宮川 健吾

宮川 健吾

最近の記事

沈黙(遠藤周作)を読んで

自身の弱さを受け入れ、相手の弱さを認め、苦しみを分かち合う。  話は島原の乱(1937年)が収束して、日本から宣教師が追放された後のこと。 20年間、日本にてキリスト教の布教活動を続けてきたフェレイラ神父が棄教したとの知らせがローマ教会に届いた。その事実確認、および日本の信徒を救うために3人の宣教師を派遣する。  しかし、日本での隠れキリシタンを捉えては処刑する光景を目の当たりにする。宣教師がどれだけ祈っても神は黙ったままで何も答えてくれない。しまいには自分が捕まり、苦悩

    • 大学無償化を自民党が検討方針

       2月3日(金)、自民党より大学の授業料を無償化を検討する報道がされた。 ネット上では批判的な意見が多くあり、大学無償化よりも先に保育園の問題解決すべきという意見もあった。ごもっともではあるが、個人的には大学無償化は賛成である。アメリカでも大統領選に立候補したバーニーサンダースは大学授業料の無償化を含めた教育プランを政策を掲げていた。アメリカの授業料は日本とは違い、卒業までに1500万円以上かかる大学も存在する。規模の違いもあるが、日本でも検討する価値は十分にあるだろう。

      • 「鋼のメンタル」(百田尚樹)を読んで

         あの人は恵まれているから,あの人はもともと怖いもの知らずだ,あの人の性格がうらやましい,などという自分の心の弱さを克服したいという思いが少なからず存在していた。しかし,読書後にははっきり言える。最初から強い人間なんていないんだと。  最初からタフな人はいない。著者もそうだったが,その人自身はメンタルが強い人間だとは思っていなかった。けれど,恐怖から逃げずに自分のやりたいことをやり,言いたいことを言う。時には叩かれ,へこむときもあるがすぐに立ち直り,また行動していく。この流

        • プログラミング教育の必要性

           iphoneの誕生から9年、スマホによるネット社会が出来上がったと言える現代において、そのネット文化がまだ根付いていない分野がある。学校教育である。私立高校こそ、一部の進学校ではタブレット端末を生徒に購入させ、教材、授業内容を配信することで復習、課題等ができるように「現代」にあわせてきた。それに反して、公立の学校は遅れを取っている状態である。  公立学校でも、ICT活用授業と言って、PC・タブレット・プロジェクタを用いた授業をしてはいるが、その目的の多くは生徒が興味を持つ

        沈黙(遠藤周作)を読んで

          シンギュラリティについて

          「人工知能(AI)」旋風来たる  昨年から、聞きなれない言葉で「シンギュラリティ」という言葉がたびたび記事に書かれることがある。人工知能(AI)が人間の知能を超えることで起こる出来事を指し、そのターニングポイントは2045年に訪れるだろうと言われいている。いまから28年後の世界である。正直、未来すぎてどうもピンとこないのだが、最近のAIの成長は著しいものがある。  Google DeepMindの開発したAlpha碁が世界戦優勝経験のある韓国のプロ棋士に勝ち越した話は衝撃的

          シンギュラリティについて

          「i」 (西 加奈子)を読んで

           白いしるし、サラバ、ふくわらい、円卓に続き、西加奈子の書作を読むのは5冊目になる。著者の本は共通して主人公が奇抜な性格。その性格が、ある本では理解し難かったり、可愛らしくあったり、うらやましかったりした。そして、どうしようもない性格であっても、その人に転換期が訪れ、見事に成長(克服・自分を受け止める)していくのである。私は感情移入こそできないが、それらの過程に感動を覚えている。  本作においての主人公は、性格はこれまでになく控えめであったが、出自が特異であった。この奇抜過

          「i」 (西 加奈子)を読んで

          意図的な練習において注目は以下4点。 ・明確な目標 ・集中と努力 ・フィードバック ・反省と改良 また練習を活かすに ・優秀な人の姿勢を知る ・ルーティーン化 ・向き合い方を変える 以上で、結果が出て「大変だったが楽しかった」状況がつくれる。 練習に楽しさを求めるべきでない。

          意図的な練習において注目は以下4点。 ・明確な目標 ・集中と努力 ・フィードバック ・反省と改良 また練習を活かすに ・優秀な人の姿勢を知る ・ルーティーン化 ・向き合い方を変える 以上で、結果が出て「大変だったが楽しかった」状況がつくれる。 練習に楽しさを求めるべきでない。

          GRIT(やり抜く力)読書中。 才能×努力=スキル スキル×努力=達成 達成するには努力が2回必要で、才能より努力し続けられる力の方が重要。 この部分がすごく好きだ。

          GRIT(やり抜く力)読書中。 才能×努力=スキル スキル×努力=達成 達成するには努力が2回必要で、才能より努力し続けられる力の方が重要。 この部分がすごく好きだ。

