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ランダム練習が効果的って本当? 【ランダム練習と文脈干渉効果(Contextual interference effect)】

以前トレーニングに関するセミナーに参加した時に

「運動を学習するにはブロック練習よりもランダム練習やシリアル練習という方法が効果的です!」

という話を聞きました。

その時初めてランダム練習という概念を知ったのですが、思い返せばその概念を知らずとも、僕たちはブロック練習やランダム・シリアル練習と言った方法を選択していることも気づきました。


「ランダム練習はブロック練習より効果的!」

と言われると、確かにそんな気がしてきますが、それと同時に「本当にそうなのか?」という疑問も湧いてきませんか?


ということで今回はランダム練習とそれに付随する文脈干渉効果(Contextual interference effect)についてです。


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■ブロック練習とランダム練習

ある運動を学習(練習)する際の方法としてブロック練習、ランダム練習と呼ばれる方法があります。
例えばある運動をA, B, Cという3つのパターンで練習する際に、ブロック練習、ランダム練習では以下のような方法となります。

ブロック練習:1つの課題を連続して練習した後、次の課題に移行する。
例)AAA BBB CCC 

ランダム練習:複数の課題(ここでは3つ)をランダムな順番で練習する。
例)ACB BAC ABC

ブロック練習が一つ一つの課題をまとめて練習していくのに対して、ランダム練習ではA, B, Cをランダムに練習します。
シリアル練習という「ABC ABC ABC・・・という順番で練習していく」方法もあります。ランダム練習の親戚と思ってください。

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一般的にランダム練習はブロック練習よりも運動学習効果が高いと言われます。

ブロック練習とランダム練習との比較では以下の特徴が知られています(1)

・練習時のパフォーマンス 
 ブロック練習>ランダム練習

・練習後の運動学習効果の保持・転移
 ランダム練習>ブロック練習

これは文脈干渉効果(contextual interference effect)という現象で説明されます。



■ランダム練習と文脈干渉効果(contextual interference effect)

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