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死ぬこと以外はかすり傷

前回の記事のコメント欄に、表題の言葉を寄せてくださった方がいらっしゃいました。
仁の音さん
ヒゲオヤジさん
ありがとうございました。

たしかにそんな風に思わなければ、
この世の中、渡っていけません。

記事の本文の最後には、「どんな不幸な境遇でも死ぬよりマシ」と書きました。
しかし、それは本心ではないかもしれません。

威勢のいい言葉で自分を鼓舞しているだけかもしれません。

どんなに辛いことでも、不幸な境遇でも、死ぬよりはマシ。

本当にそうでしょうか。

時には、死んでしまいたいほど辛いと思うこともあるでしょう。

死ぬことより、現世の方が辛く感じられたら、人は自ら死を選びます。

大抵の人はそんな辛さを、ほんのかすり傷程度と強がって、なんとか踏み止まります。

わたしはいつも、自分が傷つかないように、鈍感力という鎧に身を包み、薄目を開けて、世の中を見るようにしています。

これはもう、ほとんど修行です。
簡単に身につくものではありません。

そうはいっても、根は楽天家なんですね。

 つぼみのままで
 夢を見ていたい
 影絵のように美しい
 物語だけ見てたいわ


気分はセンチメンタルジャーニーです。
老婆の日常茶飯事は、もう60代なのに。


本を読んだり、誰かと会話したり、
音楽を聴いたり。

その中から生きるために必要なアイテムを見つけて、少しずつ増やしていきます。

「死ぬこと以外はかすり傷」
また、新しい呪文を手に入れました。


松本伊代『センチメンタル・ジャーニー』