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Luigi Ghirri|ルイジ・ギッリ

写真集について書くマガジン、作りました。
所有しているものを中心に、写真集を取り上げていきます。

 ルイジ・ギッリ(1943-1992)という写真家がいた。
写真をやっている人との会話でもあまり上がってこないけれど、最初にギッリを取り上げたいと思う。

ルイジ・ギッリはイタリアの写真家でカラー写真界のパイオニアとも呼ばれるほどの巨匠。
けれど、フランス・イギリス・アメリカ・ドイツ・日本がメインストリームである「写真」において、その存在があまり知られていないのは仕方ないことかもしれない。

ルイジ・ギッリは、いくつかの写真集を出していますが、その中でも「It's beautiful here, isn't it」(2008)がベスト版的なもので、彼の作品を理解する最初の手がかりとしてオススメ。ちなみに、序文はウィリアム・エグルストンが書いている。

時代背景的にアメリカの「ニューカラー」とリンクした見られ方をするのですが、その作品からは私は少し異なる印象を受ける。

彼は、作者の思考も一緒に触れた方がいい、そういうタイプの写真家。
彼の著書に「写真講義」(原題:Luigi Ghirri Lezioni di fotografia)というのがある。みすず書房が出しており、少々値段が高いのだけれど、日本で彼を知る手がかりはこれが一番だろう。

写真集を見ると幾度となく「フレーム(枠)」が現れる。また書籍には何度も「イメージ」という言葉が出てくる。
この2冊を通じて、彼が哲学的な態度で写真と向き合ってきたことが分かる。

書籍の終わりには、友人である小説家ジャンニ・チェラーティがギッリについて触れている。
「彼にとっての写真とは、哲学や詩のように、思索の作業だった」、この一節がルイジ・ギッリという写真家をうまく表している。

ルイジ・ギッリ「It's beautiful here, isn't it」「写真講義」、オススメです。


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