錦木 圭

かけだし歌人です。 早稲田短歌会、Penclub にいます。

錦木 圭

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🌱 はじめての方へ

自己紹介 錦木 圭(にしきぎ けい)と申します。 早稲田短歌会とPen Club(文芸全般を扱う慶應の公認サークル)に所属しています。 初めて買った歌集は俵万智さんの『サラダ記念日』、最初に買った単行本は木下龍也さんの『あなたのための短歌集』です。 最近、馬場あき子さんの全集を買って財布がすっからかんになりました。 短歌垢では2023年6月から投稿を始めました。 歌は高校から詠んでいましたが、本格的に始めたのは大学入学後です。まだまだ不勉強なところも多いですがご教示お

    • (たぶん)消費される歌と景色について

      「ブックマークついてて嬉しい!」みたいな投稿を頻繁に見かける気がする。 普段話すべきことと心にとどめたいことが同時に流れてくるのは日常会話もSNSも同じだと思うけれど、日常会話なら数年後に誰かが自分の発言を覚えていてくれたみたいな状況で得られるはずの驚きをブックマークは可視化している。 筆者も(あ、ブクマされてる)というふわふわとした驚きをたまに感じるが、時折短歌のブクマを見ながらブクマされなかった歌のことについて考えることがある。 もとい、スルーされる歌が存在すること

      • どうして短歌なのか、みたいな話 #2

        前回の #1 の記事にて、「散文よりも定型にのっとった短歌のほうが現実を壊す力がある」という趣旨のことを書いた。折角の機会なのでこの話を掘り下げてみようと思う。 (前回) 定型と幻想 人をダンスに誘うような短歌が詠みたい。 これが「幻想系短歌」と勝手に呼んでいる類の短歌をつくる最大の理由だ。お手をどうぞ、と話しかけて、読んでいるうちに気が付いたら知らない場所にいざなわれているような短歌を詠めるようになりたい。 これだけの理由ではわざわざ短歌にする理由がないと思われる

        • SNSで短歌を発信することのアイドル性

          「賞や歌集の出版を目指すのではなく、既出扱いになってしまうSNSで短歌を詠むことにはどういった意味があるのか?」という質問をされたことがあり、とても面白かったので自分なりの理由を考えてみた。 私の中では、毎日の短歌発信を見ることでの楽しさ、自分で歌を発信することの醍醐味が各々あると思っている。 他の人の短歌を毎日見るのは楽しい。同じように、自分で歌を発信するのも楽しい。しかし、これらの楽しさは本を買って読むのとはまた別の楽しさであると思う。 ではSNSで言うところの「楽

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          才能って自律性のことじゃないかと思う

          大っぴらに天才とか才能の話をすると人それぞれすぎて大変な議論を呼ぶイメージがあるのですが、ここではあくまで筆者自身の「才能」観の話をしているよ、と最初に書いておきます。 高校までの才能って 雑誌やSNSなど、広義の短歌界隈にいると頻繁に才能という言葉を目にすることが多い。 主に「この作者は才能がある」と公募などで選ぶ側の人々が言っている印象だが、高校まで私は才能という言葉を半ば禁句のように思ってきたので、ああこれは言っていい言葉だったのかと軽い驚きのような気持ちがあった

          才能って自律性のことじゃないかと思う

          「カネにならない」短歌について

          「将来は短歌で生計を立てようと思っています」 という人にまだ会ったことがない。だが、今の短歌ブームはいずれ(詳しくない人にも消費されるという意味での)商業に結びつくのではないか? とずっと思っている。 というのも、現在の短歌コミュニティは若者や新規にとても寛容で、同時に短歌人口を今より増やそうとしているのではないかと思うことが多々あるからだ。 そして、それを実現する過程で商業化を避けては通れないであろうことは簡単に想像がつく。 この商業化という言葉を考えたとき、なんと

