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孫が生まれた日

初孫が生まれた日のこと。

息子から無事男児が誕生したとの知らせを受け、早朝の新幹線に、夫とふたり飛び乗った。

車中でお嫁さんから長文のLINEが届いた。

低血糖で、何か治療が始まるらしい。

不安になりながらも
新生児の低血糖について、すぐに検索してみる。


低体重で生まれるとそういうことも一時的にあるらしいとわかった。

低体重といっても2500グラムに少々欠ける程度。

速る心で、お嫁さんの里に近い東海地方の市立病院に向かった。

あちらのご両親が笑顔でお出迎え。
取り敢えず無事出産が終わって、
安堵の表情だった。
和やかな雰囲気の中、お母さんから早速ですが、初節句はどうしましょうか、という話が出た。

生まれたばかりで、もう初節句の話かと正直驚いた。
端午の節句まであと3か月。
孫が生まれたら、これから楽しい行事がいっぱいあるんだなとイメージできた。



生まれたばかりの赤ちゃんをガラス越しに見せてもらった。

かわいい!

生まれたばかりなのに、
この子は顔がすごくかわいい!

祖母の欲目で、
あちらのお母さんと
跳び上がらんばかりに
喜び合った。
一種の興奮状態だった。

数日間は新生児集中治療室に入るが、あまり心配ないとのこと。

ホッとして、
改めて、わたしにもついに孫が生まれたんだと、
駆け出したいような
叫び出したいような気持ちになる。


小児科の集中治療室には、母親の他に、1日ひとりずつしか入れない。

日帰りで帰る夫が先ずご対面。
わたしは翌日までお預けとなった。


病院の窓から、雪を頂いた山が見えた。

お嫁さんに訊いたら、
「伊吹山です」
と教えてくれた。


わたしは駅前のビジネスホテルに2泊した。

夜、部屋でNHKの歌番組を観ていたら、たまたま夏川りみさんが
『童神』を歌っていた。

祝ってくれているようで、
涙が溢れた。



翌日の面会時間は午後からだった。

午前中、じっとしていられなくて、歌にも歌われている、柳ヶ瀬という繁華街に行き、デパートで熊柄でお馴染みのベビー服を買った。


翌日は、岐阜城に行ってみた。
ロープウェイで山に登り、更に坂道を登る。
よくもこんな高い所に、立派なお城を建てたものだ。


岐阜城
(今年再訪問した時に撮影)


下界の眺めも素晴らしかった。


もう、見るものすべてが
珍しく、輝いて見えた。


こんな浮かれ気分だった。



孫には一日30分しか面会できなかったけれど、2日で母親と同じ部屋に移ることができて、一安心。

さて、自宅に帰ろうと支度をしていたら、実家の父から着信があった。

母が自転車で転んで大怪我をしたという。

わたしは新横浜までの復路の乗車券を持っていたが、急遽広島の実家に向かった。

母の顔面は赤紫に腫れ上がっていた。

これ以降、わたしはほぼ毎月、実家に帰省するようになった。



そして、初孫は今年小学校に入学した。

この間、父が亡くなったり、我が家ではいろいろな出来事があった。