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『お役所仕事が最強の仕事術である』最強かなぁ、どう思います?~読書感想文#38

少し前「お役所仕事」について記事にしました。

その後、この本を見つけ、気になって読んでみました。

これは良いと思った個所

新たに事業を始めるときのチェック

P.22~25では以下の4つの視点からチェックすることが書かれています。
①住民視点 公平性はあるか、無駄ではないか、など
②首長視点 首長の政治信念に反していないか、役所全体としてどうか
③議員視点 地域的偏在がないか(特定の議員の優遇にならないか)
④職員視点 実際に運用可能か

コールセンターでは、日々多くのご意見が寄せられます。そのとき、無下にあしらうのも困りものですが、「お客さまから頂戴した貴重なご意見なのにいつになったら実行するんですか!」と上司に食って掛かるオペレーターも困りものです。
複眼的に物事を見られるようになること、少なくとも自分には分からない要素があるとだけでも分かっておいてもらいたいものです。

住民説明会の手順

役所と電話応対では、相手が多数か一人かという決定的な違いがありますが、それでもやはり同じだなぁと思ったのがここです。
P.32 「まず感謝、次に結論・全体像を話すのは、出席者に安心してもらうためです。」そして詳細を説明するときにも「簡潔明瞭に説明することと、参加者が理解していることを確認しながら話を進めていくことが重要」とあり、「出席者」「参加者」を「入電者」に変えればコールセンターの本といっても通るでしょう。

クレーム対応(人を替える)

P.160~163ではクレーマーに対し、一般職員から係長、そして課長と人を替えて対応する手順が紹介されています。
どれだけクレームになってもエスカレーション(=上長対応)はしないというセンターもありますが、個人的にはそれは無益なルールだと思っています。
人が代われば同じことをもう一度話してもらうことができ、適度なガス抜きになります。

サービス業とは違うと思った個所

クレーム対応

p.113 「今、我々のことを『何も考えていない、どうしようもない人間だ』とおっしゃいました?」
このような対応をしているセンターもあるという話は聞いたことはありますが、私自身はありませんし直接聞いたこともありません。
どれだけ職員のことを嫌いになろうと、役所であれば利用せざるを得ません。しかし民間企業はそうはいきません。

研究します

これは、提案や意見をかわす反論法として紹介されているものです。
コールセンターではほぼ100%「貴重なご意見として承ります」ですが、役所にはいろいろな段階があるようです。
「実施します」
「検討します」
「研究します」
「長期的な課題と認識しています」
などあり、
先の「貴重なご意見として承ります」や「それも考え方の一つと認識しております」はスルーを意味するそうです。

ほかにも参考になる箇所などありましたので、よろしければご一読を。

それでは、また。

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