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ジャックは私です。#9

 「つまり犯人は同一である可能性が高いと・・・・そういうことか?」間部が問う。


尾身は答える。「あぁ。同一犯というのは想像に難くないと思うがその後の方が重要だ。峰田の殺害に使われたのはカミソリの刃の欠けらなんだ。そのカミソリは夏山の殺害に使われた凶器と同じ材質で、しかも同じ製造元だったんだ。」


「というと?」


「このカミソリもまた例の国立病院への支給品だったんだ。まだあの病院に隠されている秘密があるってことだ。」


尾身は大きく頷いて「つまりそのカミソリを見つけて指紋やらを照合すれば犯人が分かるってことか。」といった。


「そうだ。行くぞ!!」


二人は警官を十人程連れて三度雨宮国立病院へ向かった。いつもなら尾身が運転するのだが今回は間部が運転した。


尾身は今回の間部は相当気合が入っているなと思った。間部とコンビを組んで長いが、あんなに気合いが入っているのは見たことがない。


「おい、もう少し慎重に運転したらどうだよ。」


「これでも慎重にしてる。俺は不器用なんだよ。」


「ふんっ不器用か聞いて呆れる。」


「どういう意味だよ。」


「気にするな。」その時無線が音を立てる。予め張っていた警官からの連絡だ。


「尾身刑事、一応駐車場を規制しましょうか?こっちの動向に気がついて逃げ出すかもしれないので。」


尾身は無線を持った手を左に動かして「どうする」と間部に聞いた。


「いいや、そんなことしなくても絶対捕まえる。」


「流石だ。」


尾身は無線に向かっていう。「いや結構だ。ありがとう」そうこうしていると病院に到着した。


覆面パトカーが四台、病院の裏と駐車場の出口に停止した。


間部と尾身と幾人かの警官はずかずかと病院の中に入っていった。受付にいつもいる亀岡は何故か今日はいなかった。

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