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雪への不思議な気持ち…これってサウダージ?

雪国マウント、って言葉がある、というのを最初に知ったのは何だったか。「東京ポッド許可局」でも話題にしていましたね。
雪国育ちの人が、これくらいの雪で都会では何言ってるんだと上から目線で言うことだとか。…ってこれってあくまで、 「雪国地域は都会よりずっと不便で生活しにくい場所」という大前提があってのこと。
首都圏暮らしの人が地方に対し、「遊ぶとこも働くとこもなんもない、なかでも雪国なんて住めない住めない」とでも言ったら、単に嫌な人というだけになってしまう。
情報として、雪国とそうでない地域の違いは知っていても、実感は、住んでみて初めてわかることです。
大学生になり、若狭(豪雪地帯ではないがそこそこ降る)を出て、首都圏で暮らすようになって、気候の差に驚いた。ずっと大人になってから、山形県出身の人と話したとき、太平洋側と日本海側の冬の気候の差って大きいよねえ、としみじみしたな。
結論から言うと、冬にからっと晴れて、洗濯物を外に出しても乾くし、雪で足止めされることもない、って、ほんとにとてもいいなあって思う。
この気候に慣れると、雪国故郷の生活に戻るのは辛くなってしまいます。
とはいえ、やはり、あの、雪のある気候の中で暮らしていたことが、自分を育てて、なんらかの養分になっていたのは間違いない。
洗濯物はほんとに大変でした。半世紀昔は、まだエアコンも乾燥機もなくて、乾かすのは大変なこと。ほぼ乾いている下着をこたつのテーブルの部分に挟んでいた。幼い子供の私たちがお風呂からあがると(もちろん脱衣所は寒い)、母親が、こたつの熱でほの暖かくなっているパンツやシャツをくれて、今思い出しても、その暖かさが温かく、嬉しかった…ように思う。
当時は古い農村の典型的な家屋で、台所がだだっ広かった。寒い朝は部屋の中でも息が白いくらい。こたつと、石油ストーブで暖を取っていた時代。
炭を使ったこたつにごろんと寝っ転がり、ガラス戸越しに、ちらちらと降る雪を綺麗だなと眺めてた。
雪が日常にある生活は、ほんとに大変です。大人になればなるほどわかる。生活の快適さのためには、ないにこしたことはない。
けど、やはり、雪のある暮らしに自分は育てられていたんだな…とも、雪のニュースを聞くたび、ふと思い出すのです。


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