「心配」とかけまして、
「応援」と解きます。
その心は、ふあんです。
#不安
#fan

心配性の後輩がいます。

何をするにも用意周到、準備万端でないと不安で進めないタイプです。
前もってあらゆるパターンを想定して、それから行動を起こします。
危機管理に徹しています。

全く悪いことではないですし、大怪我や失敗することをできる限り回避した堅実な行動です。
特に新しいことを始めるには、とことん不利な案件をつぶし、確実な勝ち戦でしか勝負しないというのは孫氏の兵法でもあるように、勝負の鉄則でもあり、ギャンブルは禁物です。

しかしその後輩は、それが勝負か？と思われることにも徹底して準備します。

組織のトップの人を乗せて運転することになったのです。
いつもの運転手さんがしばらく休暇することになったので、その間を自分たちのチームで交代で運転することになったのです。

その後輩が運転することになった業務といっても大がかりなものでなく、車で１時間強の出張先まで迎えに行き、その人を乗せてこちらに戻ってくるというだけのものです。

日本ですので途中で治安上の危険地帯があるわけでもなく、狙撃されるような心配もほぼ皆無な道のりです。

後輩はそのミッションのためにまず、
・車の試し乗り（慣れてない車なので）
・グーグルマップで道の確認
・目的地の建物のどこに車をつければいいかをストリートビューで確認
などをします。
これくらいはごく普通の下調べです。
ただし、その目的地は後輩が何度か行ったことがある場所なんですが。

次にそのトップの人とやりとりの想定問答です。
・現地に着いたら時間通りに出てきてくれるだろうか？
・一度降りて建物の中に入り出迎えた方がいいだろうか？
・もしもの時の連絡先は？
これらもまあ先に考えとけばいいようなものです。

・帰り道、通勤ラッシュの時間と重なるがこの時間の迎えで大丈夫か？
　→　その時間でって指定だし。
・どの道を使うかトップの人は指示するか？
　→　するときもあるだろうね。
・高速道路使えって言われたら？
　→　使えばいいじゃない。ETCもついてるし。
・カーナビ使ってもいいですか？
　→　使ってください。

拍車がかかってきました。

・目的地まで１時間強で着くところですが、心配なのでこちらを２時間前に出ます。
　→　早朝だけどどうぞ。ただ、現地で結構待つことになるよ。

やっぱり他の人に頼めばよかったかなあ、とやや後悔し始めました・・・
そして、

もうここまで完璧な準備はありません。

そして運転当日、聞いていた出発予定時刻よりもさらに３０分前に出発したようです。
集合時刻の２時間半前の出発です。
先にも言いましたが目的地は通常１時間強で到着する場所なんです。

案の定、集合時刻の１時間以上前に到着したようで、しばらく待機したところでこちらに連絡してきました。

「もう着いているんですが、いつごろ出てくるかわかりますか？」

集合時刻の約３０分前です。
はい、こちらから連絡入れておきます。
この時間まで我慢してたんだね。

それから１５分ほどののち、無事に合流できたそうです。
結局、道の指示もなく、高速も使わず、車の中での会話はほぼなかったそうです。

とりあえずミッションコンプリート！

後輩を厚く労いました。
準備は大切です。