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【後編】こだわりの空間が生み出すもの。うつわ屋店主:鎌野さんのお話

このnoteは「器MOTO(うつわもと)」といううつわ屋で店主をしている、鎌野明子(かまのあきこ)さんにインタビューしたお話です。

器MOTOは、東京の小田急線「千歳船橋駅」から徒歩7分のところにあるお店。
店主の鎌野さんの年齢は、70歳。
65歳でこのお店をはじめてから、もうすぐ5年になります。

前編では鎌野さんが大事にしていることやうつわ屋をはじめたきっかけについてお聞きしました。

前編はこちらをご覧ください↓


鎌野さんの家は、1階がお店、2階が住まいになっている。
店舗デザインは建築家の息子さんが担当した。



木造モルタルの外観に、自然光がたっぷり入る白を基調とした内装。

(※写真:十場あすかさんの陶展より)

お店に置いてある家具も全て鎌野さんがセレクトしたもの。




自分が「素敵」と感じること

ー鎌野さん、私ここに来てから「選ぶもの」が変わったんです。うつわもそうなのですが、家具や洋服。少し高くても「ちょっといいもの」を選ぶようになりました。それはここでいいものに囲まれて鎌野さんとお話した時間の積み重ねが大きく影響していると思うんです。

(鎌)あら、よかった。若い人にそんなふうに言ってもらえて嬉しい。自分の中で「これいいな」と思えるものが分かって、そこに気持ちが行く人は幸せだと思うわ。

ー気持ちが行く、かぁ。そう思える感性って人それぞれだと思うんですが、私の中での「これいいな」は触れたときに心が反応することだと思うんです。
心が反応する......ことばで説明するのが難しいのですが。


(鎌)うーん、難しく考えないで自分が「素敵」って感じるものでいいのよ。ただ、それが分かるとね、もっと素敵なものがあらわれると「出会っちゃった」という思いがけない気持ちと同時に、自分の中にある「素敵基準」が更新されちゃうの。だからなるべく若いうちから色んなものに触れておくといいことよね。

ー確かに、いいものって頭で考えるより「素敵!」と思う気持ちが真っ先に来ることが多いですよね。素敵基準の更新っていいことばですね。
この話をしているときの鎌野さんの目、今日イチでキラキラしています!


主婦目線で選んでいる

ーこのお店で扱っているうつわは、2〜3,000円台で買えるものがたくさんありますよね。高すぎず安すぎずで私のようなうつわ超初心者にはありがたいんです。

(鎌)私も色々なうつわを買ったけど、やっぱり価格が高すぎてしまうと色々集めることができないじゃない。うつわは日常的に使うもの。美術品ではないからね。無理なく、日常生活を楽しめることが大事だと思っているから主婦目線で選んだものを置くようにしているの。

ー主婦目線なんですね。色もシンプルで使いやすいです。

(鎌)色は、どんな家庭でも溶け込めるように主張しすぎないものを選んでいる。どうしても白や黒、透明ものが多くなっちゃうんだけど、この色って食卓が落ち着いて使いやすいでしょ。


(鎌)シンプルな色ばかりけど、色彩のあるうつわも嫌いじゃないのよ。

***


控えめな性格の鎌野さんは、自分からはアピールしないけど陳列には相当なこだわりがある。

一つひとつのうつわがきれいに見えるように、商品ごとのスペースをたっぷり取ったり、


存在感の強いうつわは絵画のようにみせる工夫を。


生活がイメージできるような配置。


うつわの「顔」は、お客さんから見える面を意識して。



あれ?
ある片手鍋の中をのぞくと、少し水が残っていた。↓

(わかりにくいかもしれませんが、なべ底の左の方に水が残っています)

「濡れていますよ」と鎌野さんに言ったら、水切れがいいかテストしていたんだそう。あぁ、これってけっこう大事なことかも。





このお店に来るようになって分かったことがある。それは、うつわ屋に置いてあるうつわの魅力って単体で成立するのではないということ。つくり手の気持ちを重ねた店主の想いがどういう空間となって表現されているのか。

私が初めてこのお店に来たときうつわに見入ってしまったのは、鎌野さんの気持ちがつくり出したこの空間が、うつわを通じて伝わったからなのかもしれない。

***

ー今日は色々とお話を聞かせていただきありがとうございました。最後に、プライベート食器棚みせてもらってもいいですか?恒例なんです、この行事。

(鎌)えっ。お見せできるようなものではないけど、恒例なら仕方ないわね。そんなに見たかったらどうぞ。

ーもう、素敵すぎます。最高です。ありがとうございます。(興奮している)

(鎌)(鎌野さん、笑いながら)
よくわからないけど喜んでもらえたようでよかった。楽しかったわ。ありがとう。

インタビューはこれで終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

〈器MOTOのウェブサイトとインスタを紹介します〉

ウェブサイト↓

インスタ↓

★プレゼント企画★
2回にわたってお届けしたインタビュー記事ですが、ぜひ鎌野さんに会ってこの空間でうつわに触れてほしいと私は勝手に思うのです。
そこで、前回に引き続きこのnoteを見てくださり何らかのリアクションをしてくださった人、1名の方に鎌野さんのお店への招待チケットをプレゼントします。(1枚のうつわが買える程度のチケットです)
7/20頃までに独断と偏見で選ばせてもらいますので激しくこのお店へ行きたい方は私のtwitterまで直接DMいただけると嬉しいです。当選者の方には、DMしますので楽しみに待っていてください!

鎌野さんがいれてくれるお茶は最高においしいですよ。

※プレゼント企画は終了いたしました。ありがとうございました。

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