スタイルを理解するまでの経緯(経過報告)

1 整える

最初は好きなものを選んでいるだけだった。ある時客観的に自分を顧みる機会を得て、全体の印象を整えるが大事と知った。

個性や好きの前に、整っていること。
一般的に綺麗に見えるバランス感覚を習慣化必要があり、それが身について初めて好きを上乗せすることができる。

2 組み合わせの妙

「選ぶ」と同時に「何を選ばないかを選ぶ」を繰り返しているうちに、組み合わせの基礎のようなものを感覚で知った。

調和する色や素材の中には正位置の関係性とそうでないもの同士による響き合いがあり、非正位置の調和は自分の美意識の外に出なければ見つけることはできなかった。この新しい本物の美は出会った瞬間は奇妙で疎外感を感じるが、二度三度と同じ奇妙を味わうと確実に自分の新しい美意識を開いてくれた。

正位置の調和も単純ではなく、調和関係とそうでないものを見分けるために様々なものを見て感じ、感覚で覚えなければ、理屈では到底理解できなかった。

いずれの場合も、本物の美の先には必ず感動が用意されてあった。醜悪や価値が無いとされるものも、組み合わせの妙にかかれば等しく美しい。
感動はすでに存在しており、そこに辿り着けるかどうか、いつ辿り着けるかは自分次第だった。

組み合わせの醍醐味は意外性であるように思う。
異なる世界や時代のものを用いて調和させるのはとても気分がいい。そこに上品さをひとつまみすると、奇をてらう浅ましさが和らぐ。

3 物語

ここまでは同じ部類のもの同士の組み合わせであった。身に付けるもの、生活の道具、季節のしつらい、のように。
2で書いた選択と組み合わせの妙を見つける試行を繰り返していると、異なる部類のもの達の間にも調和する関係性があることに気がついた。

さらに、それらの組み合わせを最小単位としてグルーピングすると物語が生まれた。

全体の中で影響力を持ちうる各自の役割が解ったし、細部の入れ替えで同じ物語の中でも枝葉のように分岐してパターン展開ができた。これらの系統・体系をスタイルと呼ぶのだと思った。

(経過報告ここまで)

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