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恵文社『冬の古本市』 参加店さまのご紹介・その③

参加店さまのご紹介も第三弾となりました。

高橋源一郎さんのナイスショットを面出しに。

今年の古本市は、ゲストにライター/エッセイストの荻原魚雷さんにもご出店いただいております。尾崎一雄や梅崎春生、吉行淳之介作品の編者としてもご活躍。梅崎春生「怠惰の美徳」は当店でもよく売れています。今回のラインナップは、氏が得意とされる昭和の私小説作家や雑学に関する本などが揃っております。著書「中年の本棚」は書店フロアにございます。
ぜひご一緒に。


そして、新しい試みといたしまして隣接する展示スペース”アテリ”を使用して、作家さんや版元さん、当店とお取引のある方々にお声掛けをして一箱古本市を開催中です。

早くも補充分が無くなってきた箱店主さまも
署名と共に添えられた一言がとてもスペシャル。

ミシマ社の社主・三島さんの本棚からご紹介していきましょう。
催事で蔵書を販売するのは初めてだそう。小説や実用書と共に、自身が編集を担当した書籍もピックアップしたラインナップ。貴重な機会ですのでどうぞお見逃しなく。

ミシマ社・三島の本屋さん
京都と東京・自由が丘で活動する出版社ミシマ社の三島が初めて単独出店します。個人の本棚から古本を出品するのも初。ミシマ社の新刊も並べます。京都にゆかりのある自ら編集した本や、編集長を務める雑誌「ちゃぶ台」の全号、小部数レーベル「ちいさいミシマ社」からも選書。自著はすべてサイン本です。

  

行方不明となった幻の私小説家・岡田睦の未収録作品の復刻を手がけた宮内書房さんも初参加。「岡田睦作品集」、「池田得太郎異端小説集」どちらも入荷しています。※版元在庫僅少の為、期間中再入荷のない作品集です。

林静一表紙のガロ。サブカルと文学が中心の本棚。

宮内書房
お初にお目にかかります。
よく分からない作家への好きが高じて作家の復刊活動をしている宮内書房の宮裡と申します。これまでに貧困の果てに行方不明となった私小説家・岡田睦や三島由紀夫に絶賛されながら文学史に埋もれてしまった幻の幻想作家・池田得太郎の作品集を刊行してきました。
今は恵文社さんでも90年代に作品展をやられて縁の深い関西ガロ系マンガ家・川崎ゆきおさんの聞き書き一代記を取材・準備中です(2024年内刊行予定!)恵文社さんには中学生の頃から通っていたのでお声がけいただき感慨深い...。本はそんな自分が集めてきたサブカル・文学の本が並ぶ予定です。来てくださる方の期待に応えられる本を並べたい。

  

コミックや雑誌、エッセイ、筋トレまで!バラエティ豊かな品揃え。

知覚する生きづらさ、生きる糧を執筆という方法で向き合い、ままならない自身を掘り下げ日々の記録をあるがままに残した1冊、「死ぬまで生きる日記」は当店でもよく手に取っていただいております。
コミック、エッセイ、雑誌etc..実にバラエティに富んだ内容で、土門さんの日々を感じるような一箱です。

土門蘭
京都在住の文筆家・土門蘭です。
普段は小説・エッセイ・短歌などの文芸作品やインタビュー記事を執筆しています。2023年4月には、2年間のカウンセリングの日々を記録したエッセイ『死ぬまで生きる日記』(生きのびるブックス)が出ました。
今回の古本市では、その間に読んだ、自分自身と向き合い理解するヒントになった本やコミックが多くなるのではと思います。冬籠りのお供を探してみてください。

 


読書家でもある世田谷ピンポンズさん。音楽活動の他、文筆活動や文学館での講演など、活動の幅が多岐にわたる、京都在住のフォークシンガーです。昨年も大変好評だった箱店主に今年も参加していただきました。
まだ新刊と呼べるようなものや、ZINE、インスピレーションの元になった蔵書など。

