目の当たりにしたのは初めてだ。俺は日本盤の「レアリティーズVol.2」の中ジャケに載ってるのしか知らないの。これ見られただけでも来て良かった。

中のオーディオでローリング・ストーンズ(の「Still Life」)を流してて、それを聴いて「あっ、俺(一応ストーンズファンを公言してるし)のことバレてる」とか、いや別に俺のこと若旦那さんにバレたっていいじゃんと、冷静に考えてみると思うんだけど、でも一応は訊いてみたらわかってらしたみたいだ。いや、ごめんなさいね、なんか藪から棒に不躾なこと訊いたりして。

帰りをどうしようかと思ってると、若旦那さん、倉吉の駅まで送ってくださった。何と申し上げたら良いのか、もう、本当に申し訳ない。

重ねてお礼申し上げたい。唐突に押しかけたにもかかわらず、お風呂も大変に気持ち良く入らせていただき、更に帰り道でも大変にお世話になり、誠にありがとうございました女将さんにもよろしくお伝えください

<了>帰る

到着した倉吉駅で・・・

自分は呑まない(家の人間が呑むはずだ)こいつらと

暑かったので、おやつのこいつを購入。鳥取県に来たら白バラ絡みに限る。で、このソフトクリームは濃厚な味わいでとても美味かったよ。

で、帰りも2両編成のこいつに乗車して帰った。繁忙期ぐらい3両とかに増やせば良いのに、と思うけど、スーパーまつかぜって頑なに2両編成なんだよね。あれは本当に不思議。まあ、でも、目的地に着くまではえっらい速く感じたよ。

ただね・・・

車置くとこミスった。駅には予約すれば使える無料駐車場があるんだよ。でもね、そこって野ざらしだからクッソ暑いの。おまけに駅から少し離れた場所にある。だから歩かないといけない。
一方、駅の高架下にも駐車場がある。距離的には全然近い。しかも高架下だから日陰なの。いや、1000円取られるよ。だけど、そっちの方がどう考えても良いに決まってるじゃん。

まあ、俺自身のミステイクで、いろいろ目算が狂ってしまった旅行だったけど、旅行そのものはしんどい思いもした割には大変に楽しかった

・・・てか、俺、字数書きすぎ・・・。1万1千字とか、何でこの程度の旅行記にそこまでしちゃうの。あれこれ書こうとして筆が進みすぎよね。気をつけよう。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。