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【映画メモ】逆転のトライアングル

良い映画を良い映画館で観たGW。

気まずい映画個人的第一位の「フレンチアルプスで起きたこと」のリューベン・オストルンド監督による新作。

主人公はモデルの青年。インフルエンサーでもある彼女と乗り合わせたクルーズ船での出来事が、社会批評的に描かれるブルジョワ風刺ダークコメディ。
前半で、ルッキズム、階級、資本家、セクジャリズムが散々語られるのだが、それらの伏線が中盤のドタバタを境に勝者・敗者が入れ替わる社会実験的2時間ちょい。

各キャスト、キャラが濃くて素晴らしいのだけれども、やっぱりモデル役の主演カップルの演技がハマっている。
残念ながらモデルの彼女であるヤヤ役を演じたチャールビ・ディーンは2022年に病気で死去。

各部が単独したストーリーとしても楽しめるし、全体の流れを味わって観ても面白い。
また、カップル間、船、島、社会と色々組織での社会構造を描きながら観客を社会実験に引き込む。

劇中の音楽も最高なんだけど、最も効果的に使われていたのがマラン・マレの「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘の音」。映画「めぐり逢う朝」へのオマージュかなとも思ったけどどうだろ。

ちなみに、Strangerという菊川にあるミニシアターで観たんだけど、ここが雰囲気も作品も最高。オーナー曰く、自身がクリントイーストウッドの西部劇が好きとのこと。店内・ロゴはアメリカ西海岸風でカフェも良い感じ。
気に入りすぎて、翌日の別作品も予約しましたよと。

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