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消費者にとっての「買う理由」をつくる/『エモ消費 世代を超えたヒットの新ルール』

経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACE


「これは便利です」「これは美味しいです」「これは安いです」。
機能的価値や価格面の訴求では、消費者に届かない。これはよく聞く話です。現在では安くて便利なものや美味しいものがたくさん揃っていて、どれを選んでも大差はありません。そのなかで機能や価格を謳っても、消費者にとっての「買う理由」にはならないということですね。さらに、インターネットを通して安くて機能的な商品の情報はたくさん発信されています。そのなかでどうやって自社の商品を知ってもらうのかといった課題もあります。
ただし、「では、どんなことを伝えればいいのか」となると、はっきりとした基準がありません。多くの企業が困っている課題を解決する、具体的なノウハウを本にできないか。そう考えたのが、本書の企画のきっかけでした。

著者は今瀧健登さん。「Z世代の企画屋」として知られ、Z世代向けのマーケティングを支援する会社を経営されています。会社設立から営業活動は一切行っていないにもかかわらず、三菱UFJ銀行、SUNTORY、花王、関西電力、損保ジャパンなど、有名企業からのオファーが絶えないそうです。

機能的価値では魅力を感じないというのは、若い世代ほど顕著です。生まれたときから必要なモノはひと通り揃った環境で、SNSを通してたくさんの情報に触れながら育っています。それに、Z世代に刺さる訴求ができれば、SNSの力で全方位、全世代に向けて広がっていきます。Z世代だけに向けて売るのではなく、Z世代を通してヒットを生み出す。そのための方法を執筆していただきました。

本書で定義する訴求方法は「エモ」を伝えることです。エモとは、ひと言で表せば「ハッピーな共感」であり、その共感度は60点くらいが理想です。100点の共感を目指そうとすると、同じ経験をした人にしか刺さりません。「ああ、あるある」くらいの共感を覚え、残りの40点の部分に、消費者は自分を投影させることができる。そこに生まれた世界観が、その人にとっての「買う理由」になります。

機能的価値や価格的な魅力をエモに切り替えて訴求する一例として、こんなものがあります。

インクが切れず、書きやすいボールペン
→初めて契約を取った日、上司にもらったボールペン

ハムが大特価!
→ハムたくさん! 親子のワガママチャーハンを作ろう

従来商品の3倍の吸引力の掃除機
→掃除が早く終わったから、夫婦でゆっくりコーヒーを

どうでしょうか。単純に機能面を訴求されるよりも、買いたい気持ちになるのではないでしょうか。
上記の例からもわかるように、エモを活用した訴求は商品を選びません。そもそも機能や価格で差別化できないことを前...

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