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骨粗しょう症を防ごう

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近年、交通機関の発達や運動機会の減少等によって日本人の運動不足は大きな社会問題になっていると感じます。
運動不足は、単に肥満が引き起こされるだけでなく、自律神経系、筋肉、骨、内臓といった様々な器官に影響し、結果として老化現象を食い止めることが出来ずに、健康寿命の短縮へと向かってしまいます。

その中でも、今回は骨粗しょう症について取り上げていきたいと思います。

まず、骨は局所的に形成と吸収を繰り返しており、全体的な骨量は骨吸収量と骨形成量のバランスによって決まります。この骨吸収量と骨形成量のバランスが取れている状態はカップリングと呼ばれており、カップリング時には骨量の増減はみられません。
しかし、長期的な運動不足により不活性な状態となっていたり、加齢によって骨形成よりも骨吸収量が上回った時にアンカップリングな状態となってしまい、骨量低下がみられます。
更に、女性においては、閉経直後に著しく骨量の低下がみられますが、これは骨への作用の強いエストロゲンと呼ばれるホルモンの分泌量が閉経とともに低下することで引き起こされます。閉経直後では、通常のアンカップリング状態よりもより骨吸収の傾きが大きくなってしまうことでより急激な骨量の低下がもたらされ、その後は通常のアンカップリング状態が続いていくとう形になります。
他にも加齢によってホルモンバランスが乱れることや、副甲状腺ホルモンの分泌が亢進することで、骨の分解が亢進されることも要因のひとつといえます。

このような骨粗しょう症を防ぐためには、まず若いうちから最大骨量をできるだけ高く維持しておくことが必要です。
また、中高齢者になってからでも遅くはなく、運動をすることで骨の密度は増加していくことが分かっており、水泳やウォーキングといった力学的に低強度な運動よりも、ウエイトトレーニングやジャンプ動作等、骨の長軸方向への高強度な運動が骨密度増加には効果的です。
しかしながら、高強度な運動は怪我のリスクや負荷が強すぎると骨密度低下を引き起こす恐れもあるため、トレーニングプログラムをしっかりと組む必要があります。
また、運動の偏りを生まないことも必要ですので、低強度な長時間の運動と高強度な短時間の運動を組み合わせてトレーニングを行うとより効果的であるといえます。

今後、健康で長く自分の身体を持たせるためには早いうちからの運動で身体に刺激を与えておくことが必要ですので、無理なく継続できる運動を今日から始めたいですね。


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