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台湾一周親子自転車旅〈後編⑦〉3日目 達仁〜台東

このnote記事は2023年8月に1週間かけて小学5年生と2年生の息子、高校生の姪っ子と自転車で台湾半周(後編)をした旅の記録です。

2日目はこちら。


3日目 2023年8月5日

3日目は見事に暴風、雷雨に遭遇した。序盤は嵐の中を走りどうなることかと思ったが、中盤以降は嵐が通りすぎ海を臨む快適なサイクリングだった。

■3日目のコース
台9線

今日も朝から雨模様。大雨になったり小雨になったり、青空が見えたかと思えば雨が降ったり、天候が安定しない。予報では時間が経てば天候が回復するようだったので、11時のチェックアウト時間ギリギリまで民宿に留まり、11時過ぎ雨が弱まったタイミングで出発!

朝から雨が降っていたためホテルで待機


次男はまだ足が痛いため今日は電車移動することとなった。ということでまずは最寄りの大武駅(といっても10km先だが)まで、4人で自転車で向かう。

しかし、出発後、すぐに土砂降りに遭遇。しかも行き先の空は雨雲しかない。文字通り、暗雲立ち込める。その後も雨は弱まらなかったが、なんとか大武駅に到着。先にバスで駅に到着していた妻に次男を託す。

さぁ、ここから台東までの55kmは長男と姪っ子との3人旅。2人にはこれまで次男のペースに合わせてもらっていたのでここからは少しペースを上げようと脚に力を入れる。しかし、2人のスピードが思ったより上がってこない。2人もけっこう疲れているようだった。ゆっくり行こうと話をして、先を進む。

走り出してすぐに、晴れていれば絶景だったはずの海沿いの道路を走り始める。しかし、大粒の雨の下、海のある風景を楽しむ余裕もなし、というか海も荒れている。


さらに進むにつれ雨脚が強くなり、風も合わさって、嵐のような横殴りの雨になった。加えて雷も鳴りだし、一旦、近くバス停で雨宿り。お笑いTVのように横を通りすぎる車の水飛沫を顔や全身に浴びる。3人の中に笑いが起こる。みんな、まだ心の余裕はありそうでよかった。
それでもこのまま天候が回復しなければ、いよいよ今日は電車移動にしようと心も折れかけていた。

スマホで地図を見るとなんと5分先のところにファミマがあることが判明。まずはコンビニで雨宿りをしようということになり、雨が少し弱まった隙にファミマに向かって出発、結局ずぶ濡れになりながらなんとかファミマに着いた。あーやはりコンビニは砂漠のオアシスだ。
この時点で13時半。お腹もすいていた。Tシャツを着替えでランチを取る。30分ぐらい休んでいると次第に空が明るくなり雨がほぼ止んだ。


ただ、まだ残り46kmある。姪っ子に「電車で台東に向かってもいいよ、どうする?」と確認。「いや、自転車で行くでしょ」とナイスな回答。気分を新たに3人で台東に向けて再スタートを切る。

その心意気に応えるかのように天気もどんどんよくなり少し青空が見えてきた。そして坂を登ると、ついに海が視界に飛び込んできた。長男が思わず「わー、きれいな景色」と言っているのが耳に入る。


ここから、海を横目にした最高の時間が続いた。前半の大雨の中の修行のようなサイクリングを一気に挽回するように。

途中、後ろから誰かが叫ぶ声が聞こえてくる。
何かと思ってみてみると、道路を走る車の助手席の女性が、僕らに向かって「加油ーーー!!」と叫んでいる声だった。こういう応援の一声で、本当にパワーが出てくる。

今回の自転車旅では、ほかにも同じ自転車旅のサイクリストや徒歩で台湾一周をしている人からも応援の声をかけてもらった。ありがたい。
台湾一周が台湾の方達にとっても人生の一大イベントなのだなと感じた。

今日、主に走ったのは海沿い道路、台9線。この道路には金崙と太麻里に長い登り坂がある。単純な登り坂だが延々と続くような坂道は精神的になかなかきつかった。それでも最高点から見下ろす街並みと海は絶景だった。
椰子の木の並んでいる後ろに見える海。
「なんかこの景色、ハワイみたいだね」長男が言っていた。

気分よく自転車を走らせていると、色々な思いが湧き上がってくる。
この旅を実現できた感謝の思い、家族とこんな素敵な旅ができている幸せを感じる思い、自分の体力の衰えを感じ、やはりできるときにチャレンジしてよかったという充実感、もう2度と同じ旅はないという感傷的な思いなどなど。息子たちが大人になったときにもう一度同じコースを自転車で旅してくれたらうれしいな。

雨も完全に上がり、台東市に入り17時に今日の宿泊地に到着!妻と次男が出迎えてくれた。
3人ともヘトヘトだった。
よくがんばりました!

■3日目走行距離
66km

■3日目獲得標高
496m

■3日目宿泊場所
晃晃46図書適民宿
本をテーマにした個性的な宿。自転車は入り口入ってすぐのリビングに停めさせてもらった。
宿の中は手作りの本棚に漫画や本などがぎっしり。木の温もりのある居心地のいい宿だった。また利用したい。

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