          「カネにならない」短歌について

          どうして短歌なのか、みたいな話 #1

          はじめに Twitter企画の #短歌を好きになった流れ を拝見していて、思いのほか特定の歌人の作品を読んで短歌を詠もうと思ったという方が多くて驚いた。折角なので自分がどうして短歌を詠むことになったのか分からないという話をしてみようと思う。 ひっそりと書く分には誰にも怒られないと信じているので、今の自分の最大の問題である「短歌である必要性」に絡めて少し書きたい。 短歌を始めるまでの話 「短歌を始めたきっかけ」がない。 憧れの歌人はいる。でも、特定の歌集を読んで短歌を始

          どうして短歌なのか、みたいな話 #1

          「千年を編む(Remix)」まとめ

          8月前半に上げた古今和歌集の「リミックス」の再掲と、作成背景や感想です! 全8首 引用・参考文献 高田祐彦 訳注『新版 古今和歌集』KADOKAWA、2009 pp.56~57, pp.90~91, pp.104~108, pp.114~115, 154~155, pp.162~163, pp.166~167 作歌のコンセプト 最初にアイデアを得たのは俵万智さんのチョコレート語訳『みだれ髪』からです。 ただ今回、現代短歌にする対象が千年前の文章ということで、単に

          「千年を編む(Remix)」まとめ

          過去作を見返して思うこと

          現在のTwitterのアカウントは短歌が中心ですが、元々「錦木圭」のペンネームは小説用に作ったものでした。 #自作小説の一部 で呟いていたのは昨年度の秋の部誌に寄稿した短編なのですが、半年ぶりに見返すと発見が多くあったので、なんとなく書き綴ってみます。 音楽関係の女子高校生2人の青春ものです。 音楽に生活全てをかける作曲者と音が見える音楽未経験者がタッグを組む話でした。そもそも青春小説を書いたのが初めてだったので楽しんで書きました。 まず、対比の軸が分かりやすすぎるかな

          過去作を見返して思うこと

          ▶ネプリ配信『夜行性ブルーノート』 〜8/1

          今年度の短歌研究新人賞の予選通過作を再編集したネプリ『夜行性ブルーノート』を配信します! サンプルにあるタイトルは手書きしてみました。 以下、しばらく固ツイにしていたものです。感想をくださった方もいらっしゃって感謝です。 (ここから先が雑感です。忙しい方は読み飛ばしてください) 半年前からほぼ見返さなかったので明るめの連作を作った気でいたのですが、諦めのようなものを読み取ってくださった方が多くて驚いています。よく考えたら初っ端から音楽を諦めているのでそれはそう。 ツ

          ▶ネプリ配信『夜行性ブルーノート』 〜8/1

          ▶リクエスト短歌、随時募集中!!

          先月からリクエスト短歌を募集しています! こちらのツイートへのリプライ欄にてリクエストをいただけたら1週間ほどで短歌を返信します。 ⬇️ ツイートに添付された画像です ひとつのテーマにこだわって短歌を作ってみたいというのと、普段自分が見ている世界だけだと詠めるものが狭まってしまう気がしたことがきっかけです。 折角なら誰かの日常のお供になれる可能性があるものがいいなと思い、リクエストという形で募集をしています。 ですので、遠慮なくリクエストしてくださると嬉しいです!

          ▶リクエスト短歌、随時募集中!!

          2023.7.11 自選12首

          6月からの短歌で夏らしいものを選んでみました! 個人的な趣味で選んだのですが、わりあい爽やかな雰囲気になっています。 Twitterを始めてしばらくは短歌を一日に2首ほど投稿しようと決めていたので、朝と夕方の歌が多くなりました。 今までは大量に作る期間→虚無→大量に作る期間……と繰り返していたので、毎日詠むのは新鮮で楽しいです。後から見返すと体温記録みたいで面白い。 自分で解説するのも不思議な感じなのですが、少し思うところがあった2首について書いてみます。 画像1/2

          2023.7.11 自選12首