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輪廻転生が一瞬で起こった話


こんばんは。男です。


もうすっかり
この挨拶も定着してきましたね。


定着したということにしましょう。


皆さんは、
輪廻転生を信じますか?


命あるものはまた別の命に
生まれ変わるというものです。


上記の定義で考えると少しズレるのですが、
私はこの世で最短の輪廻転生を経験しました。


近しい方には少し話した事があるので
聞いた事がある方は、
あーあの話か、程度に読み飛ばしてください。


念のため伝えておくと、
この話を聞いた事がないから
自分は近しい人ではないんだ…


と、落ち込まないでください。
私はいつも皆さんの心の中に居ます。


さて、肝心の話に移ります。


当時、私は色々と事情があり
工業団地の長い道路を車で走っていました。


断っておくと、
チャカの取引ではありません。
ちゃんと真昼間です。


真昼間であることが、
チャカの取引でない証拠にならない


とは言わないでください。


すみません、自分で話の腰を折すぎました。
続けます。


その時、
一羽の小鳥が私の車の横切りました。


正確に言うと、横切ろうとしました。


しかし、目測を誤ったのか
私の車の左前のバンパーに接触しました。


とんでもない事をした


そう思い、すぐに車を停めて
小鳥の様子を見に行きました。


遠くにいる小鳥は
地面に横たわったまま動きませんでした。


せめて土に埋めてやろう、と思い
駆け足で小鳥の元に向かいました。


あと一歩で小鳥!


その瞬間に
私の前を大きい物体が空から横切りました。


その物体は、
小鳥を掴んで高く宙に舞い上がりました。



そうです、鷹です。


本当に最低で、
血も涙もない奴らです。


小鳥には
本当に申し訳ないことをしたと思いながら
車に乗り込み、その場を後にしました。


その後、
少し暗い気持ちになりながらも
お昼時だったためコンビニへ寄りました。


こんな気持ちでもお腹は空きます。


商品を選び、会計を済まして
車で買った物を食べようとした時、


私は戦慄しました。


つい先ほど
悲劇的な出来事があったにも関わらず
私は無意識にファミリーマートの


「鳥つくね串」


を購入していました。


よりによって、「鳥」


自分自身を激しく嫌悪しました。


1つ言い訳をしておくと、
その当時私、は「鳥つくね串」にハマっており
毎日食べていました。


にしても、です。


先ほど、
鷹に対して最低だ、血も涙もないヤツと
激しく罵った私が、1番の鬼畜野郎でした。


しかし、買ってしまった手前
食べないわけにはいけません。


ここで、食べずに捨ててしまうと
本当に意味の分からない怖い男になります。


小鳥の死を悼みながら、完食しました。


食べ終わった串を見てみると、


「アタリ!もう一本」


と書いてありました。


そうです、
当時の鳥つくね串には当たりが付いていました。


この状況で初めて当たることに
少し動揺しました。


しかし、ここまで来ると
全部どうでも良くなってきます。


なるべくしてなった


そう思わざるを得ないからです。


すぐにアタリ串を持って
コンビニへ駆け込み、交換してもらいました。


「当たった鳥つくね串」を食べるのに
もう何の後ろめたさもありませんでした。


私は、


これが輪廻転生か


そう呟き、串を頬張るのでした。

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