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【レビュー】任天堂とスクウェアがタッグを組んだ伝説のゲーム、スーパーマリオRPGが帰ってきた。


1.はじめ

20年以上の時を超えついにリメイクされたマリオRPG。

めちゃくちゃ楽しめました。

長年待ち望んでいたファン納得の出来だと思います。はじめてプレイする人でもマリオRPGの物語と世界を存分に楽しめる作品です。

2.シナリオ・マップ・BGMを変えず忠実に再現

スーパーファミコンのオリジナル版と同じシナリオ。そしてマップは当時のままでグラフィックが大幅に進化。一部のイベントシーンに専用ムービーが追加されました。

グラフィックの進化はもちろん
イベントにムービーが追加

マリオRPGといえばゲーム内BGMのすばらしさも有名。すべての楽曲がオリジナル版の作曲を担当した下村陽子さんによって豪華にアレンジされています。しかも設定でオリジナル版のBGMに切り替えて遊ぶことも可能。
アレンジ版を楽しみつつ、オリジナル版を懐かしむこともできるなんて最高です。

お気に入り1「そしてわたしの名はブッキー」
お気に入り2「対 武器ボス戦」

マリオRPGの世界観はテーマパークをイメージして作られているのですが、よりテーマパーク味が増しています。USJのスーパーニンテンドーワールドに行きたくなる・・・。

キノコ城の建物を眺めるだけで楽しい


3.より戦いやすく、かゆいところに手が届いたバトルシステム

その一方でバトルシステムにはいろいろな追加要素があります。

”アクションチェイン”
攻撃時にタイミングよくボタンを押すことでダメージが増えるアクションコマンド。連続で成功することでバトル時のステータスがアップするアクションチェインが追加。
どのステータスがアップするかはバトルに参加しているキャラクターによって変わる。

”全体攻撃化”と”完全ブロック”
アクションコマンドをいちばん良いタイミングで成功すると通常攻撃が狙っていない敵にもダメージを与える。
また防御するときのアクションコマンドではダメージをゼロにできる。ただし状態異常は防げない。

”三人わざ”
バトルで行動するたびにゲージが増えていき100%貯まると強力な三人わざが発動できる。バトルに参加しているキャラクターによってわざの内容が変わる。

単体・全体攻撃、回復などバリエーションも充実

オリジナル版からさらに戦いやすさと戦略性が増しました。

ですがいちばん便利で最高の変更点を忘れてはなりません。

それは、”戦闘中のキャラクター入れ替え”

マリオ以外のキャラクターはターン時に控えキャラクターと入れ替えができるようになりました。しかも状態異常や戦闘不能時でもお構いなしに変更ができます。

おかげで編成事故やピンチのときでもキャラ入れ替えですべて解決できるようになりました。また控えキャラクターを敵の弱点をついたりデバフをつける”わざ要員”として活用できるように。
オリジナル版では不遇だったあの2人も最後までしっかり活躍できたので良かったです。

そしてザコ戦にたまに現れる”きょうてき”。通常攻撃が全然効かなかったり、一撃でキャラをダウンさせるなどかなり強いです。レベル上げで単調になりがちなザコ戦に良い緊張感を与えてくれます。

4.リメイクする上でのオリジナル要素と新規要素のバランス

はじめてプレイする人へ伝えたいこと

良いとこ尽くしで最高の作品であるのですが、1点だけ伝えなければなりないことがあります。とくに”はじめてマリオRPGをプレイする人”に。

それは「ゲームのボリューム」です。

率直に言ってしまうとこのゲーム、すぐクリアできます。私の実際のクリア時間は12時間20分。ほとんど寄り道せずにメインシナリオをクリアした時間になります。

現代の一人用ゲームと比べるとかなりボリューム不足です。

本作のねらい

プレイしていて感じたのは本作は「オリジナル版の良さをそのまま残し、かつて遊んだファンたちを喜ばせること」を目標に置いていることです。

ゲーム開始の冒頭でキノピオと会話するシーンがあるのですが、そこでオートセーブが追加されたことをわざわざ教えてくれるんです。「いい時代になりましたね」なんてことを言いながら。

この時点で「これはファンのために作られたリメイクだ」と確信しました。

これはオートセーブが当たり前じゃなかった世代、オリジナル版を遊んでいた人たちに向けられたセリフなんです。今の子どもや二十歳前後の若者をターゲットにしているなら、わざわざこんなセリフを用意する必要ありません。

ファンが第一に求めることはやはり「オリジナル版を忠実に再現していること」。中途半端な改変で下手にシナリオを引き延ばしたり、新規のシナリオを入れるとオリジナル版の良さを損なってしまう可能性があります。

あえてゲームボリュームは当時のまま、バトルや細かいシステム面の追加と調整にとどめたのでしょう。

リメイクの改変と追加要素、どこまで許せる?

かつての大作ゲームをリメイクするときの改変・追加要素をどこまで入れるかに正解はありません。

「おもしろければOK!」と言ってしまえば身も蓋もないですが、ゲームユーザーの立場ではそれがすべて。ただ私の主観では追加要素はアタリ、改変要素はハズレになることが多いかなと思います。

とくにシナリオに関しては、オリジナル版との整合性を残しつつ物語を膨らませないといけないので難しいと思います。あまりにも大胆に変えてしまうとファンの人たちも「なんで変えちゃったの・・・」とついていけなくってしまいます。

もちろんグラフィックやイベントシーンの一新は大歓迎です。

そういうことも考えると改変を一切せずそのままリメイクしたのは英断だったと思います。

5.「アクションのマリオは好きだけど・・・」という人にこそプレイしてほしい

マリオシリーズが好きな人はRPGが好きじゃないことが多いと思います(かなり偏見)。

私も昔はRPGがそんなに好きじゃなくアクションゲームだけ遊んでいました。RPGが好きになれなかった理由は”ストーリーが長くて途中でわからなくなる”、”1回の戦闘シーンが長くて疲れる”、この2つでした。

マリオRPGは”簡潔だけど楽しいシナリオ”と”テンポの良いアクション要素があるバトル”でだれでも楽しめるRPGを目指した作品でした。

だれでもサクサクと気軽に遊べるのが本作の長所。グラフィックやBGMの良さも相まって、マリオのテーマパークに入り込んだような感覚で楽しめること間違いなしです!


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