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アンデルセンのおはなし

今日はお国自慢をさせてくださいね。

50年近く前になりますが、東京に
家族旅行したとき、青山通りを歩いていたら、素敵なパン屋さんを見つけました。

そのパン屋さんの名はアンデルセン。

その時は、俄かには広島のアンデルセンと結びつきませんでした。

まさか東京に進出しているとは。
(しかもおしゃれタウン青山に)

逆に東京では、広島の会社ということをご存知ない方も多いかと思います。

広島はもみじ饅頭と牡蠣だけじゃないんです。

広島の本通りにアンデルセンがオープンしたのは1967年(昭和42年)

アンデルセンはもともと、
タカキベーカリーという
パン屋さんでした。
広島でパンといえば、昔からタカキかナガイ。


店内にはパンだけでなく、
チーズや高級ハム、洋風お惣菜などのデリカッセンコーナー。
ケーキも、サンドイッチもいろいろ。

フランスパンやデニッシュパンも
このとき初めて知りました。

お花屋さんもあり、
二階はレストラン。
結婚式もできるパーティー会場もありました。


パンのある食卓を華やかに演出してくれる夢の詰まったお店。
今風にいえば、デパ地下やテーマパークに行くような興奮がありました。

そんなアンデルセンの
ここがすごい!
というところを2つご紹介します。

1つ目は、今では当たり前になっているトレーにトングで好きなパンを載せ   てレジに持っていくセルフ方式を日本で初めて導入 したこと。

2つ目は、1972年冷凍パン生地の技術で特許を取得したこと。
しかも7年がかりで開発した技術をすぐに惜しげもなく公開。

この冷凍技術があるからこそ、直営店、フランチャイズのリトルマーメイドを全国展開することができたのだそうです。

さらに、業務用冷凍パン生地の卸も行っていて、レストランやカフェ、パン屋さんに業務支援もしています。

サンマルクやスターバックスなども
この生地を利用しているところがあるということです。

アンデルセン青山店は
今はもうありませんが
デパ地下のお店はどこも
繁盛しています。


広島本店の建物は、もともと
大正14年に三井銀行広島支店として建てられたものでした。
その後帝国銀行となり、原爆投下の際、爆心地から360mでありながら
全壊を免れたということで
被爆建物に登録されました。

その歴史ある建物をタカキベーカリーが買い取り、アンデルセンとしてオープン。

耐震補強、建て替えのため、
本店はしばらく仮店舗でしたが
2020年に新装オープンしました。

被爆した外壁の一部を新店舗にはめこんだり、デザインを部分的に踏襲したりすることで被爆建物の登録は継続されたということです。


外壁のレリーフ




りんごのフルーツサンド


アンデルセンで花を見るのが好き




店内をグルグル回っていたら
外は真っ暗。

いつ来ても楽しいお店です。

 *  *  *  *  *

『広島はすごい』 安西巧 著
 新潮新書

 カンブリア宮殿

を参考にさせていただきました。

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