世田谷ピンポンズ
フォークシンガーをしております。
文学は昔のものも、いまのものも大好きです。「文学とフォーク」と嘯いて、私小説をテーマに歌を作り、萩原朔太郎など詩人の詩にメロディをつけて歌ったりもしています。
喫茶店も好きです。古本屋や古本市で買った本を喫茶店でパラパラひねくるのは最高に楽しいですね。挟まったままになった枯れ葉とか、ぐにゃぐにゃ訳のわからん書き込みとか、誰かが確かに同じ世界に生きていたのだという、そんな痕跡を見つけるのも古本の魅力のひとつだと思います。

 

生きることへの戦いとも呼べる日々を発信しつづけている、出版界のホープ。未経験からの第一作「ニーネ詩集 自分の事ができたら」では、ニーネの詩の世界を伝えるという意思を感じ、ずしりとした重く、無骨のようで明るく優しい造本に”本を作る”という気概を感じます。
話題の書「鬱の本」もぜひ。

点滅社
武蔵小金井でふたり出版社をやっています。詩集や歌集など、文芸書を中心に刊行しています。2022年の6月に開業したばかりで、ふたりとも編集経験はまったくありません。
右も左もわからない中、毎日手探りでなんとかやっています。
それから高円寺で「そぞろ書房」という本屋さんも運営しています。ZINE、新刊、古本など、色々取り扱っており、最近は展示に力を入れています。自分で言うのもあれですが、なんだかよくわからない変な空間です。もしよければぜひ遊びにいらしてください。
今回はぼくの個人的な蔵書を持ってきました。詩、歌集、サブカル系、人文系の本が多めです。どれも鬱屈とした毎日を支えてくれた本ばかりです。よろしくお願いいたします。

 

画家・武藤さんの一箱はとてもユーモアがありますよ。「本」という存在がいかに彼女を癒し、楽しくさせてきたのか一目でわかる鮮やかな一箱。
武藤良子さんが装画を担当した書籍「漱石全集を買った日」はこの催事に最もおすすめしたい1冊。そして、なんと今回のためにカレンダーを制作してくださいました。

すべてオリジナルプリントです。紙の種類も豊富!
半透明、ビタミンカラー、おうちにあった包装紙など、遊び心も満載。

武藤良子
子どものころから漫画ばかり読んでいます。いまも毎日読んでいるので本棚から漫画本があふれます。なんなら狭い家からもあふれます。あふれてしまった漫画本と、絵描きの文章が好きなので「絵描きの物書き本」を中心に、一箱に出品いたします。漫画は最近のものが多めです。セットもあります。売れたお金でまた漫画を買おうと思います。

 


”十七時退勤社”社長である、とある出版社の名物営業・橋本亮二さんと、
製本と編集者」の笠井瑠美子さんの蔵書を販売できる機会をいただきました。普段親しんでいる本や漫画、仕事の資料として読んでこられたのであろう書籍などが入荷しています。それぞれの本には、スリップとは別に手書きのおすすめコメントが書かれている小さなPOPがついているものも嬉しい一箱。

十七時退勤社(じゅうななじたいきんしゃ)
出版社の営業と製本屋による個人出版レーベルです。2019年秋よりそれぞれ一年に一冊ずつ本を作り、全国各地の書店店頭を通じて、小さな本が見知らぬ誰かに手にされることの喜びを感じています。恵文社一乗寺店さんでの『冬の古本市』に参加でき、とても嬉しいです。仕事に関連した本、ただ好きな本、背表紙を見るといつかの時間を思い出す本など、あまりテーマを定めず選びました。どこかの棚から手にして自宅の書棚に置いていた本が、恵文社一乗寺店の空間からまた手にされ、新たな書棚に収まることをわくわくと想像しています。

 

当店とは長いお付き合いのLAVVOさん。
ドイツの『もじゃもじゃペーター』(インゼル文庫)と、スウェーデンの野鳥の図鑑が特におすすめとのこと。好きすぎて同じものをお持ちだとか。
装丁と内容の充実した2冊は、大切にしていただける方に届きますように。

