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小説家《けい》のプロフィール

はじめまして。《けい》と申します。 本日noteに初めて投稿してみようと思っています。 初めての投稿という事ですので、簡単な自己紹介をしていこうと思います。 《けい》の詳細 ~職業の経歴~ 現在は電子書籍にて小説にトライしています。そのもとは定年退職でした。 消費科学を仕事にしていましたが、退職後は全く関係のない仕事をしようと俳優になりました。 仕事内容は・・・・・・・ 一年間で〖コマーシャル三本〗〖ドラマ一本〗だけ💦💦 手取り収入は【合計四万程度】でした。

    • なんだかなあ

      あれは大学で行われた学科の幹事会の帰り道だった。橋を渡っていると、右手前方の河原に提灯などが吊り下げられており、LEDが点灯して、賑やかであった。私は欄干から下を見ると、黒い川の水にLEDの光が映りこんでいる。 川に沿った土手道を行けば、河原の櫓まで歩けそうだと思い、橋の袂から土手道を進んでいった。川にはLEDの光を浴びて波だか魚の鱗だかが光っている。進んでいる土手の下の河原にはLEDの飾りがずーっと長く向こうの方まで続いていた。大分進んだところで、櫓の上に出た。 私は傾

      • 老人ホームを選ぶ

        鍵を玄関ドアに差したまま外出したり、朝起きたと思って着替えて朝食を食べに出たら夜中だったり、トイレに間に合わなくなったり、何も考えずお金を使っていたら生活費がなくなってしまったり、という失敗が目立つようになってきた独身爺です。今73歳。この春には74です。60の頃自分の運転が荒くなってきたことに気がついて、車を手放しました。 今は日々の記憶に不安が出てきました。一応自立の健常者です。でもいつまでそういっていられるかわかりません。たまたまネットで伊豆高原ゆうゆうの里というのを

        • 家を売る

          けいです。73歳です。鍵をどこに置いたかわすれることが多くなりました。ワンルームマンションはゴミの部屋です。もう養老院に入ろうと思います。そこで家を売って、養老院の入居代にしようと考えました。これはそんな僕の実話です。 僕は昭和24年生まれ。いわゆる団塊の世代でした。高校の時好きだった女の子が35まで結婚しないと言うので、僕は36まで結婚しないといいました。その約束を守っているうちに結婚適齢期を逃してしまいました。ちなみにその子は27で結婚しています。トホホ。 65で定年

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          湯けむりスナイパー

          これはマンサンコミックスの本です。僕はコンビニで発売されているのを見て初めて知りました。原作はひじかた憂峰、作画が松森正という、初めてお聞きする方々でした。スナイパーというからゴルゴ13みたいな話を連想しますが、これが大違い。 殺し屋を引退して、人目に付かない場所でひっそり生きようと、東京でリストラされたサラリーマンという触れ込みで、秘境の温泉宿椿屋に就職します。マイクロバスによる駅までのお客様の送迎、ビールのカートンの処理、露天風呂へのご案内、日本海への海水浴客の送迎など

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          パチンコの傘

          このお話は、新橋に勤めるサラリーマンと丸の内に勤めるOLが雨の日に自宅の駅で出会い、パチンコの景品の傘を女性に貸すところから始まります。捨ててくれと言われて借りるのですが、捨てるわけにもいかず、取り敢えず一週間駅で待って、出会わなければ処分しようと、女性は駅で彼を待ちます。給料日前で余裕のない彼は直帰しますが、女性に声を掛けられます。お礼にと晩御飯をご馳走になり、日曜日に多摩川に釣りに行く話が決まります。そして・・・・・・ 六時ころから降り出した雨は、通勤電車を下車してみる

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          歯医者を蹴ってやったぜ!

          歯医者に対する、もとい、虫歯の痛みに対するイライラの物語です。 歯医者に行った。歯が痛かったからだ。我慢の限界を超えた。仕方がない。治療の方がまだ我慢できそうだ。もっとも、痛そうなら麻酔を頼んでしまう。そう思って歯科医院のガラスのドアを開けた。 そうそう、開ける前に書くべきだった。今東京では歯科医院が多い。ラーメン屋と同じくらいか、カレー屋よりは多い気がする。とにかくあちらのビルの二階の窓、こちらのビルの壁面の看板、ここの行灯看板。皆歯医者だ。どうしてこんなに多いのだろう

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          青山霊園前駅で降りた僕は

          銀座線に乗って、不思議な体験をしました。  銀座駅で地下鉄に乗って、シルバーシートの前に立っていた。新場死駅でどどっと下車し、僕は席に座った。地獄門駅で数人が降車した。銀座での込み具合が嘘のように、この車両には十人くらいしか乗っていない。血の池散々駅を通り過ぎ、垢だけ見付駅では乗り換えなのに誰も下りず、青鬼一丁目駅で五人ほどが降り、外苑墓地駅では四人ほどが降りて、この車両に乗っているのはシルバーシートに腰かけた僕だけになった。地下鉄が動き出すと、首筋がひんやりして、僕はぞく

