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『未成年裁判(Netflix_全10話)』を観ました。

あまりにシリアスなドラマの場合、ついついコメディや恋愛なんかを入れがちではありますが、今作はキッパリとそういう要素は入っておりません。そんな直球な作品『未成年裁判』はこんなお話です。

地裁少年部判事に就任した一人の女性、シム・ウンソク(キム・ヘス)は不良少年に嫌悪心を抱いていても、常に適切な処罰を下していった。そんな彼女は正しい道へ導くために不良少年の原因を突きとめてゆく。

(https://ja.wikipedia.org/wiki/未成年裁判)

よくドラマなんかで出てくる『弁護士』は正面に座ってる『裁判官』に向かって発言しています。裁判を進行したり、最後に「判決を言い渡す」と言ったりしてジャッジするのが『裁判官』です。
『判事』というのは、裁判の経験が10年以上ある『裁判官』のことで、今作はこの『判事』が主人公になります。
(裁判は『裁判官』3人で行う時もあれば、1人の単独で行う時もあります)

少年犯罪の現実を描いた『未成年裁判』はフィクションですが、実際に起こった以下のような事件をベースに作られているところがあります。
仁川小学生誘拐殺害事件、淑明女子校試験用紙流出事件、中学生レンタカー窃盗運転衝突事件、京畿道龍仁市アパートレンガ投下事件、仁川女子中学生集団性暴行。

こんな事件に立ち向かうのが、韓国で国民的女優のキム・ヘスさんです。この主人公は冗談なんか言ったら怒られそうな、まるで鎧を身につけているようなキャラクターですが、これによって「キツい内容を少し冷静になって見ることができている」のかもしれません。許せない話を入り込んで見てしまうと、1話も最後まで観れないかもしれません。
『パラサイト 半地下の家族』で家政婦役だったイ・ジョンウンさんも、全然違う役柄で主人公の上司の判事役で出てきます(下の写真の右から二番目では笑っているけど、役ではかなりこわい感じ)。
予告のはじめに出てくる(本編では1 話)、少年を演じているイ・ヨンさんは、実は27歳の女性というのは驚きました。リアルにそのままの年齢の少年を出演させるのは、その後の心のケア問題とかがありそうですので。

安心して下さい、今作は「フィクション」です。


『未成年裁判』は向かい合うのがキツいお話
ではありますが、そういう話をどう見せるかをしっかり考えている作品に感じました。リアルすぎたり、逆に大袈裟に描いたりすると壊れてしまう(観てる人が引いてしまう)、作る難易度の高いお話だと思います。

今作を観て「こんな攻めた作品を作れる場があるのはうらやましい」と思ってしまいました。
個人個人の熱意なしでは作れなかったと思われる今作を観た若い人が「こういう作品が作れる場を私も目指したい」を育っていくような気がしたのです(「どうせ無理に決まってるから」の逆ですね)。
「売れる、ヒットする、儲かる」みたいなことではなく「これは今どうしても描いておきたい」みたいな、こんな青臭いことを言ったら上の人に「君はまだ世の中のことをわかってないようだね」とか言われそうな、そんな直球な感覚で作っているような感じがして、そこがとても「うらやましい」と思ったのです。

良いことと悪いことの区別がつかなくて、「ご意見無用ですので放っといてくれ!」と凄むのは、なにも幼い少年少女だけではありません。もうすっかり大きくなった、大人と言われる年齢の人も平然とやってしまっていることです。もしかしたら少年少女は、そういう大人を見て真似しているのかもしれません。

気になってる主演のキム・ヘス姉さん見たさに、今作を観ましたが、キム・ヘス姉さんの作品はハズレがないです。

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