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【映画】天使は人を愛せない。護る事だけが使命だった。『アンダーカバー・エンジェル 守護天使』

天使とは文字通り、天の使い。つまり神様の部下みたいなものです。
白い羽を背中に生やし、ハート型の弓矢を使って恋人同士をひっつけたりする、いわゆる「キューピッド」のイメージが浮かびます。

今日の映画に出てくる天使は、そういうイメージとはだいぶかけ離れているかもしれません。羽も無ければ輪っかも無い。どこにでもいるような普通の男性の見た目をしています。そんな天使と、とある母娘との心温まるストーリーです。

アンダーカバー・エンジェル 守護天使

「4コマあらすじ」

「作品みどころ」

天界から遣わされた天使のヘンリー。
天使には遵守すべき3つのルールが定められていた。
①人間の意思を尊重すること
②過度な干渉はしないこと
③天使の力を使いすぎないこと

特に重要なのは③で、天使の持つ特殊能力を使えばありとあらゆる事が可能なのだが、使い過ぎるとヘンリーの体は消えてしまう。
しかしヘンリーは母娘のため、許容範囲を超えた能力を発動したせいで
天使の上司的な人にこっぴどく叱られ、「もう次は無いからな!」と釘を刺される。
しかもヘンリーが破ったルールは③だけに留まらず、シングルマザーのロビンには新しい恋の相手が必要だと勝手に思い込み、能力を利用してその辺の男とひっつけようとしたり、(ロビンの意思を尊重していないので①の違反)、今度は自分がロビンに恋をしたり(人を愛してはいけない天使が、人に愛を感じて特別な関係になる事、②の違反)、どんどんルールを犯していく。
これには上司も呆れかえるほか無かった。

娘ソフィーの願いが天界に届き、母娘を助けるために地上へ舞い降りたヘンリー。当初はボロボロの家を改築するため、全く知識の無いリフォーム業を勉強して地道な作業を進めていくヘンリーだったが、次第に彼は母娘の心の支えとなっていく。
引っ越したばかりで友達のいないソフィーにとっては、ヘンリーは良き遊び相手であり、サッカーのクラブチームに入るための練習にも付き合ってもらうようになる。
母親のロビンにとっても、誠実で包容力のあるヘンリーはただの業者ではなく、もっと身近な存在に変化していく。
こうして家族同然となったヘンリーに対して、天界は「人間への過度な干渉」だとして警告を発する。

ロビンの前の夫については詳しく描かれていないが、電話でロビンに金を無心するシーンがある。その時の彼女の口ぶりから察するに、結婚していた時から既に何度も同様の事があったと思われる。2人の間は完全に冷めきっており、ロビンは電話口で元夫に怒りの声を飛ばす。
しかし娘のソフィーにとっては悪い父親で無かったらしく、2人の喧嘩を聞いたソフィーはショックを受けてしまう。
何でも1人で背負い込む性質のロビンは、家の改築工事も自分で出来る限り行おうとするが、さすがに無理があったので業者を呼ぶことに。
本当は彼女も心の中で助けを求めていたのだろうが、それを表に出すまいとする所は、シングルマザーの精神的強さが現れているポイントである。


「コメント」
悲惨な環境に置かれた母娘のもとへ天使が助けにやってくるという
非常にシンプルな設定ですが、天使に課されたルールと葛藤するヘンリーという、人間側だけでなく天使側にも人間味を感じさせる映画でした。
業者を装ってリフォーム工事に来たのはいいものの、全く勝手が分からないため、「初心者のための水道管工事」みたいな本を読みながら作業を進めたりなど、ヘンリーの勤勉で実直な人柄がよく表れていました。
メインのストーリーはヘンリーと母娘ですが、近所のホームセンターの店長とその従業員の女性の恋愛もサブストーリーのような感じで展開されます。
いつも冗談ばかりで明るい女性と、お堅い性格で仕事人間の店長の
ちょっとかみ合っていない雰囲気が面白く、こちらにも注目です。




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