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          タロの散歩

          この物語は出社前に犬の散歩をする女性のお話です。犬のタロが河原で掘り出したのはなんと腕の骨。警察に電話し、土手で到着を待ちます。始め自転車でお巡りさんが、その後車で刑事と鑑識がきます。主人公はドラッグストアに勤める女性。さて、どうなりますやら。 東山のてっぺんには、東神社がある。東向きに建っており、朝日が上るとき、秋分と春分では、鳥居の下から昇ってくる。何だか、モンマルトルの丘みたいだ…って、知らないけど。朝の犬の散歩に下を通ると、鳥居に朝日があたって、朱色が燃えるようだ。

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          姉と弟

          私にとって京都から東は地図にない。修学旅行で奈良にも行ったけど、奈良の方が京都より東かな? 何て言うか、糸魚川断層線より東は日本列島の輪郭だけで、後は白地図だ。京都奈良断層線と私が名付けたラインより東は糸魚川断層線までの間がグレーの濃淡で、そこより東は白無地だ。まあ、東京とか横浜とかネズミーランドなんて、架空の世界か夢の世界の話だ。 学校から帰ると、農作業を手伝い、駅前のスーパーのレジを手伝い、新聞配達をする。実はアルバイト禁止なのだけれど、学校側も私の家の事情を考慮して認

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          パニック障害はつらいよー

          パニック障害ってすごくつらいです。通勤電車に乗るのが恐怖で、会社を辞めようかと思いました。パニック障害と診断されるまで二年かかりました。耳鼻咽喉科、内科、精神病科、泌尿器科、男性更年期障害科などを転々としたあげく、やっと心療内科にたどり着きました。 五十の頃、パニック障害になった。最初は病院に下血して救急車で運ばれ、生まれて初めて入院した。一週間ほどして院内を歩けるようになると、床屋があったのでそこに入った。前のご夫婦が終わり、たぶん旦那さんが理髪して、奥様は付き添いだと思

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          一すじ山のキノナ

          一筋山は一すじ道が山の脇を通っているから一筋山と呼ばれています。百メートル弱の小山です。頂上付近に大きな岩があり、そのため子供が遊びに行くくらいで大人はあまり登りません。このお話は一筋山にキノコ採りに行った兄妹がキノコ型宇宙人キノナに出会うお話です。  ぼくはママに頼まれて、妹を連れて一すじ山にキノコを採りにでかけました。今夜のおかずはシチューです。そこに入れるためにキノコが必要です。  僕は小学校三年生、妹は幼稚園です。僕のおうちは、一すじ山の南側のふもとで、赤い屋根の一

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          カメムシ

          これはまだ警察病院多摩分院があったころのお話です。奥さんが入院し、二日に一度洗濯物を回収し、洗濯後のパジャマを届けに行くサラリーマンが体験した鎌倉街道に残る武蔵野自然林で傘のような大きいカメムシをみてしまった男性のお話です。  中央線は、東京駅から、高尾駅まで、東京都を東から西へ横断する橙色のJR線である。始発駅から終着駅まで、快速電車で九十分ほどを要する、東京都では最も長い路線である。この路線には、都心側から、「高円寺」「吉祥寺」「国分寺」「西国分寺」という四つの寺のつく

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          あざみの住宅連続殺人事件

               細い月が西の空にかかっていた。最寄りの駅から歩いて十五分ほどかかるその住宅街の真ん中あたりに、ゴミ屋敷と呼ばれている青木の垣根で取り囲まれた家があった。二階建ての一軒家だが、青木と建物の間の庭は積み上げられたゴミ袋や空き缶、古自転車、ペットボトルや壊れた電気製品などで覆われ、二階の窓まで届くほどの高さだ。    門はあるが、玄関はゴミ袋に隠れて見当たらない。いったい住民がいるのか、いるとしたらどのような生活を送っているのだろう。ゴミは敷地の外には出ていないものの、

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          浜町高層ビル転落事件

          西の空がオレンジ色に輝いている。顔を戻すと、新大橋通に面した浜町の高層ビルは金色に染まっていた。佐々木武はやはり太陽の反射なんだ、ガラスの材質であんなにきれいな金色になるのだろうなと思う。あまりにも金色がきれいで、つい振り返ってしまったのだ。 太陽はそろそろビルの陰に隠れようとしている。それまで、金色のビルを見つめていようと、銀杏稲荷の前で立ち止まる。高層ビルの金色の窓の表面を鉛筆で引いたような黒い筋が走った。ロングコースくらいはありそうな距離だから五、六百メートルくらいは

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          マンホールの夜

          夕焼けの橙色が次第に黒ずみ、わずかに雲の端が赤く見えるころ、鈴木正孝は自転車で家路を急いでいた。妻が保育園に孝を迎えに行き、自分は先に買い物をして夕食作りをする番だ。月水金は正孝が食事つくり、火木土が美知子の当番であった。日曜日は外食するのがルーチンになっている。 帰路のスーパーで買い物は済ませたので、今は帰って夕食を作るだけであった。ハンバーグを作るつもりで、合挽肉と玉ねぎと食パンを買った。卵はまだ家にある。付け合わせのキャベツの千切り用にキャベツも一個買い、レジ袋を前の

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