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認知バイアスと敬語~③透明性の錯覚

先日、『犯罪心理学者は見た 危ない子育て(SB新書 出口保行著)』の読書感想文にて、4つの認知バイアスを紹介しました。

確証バイアス
 すでに持っている思い込みや偏った考え方に合致する情報を無意識に集め、それ以外を無視する傾向のこと
正常性バイアス
 異常な事態に遭遇したとき、「たいしたことじゃない」と心を落ち着かせる働き
透明性の錯覚
 実際以上に自分の思考や感情が相手に伝わっているという思い込み
行為者ー観察者バイアス
 他人の行動はその人の内的な特性に要因があり、自分の行動は環境など外的な状況に要因があると考える傾向のこと

p.38

本書によると、これらの思い込みを手放すことは、子育てに限らずラクになったり、この先余計な苦しみを抱え込まずに済んだりするそうです。そこで、本書で紹介されていた4つの認知バイアスを一つずつ、敬語の観点から説明していきたいと思います。今回は、三つ目の透明性の錯覚です。

透明性の錯覚と文法

「愛している」なんて言わなくても通じ合っているの💛
そんな関係は素晴らしいですが、それは世界中で(普通は)最大1人しかいません。通常は言葉を尽くしてもなかなか分かり合えないのが人間です。

敬語ブログでは、文法の間違いを何度も繰り返し取り上げています。それは、伝えたつもり、分かったつもり、をなくしたいからです。
多くの人は、私は今「お客さま」と呼ばれたんだからこの人が使っている敬語は私を立てている敬語に違いないと解釈します。実際に使われた敬語を気にすることもなく、正しい敬語がどうであるかを知ろうともしない人もいます。結果、「立てる」の中身も互いの思い込みとなり、客側はなんでも自分の思い通りになり黙っていても自分にとって良いようにしてくれると期待し、その期待を裏切られては傷つきクレームを言うという悪循環が生じます。得をするのは、相手が抱いている蜃気楼のような期待を、自分のために使えばいいと気づいた人だけです。

自分が誰に対してどういう敬意を持っているかを明確に伝えるのが敬語ですが、それを意識して使うことによって、「私のことを人は分かっていないのだから、私がどういう敬意をもって人と接しようと思っているかをきちんと言葉にし、それでいいか聞き手が判断できるようにしなければいけない」ということを忘れないようにするのです。

それでは、また。


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< ②確証バイアス

④行為者ー観察者バイアス >


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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。