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【TV】忍びの家

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https://www.netflix.com/jp/title/81465101&ved=2ahUKEwiX0MGSxLmFAxUPefUHHdU5DukQFnoECDEQAQ&usg=AOvVaw3xLPd7GfcyMgyn5Bt4DCbT

大学の同期である淵澤由樹がアナウンス原稿の監修と出演をしていることなどから、観てみました。
イヤー面白いねェ! というのが全話鑑賞後の最初の感想です。

現代を生きる忍者という荒唐無稽な設定ですが、作品全体のリアリティラインがそこを中心にまとまっていることで、完成度の高いエンタテインメントに結実したんだろうと思います。
忍びの末裔でありながらそれをやめて一般人になりたい父親(江口洋介)と、変わらず政府からの任務を受ける妻(木村多江)、忍びとして育ったことをそれぞれの年齢ごとのリアリティで受け止めている子供たち、最強っぽいお祖母ちゃん(宮本信子)、と大家族ホームコメディをまずは構築することで各キャラクターの魅力が引き出されています。
一方で、政府側で忍びを管理する役職の田口トモロヲと部下の柄本時生、忍び以上に闇っぽい組織の嶋田久作がいたりと、日本の危機が迫る大きな物語の方もバッチリ描くので、結果的に非常に見やすいです。

敵方は敵方で、主人公たちの側と敵対する風魔一族の末裔、その19代目たる山田孝之も、表向きは新興宗教とその教祖として民衆を煽動していくという役まわり。
さらに、雑誌「ムー」の記者という立場で主人公の賀来賢人に絡んでくる吉岡里帆となっており、正体が知られてはならない忍びは、吉岡里帆と恋愛できるのか……?
という軸もあり、つまりいろんな対立軸があることで話を面白くしています。
服部VS風魔、家族VS政府、忍びVS一般人、夫VS妻、父親VS子供、忍びVS政府……

当然、どちら側なのかが判別しづらい人物も出てきて、後半でそれがキーになってくるわけですね。
まさに、スパイものの一種である忍者ものらしいところ。

敵方の陰謀はかなりスケールが大きくて、日本を大混乱に陥れるのに十分な規模と準備期間が表現されていて非常にそれらしいです。
リアルとは思わないんだけど、最初に設定されたリアリティラインのおかげで、不自然さがなく、政府系機関が陰で暗躍しないと防げないなっていう雰囲気の話が受け入れやすくなっています。
そして主人公たちが仕える日本政府への疑念もきちんと示され……
現実の悪政? などをそうした陰謀で解釈するのも要注意ではあるんですが、そもそも忍者が存在する世界観なので、一種の風刺として理解するとちょうど良いんじゃないでしょうか。

上の通りキャストが非常に豪華です。
特に主人公一家は、一般人のふりとカッコイイ忍びと二つの姿があって、演じ分けることで役者の力と魅力が強く感じられます。
木村多江とか見事なものでした。
吉岡里帆も、最初は可愛すぎて地に足がついている感じがないなって思ったんですが、演技はしっかりしているし、この世界観に合う容姿でもあるなって納得できるようになって行きました。
あとピエール瀧が出ていて、Netflixはそういうことでなんとなく信じられるなって思っちゃうのもありますね。
個人的には、モロ師岡と田口トモロヲが同一シーンで共演することで両者が混乱することがないのもありがたいです(よく見ると全然似てないのに、以前結構混ざってました)。
もちろん我らがアナウンス原稿監修の淵澤由樹も、最後に最も重要なニュースキャスター役で出演してました。

映像は暗めの時代劇調(一部、つげ義春調もあり)。
チャンバラアクションも見事なものですが、そこにかぶさってくる音楽が独特で、ちょっと話題になったようです。
オープニング曲からして、何か変な女性コーラスが入ってて、ちょっと変なテイストなんですよね。
でも、ホームコメディでありながらスパイアクションでもあるという二面性をまとめていくという意味では悪くない選曲だと思います。

なお、小田原城が出てくるほか神奈川でのロケが多いようで、神奈川県民の私としてはそこもなんとなく嬉しいところ(本記事では小田原城に行った時の写真を使いました)。
オープニング映像では箱根名物の寄木細工の模様がデザインモチーフに使われており、浅草とか浮世絵、みたいなものではない方向で日本らしさを表現したのも良かったんじゃないでしょうか。
「ヘンな日本」とは異なるけど、ファンタジー空間になり得るそこそこリアルな日本というものが上手に映像化されていて、とても楽しかったです。

仮面ライダーを続けたりリメイクするのもいいんですが、より世界にウケるキャラクターとして、ニンジャはかなり有望だなと思いました。

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