          「99%の会社はいらない」を読んで

          「給与をもらうために、嫌な仕事をして残業をしてしんどくても会社に属する」という考えなら辞めたほうがいいことを本書では伝えてくれている。 これからの未来像は、AI・IoTが発展していくことで農業・流通・販売等が自動化されていき、人の手間が省けることより、働かなくとも・お金がなくても生きていける時代が来ると堀江氏は書いている。  現実的な話であり、説得力もある。けれど堀江氏の凄みは行動力にある。ロケット開発、堀江イノベーション大学校、コラム、TV出演等、自分が興味のあることを進

          「99%の会社はいらない」を読んで

          【中3受験生へ】AIなんかに負けるな(進路選択)

          人工知能「AI」は人の仕事を奪うのか近年,人工知能が世間を騒がしています。 ・人工知能「Alpha-Go」が囲碁の世界チャンピオンを破る。 ・自動運転をGoogle始め世界各社が開発に着手している。 ・Amazonが倉庫ロボットを導入して人件費を削減。 ・みずほ銀行がコールセンターに人工知能を導入して問い合わせ時間を短縮。  まだまだ発展途上である人工知能ですが,着々とヒトが行っていた仕事をロボットがする時代に突入しています。  便利な世の中に変わろうとしている反面,中

          【中3受験生へ】AIなんかに負けるな(進路選択)

          「外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣」を読んで

          ヨガについて興味があるけれど,実行するまでに至っていない人向けの本。 ヨガをお勧めする理由を事細かに説明している。 ヨガは体だけでなく,脳にも良い影響を与えゾーンに入りやすくなる。 このことを理解するだけでもヨガに対する入り方は変わってくる。 欲を言えば,ヨガの種類をもっと紹介して欲しかった。 Youtubeでも観れるものが1つだけなのが寂しい。

          「外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣」を読んで

          「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」を読んで

          タイトルからしてハウトゥー本と思い,遠慮していたが辛坊治郎氏がYahoo!Newsでオススメしていた記事を読んで購入してみた。考えを改めよう,これはマーケティングの入門書であり教科書だ。本のサブタイトルにも「マーケティング入門」と記載されていた。その辺もちゃんと見とかないとダメだな。 簡潔に言えば「消費者視点」になることが最重要で,その視点に立つにはどのように物事を捉え考えていくべきかが,USJの経験をなぞって書かれている。このUSJの話があるから,本書は非常に分かりやすか

          「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」を読んで

          「アドラーに学ぶ部下育成の心理学」を読んで

          アドラーの提唱している「ほめない,叱らない,教えない」の真意とその方法が記載された書籍。 現代のいわゆる「ゆとり世代」において,部下の育て方で悩んでいる方は多いのではないだろうか。 ・厳しくするとふて腐れる ・情熱がみえない ・愚痴は言っても仕事の自己主張はしない ・失敗しても人のせいにする 上記にあげたことは最近に限った話ではないが,それでも「叱責」するだけの育成において,これらが改善する見込みは薄い。 アドラー心理学で私が最も意識しているのは「対等な関係」である。

          「アドラーに学ぶ部下育成の心理学」を読んで

          消費税増税に反対する人はいないのか

          概要 2016年5月28日(土),消費税増税(8%→10%)を延期する予定であることを発表した。期間は2年半で増税されるのは2019年10月ということになる。延期する理由は伊勢志摩サミットの議論にて世界経済が直面するリスク回避のためと説明。唐突な話であり,麻生氏・谷垣氏は異論を唱えている。 消費税8%に上がった時 8%に増税した時は,「デフレをたどる一方だし,仕方ないのでは」と漠然としか捉えていなかった。いざ増税されて日々を過ごしていると感じるわけです。「8%って思ったより

          消費税増税に反対する人はいないのか

          VRスマホ(仮)のご提案

          ^曲がるディスプレイ^と^VR^の2つの技術は未来を感じさせてくれます。 YouTubeでもVR動画視聴できるニュースがあり,スマホでもVR動画が撮影できたら世の中が変わるのではと思い,提案してみることにしました。 ただ,提案するVRスマホ(仮)は360度撮影ではなく,180度展開(?)のものです。それでも使用用途は十分にあります。 図:左が通常時の状態。右がVR撮影時の状態。   手書きで分かりづらく申し訳ありません。 ○メリット○ 横への展開に強く,陸上や水泳,野

          VRスマホ(仮)のご提案

          「民王」を読んで

          民王(池井戸潤)内容(amazon「BOOK」データベースより ) 「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!?一気読み間違いなしの政治エンタメ! 雑感 どれだけ優秀な人でも,ささいな失言やスキャンダル1つで地位を下ろされる時代。出る杭は打たれるとでもいうのか,非常に生き

          「民王」を読んで