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【4】手術をする覚悟で向かった先の病院で、赤ちゃんの心拍が見える。

3話の続きです。


※2017年の話です。


クリニックMに着くと
そこはお産の病院であることを思い知らされます。


妊婦さんや子供、
お見舞いに来てる家族、
みんな幸せそうで
見るのが辛かった。


初めは助産師さんと面談。
こんな患者ですみませんと思いながら、
話を聞いてもらいます。


私は何回も
「年内に手術したい」と言っていました。


もう気持ちは完全に手術。


そして院長先生との面談。


とても優しい先生でした。


多分、日々妊婦さんや赤ちゃんと
関わってるからなんでしょうね。


「今回は残念だけど、、
 まずはエコー見せてくださいね」
と言われ、

心の中では
これで赤ちゃん見れるのも
最後なのかなと思っていました。



「これが、胎嚢ですね。」




エコーを見ながら説明してくださいます。


そして、



「見えませんか?心拍。
 小さいけど見えますよね?」




私は、自分のことなのか分かりませんでした。




看護師さんが、
ここ!って指差してくれました。






ホントだ。動いてる。




前日の近所の病院でも、
この日の午前中のクリニックBでも
赤ちゃんは見えないと言われた。


こんなことって本当にあるんだなと、
自分のことではないように感じました。


動いてますよね?
 確かに小さいけど、
 この状態で手をかけることできなくない?
 様子見ましょうよ!



「これからうまくいくか、
 ダメになってしまうかは今分岐点にいる」


と先生は仰いました。


【難しい状況だってことは分かってる。
 けれども、
 妊娠してから素直に喜べなくて
 赤ちゃんに申し訳なかったって後悔したから、
 今日からはたくさん祝福してあげたい。
 ゆっくりでいいから、大きくなってね。】

そう心の中で思いました。

流産、流産と言われ続けていたのに
赤ちゃんは心臓を動かす姿を見せてくれました。


奇跡ってこういうことを言うのかも。


その姿を見て、
「私はこの子の母なんだ。」
という気持ちが湧き出てきて
とても幸せな気持ちになったのを覚えています。


【5】に続きます。


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