撮影:LAVVO・結城さん

LAVVO(ラーヴォ)結城伸子
海と森の標本、北方民族サーミのバッグやアクセサリーを制作。自然からインスピレーションを受けたものをかたちにしています。

 

今回のために葉書をご制作くださいました。草木染めの端材を使ったコラージュ。
それぞれ使用した植物の名前も記載されています。

haru nomura
京都の東山区にアトリエを構え、haru nomuraという草木染めかばんのブランドを運営しています。家からアトリエまでの通勤時間や、草木を鍋で煮出している最中に、パラパラと本を眺めることが多いですね。自宅の本棚に並んでいるのは、専門分野の染色や工芸の本が中心ですが、個人的には書き手の日常が見えるエッセイや、図鑑や料理本など写真も楽しめる本が好きです。昔の雑誌のバックナンバーを集めるのも好きです。古本市には、2冊手元にある本、暮らしの本や布物の本を中心持っていく予定です。

 

「Olive」のバックナンバーは古いものでは一桁のものも。

平安蚤の市の一角、テーブルに小さな世界を並べる素敵な女性。
マガジンハウスの雑誌「Olive」の蒐集家としても活動する彼女。文芸、映画の美しく、ロマンティックで愛らしいものより磨いてこられたセンスと、親近感を合わせもった、隣の素敵なお姉さんのような一箱。
手のひらにおさまるサイズの古道具も入荷しています。

しちさんぶんこ
雑誌オリーブが好きな しちさんぶんこ と申します。元々はイベント等でときどき古本を扱っていたのですが、気がつけば最近は古道具を扱うことの方が多くなりました。毎月京都で開催されている平安蚤の市にときどき出店しています。
お声がけいただいて久々に素敵な古本のイベントに参加できることがとてもうれしいです。
恵文社冬の古本市ではオリーブのバックナンバーの他に小説やエッセイ、暮らしやアートにまつわる本等と、雑貨類も少々ご用意できればと思っています。どうぞよろしくお願いします。


一箱丸ごと持ち帰って楽しみたいようなラインナップ。

好きなものを語る時、その人の本質が現れる気がいたします。
京都で大学生活をし、現在も京都に住み働き、読書人としての日々を送る出版業界のニューフェイス。下鴨の古本市も毎年の日課だとか。
文庫を中心としたラインナップです。ぜひ彼の棚からピンときた1冊をお求めくださいませ。

sk book
普段は本の卸を営んでいる会社で働いております。ご縁があり、今回恵文社さんの「冬の古本市」に一箱出品させていただく運びとなりました。個人的な趣味全開で本を選んだところ、小説、特にミステリーに偏った選書となってしまいました。売りに出すのは惜しいおススメ作品を(恐らく)取り揃えておりますので、是非お愉しみいただければと思います。個人的には好きな作家の布教ができれば大満足ですので、名前だけでも覚えてお帰りください。

 

最後は謎の行商人「moshimoshi」さん。
昨年初出店のmoshimoshiさん、手製のモール人形が入ったプラスチックパックをたくさんお持ちになってくださいました。よく見ると、たぬきやキツネ、うさぎ、子犬など、動物が小躍り、素敵なポーズで収まっているではありませんか。スタッフの皆と閉店後にこっそり踊らせてみたり楽しいお店。

絵画や音楽にも詳しく、独自の目利力、不思議な魅力いっぱいのmoshimoshiさん。ぜひ店頭で触れてみてくださいね。

ペーパーバックの絵本他、ミニチュアやデッドストックのハンカチやてぬぐい(未使用)も

さて、いかがでしたでしょう。ちいさな本棚ではありますが、それぞれ全く個性の違う本棚となっているのが興味深いコーナー。
好きなもの、趣味趣向、それぞれの価値観を自由に広げて、言葉や物語を探してみませんか?

1年に1回の恵文社恒例行事、売り場を整えてお待ちしています。
冬の古本市」をどうぞ最後まで楽しんでくださいね。

参加店さまのご紹介・その①
参加店さまのご紹介・その②

(原口)


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