keigo Himura

keigo Himura

最近の記事

【SF】空想科学読本の思い出

山本弘氏が亡くなったためか、空想科学読本への賛否がTwitterに多くあがりました。 私は空想科学読本と柳田理科雄氏には否定的なのですが、何しろ出会いが非常に悪かった。 当時20代だった私は『トンデモ本の世界』シリーズをよく読んでいて、それがものすごく面白いと感じていました。 SFではない擬似科学的な「UFO」「超古代文明」などをテーマにした本にツッコミを入れていて、それらへのモヤモヤした気持ちを吹き飛ばしてくれて大いに楽しかったのです。 「モヤモヤした気持ち」はなかなかに

    • 【映画】マッドマックス 怒りのデス・ロード

      BDを買って何年も放置していた映画。 今度『マッドマックス:フュリオサ』が公開されるのでいいかげん観ないとならないのでした。 マッドマックスシリーズ自体、「観なきゃ」と思いながら40年間放置していたのですが、去年になって配信で1作目と2を観ました。 『2』の方が面白いのはもちろんですが、『北斗の拳』そのまんまという感じがして(元ネタが割を食う、よくある現象)、警察などの体制が存在しつつ機能を失っていく時代の感覚がある1作目が意外と印象的でした。 つまり一種の未来史ものとして面

      • 【映画】クリストファー・ノーラン監督作の体験

        ノーラン監督の映画についても語っておきましょう。 以下、未見が❌で鑑賞済みは⭕️です。 『バットマン ビギンズ』『インセプション』『インターステラー』は配信かBDで鑑賞。 あとは劇場で観ています。 ❌フォロウィング ❌メメント ❌インソムニア ⭕️バットマン ビギンズ ❌プレステージ ⭕️ダークナイト ⭕️インセプション ❌ダークナイト ライジング ⭕️インターステラー ⭕️ダンケルク ⭕️TENET テネット ⭕️オッペンハイマー この中で、単純に面白くないなと思ったの

        • 【映画】オッペンハイマー

          やっと観に行けました。 IMAXシアターがコナンで埋まる中、最寄りの109シネマズでは昼の良い時間にIMAXレーザー上映をやってくれていて、公開からの期間を考えると結構な客の入りでした。 まず一言でいうとこれは本当に素晴らしい作品で、歴史的名作かもしれないとも思うぐらいです。 完全に期待を超えてました。 マンハッタン・プロジェクトというとアンダースン&ビースンのSF小説『臨界のパラドックス』で描かれていましたがフォン・ノイマンが出てきてた記憶。 他にコンピュータ開発史でノ

        【SF】空想科学読本の思い出

          【社会】ニューロダイバーシティとオフピーク社会

          ニューロダイバーシティの話が出ていました。 朝型とか夜型というのは人によってばらつきがあり、それを一律に、朝から学校や職場に集める仕組みは自然ではなく多様性に対応していないとの話もありました。 仕事時間をフレックスタイムにしましょうというのは結構前にあって、最近はあまり聞かなくなりました。 フレックスタイム的なことが一般化してそんな言葉が聞かれなくなったのか、勤務する時間帯は画一化の方向が進んでいるのか、そのへんよくわかりません。 ただ企業は柔軟にできることは少なくないんで

          【社会】ニューロダイバーシティとオフピーク社会

          【TV】忍びの家

          https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https://www.netflix.com/jp/title/81465101&ved=2ahUKEwiX0MGSxLmFAxUPefUHHdU5DukQFnoECDEQAQ&usg=AOvVaw3xLPd7GfcyMgyn5Bt4DCbT 大学の同期である淵澤由樹がアナウンス原稿の監修と出演をしていることなどから、観てみました。 イヤー面

          【TV】忍びの家

          【社会】オフピーク社会を提唱する

          長年、コールセンターのマネジメントの仕事をしています。 コールセンターの運営時間もいろいろですが、多くのユーザが電話をかけることの多いBtoC窓口は、土日や夜もあいていることが多いですよね。 あらゆる窓口が平日の9時から6時だったら、「いつ電話するんだよ!」ってことになることが容易に想像されますので、夜は9時ぐらいとか、土日も開けるとか、一部は24時間とか、そういうことが多いビジネスです。 上記の「いつ電話するんだよ!」ってなる人たちはご自分が平日の9時から6時まで仕事して

          【社会】オフピーク社会を提唱する

          【TV】ニュールック

          https://tv.apple.com/jp/episode/%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%84%E4%B8%80%E6%97%A5/umc.cmc.2a5ey8aszu5gmsi749rfsb4gd?showId=umc.cmc.6m0i5dcn60uzl206qq6ibomeh 最近のドラマではベストだと思っています。 クリスチャン・ディオールとココ・シャネルが主人公のドラマということで、あまり自分に関係ないなっ

          【TV】ニュールック

          【TV】三体(Netflix版)

          https://youtu.be/88y3uYsWSeM?si=dnBqXSZS67mv1cb8 期待のこのシリーズのために、しばらく休止していたNetflixのサブスクリプションに入り直しました。 原作小説はもちろん、公式二次創作(!)『三体X』も、無理やり前日譚ってことにしてる『三体0』も読みました。 最近のSFだと『プロジェクト・ヘイル・メアリー』にならんで「SFの黄金時代」に戻してくれるようなワクワクを与えてくれる傑作です。 「SFの黄金時代」っていつかというと、

          【TV】三体(Netflix版)

          【読書】コールセンターもしもし日記――ご意見ご要望、クレーム、恫喝…反論せずにお聞きします

          コールセンターもしもし日記――ご意見ご要望、クレーム、恫喝…反論せずにお聞きします Audible Logo Audible版 – 完全版 書店で見るたびに「コールセンターの仕事をする人間として読んでおいた方が良いかな……」と「この本は絶対に買わない」との思いが交錯する書籍でしたが、Audibleに入っていたのでサブスクリプションで聴いてみました。 なぜ買わないと思っていたかというと、あまりにもバイブスが悪いというか、負のオーラ出し過ぎの装丁が気に入らなかったから。 特定

          【読書】コールセンターもしもし日記――ご意見ご要望、クレーム、恫喝…反論せずにお聞きします

          【TV】コンステレーション

          Apple TV+のSFスリラードラマ。 Apple TV+ではSF作品中心におさえるようにしているのですが、大学の後輩である野坂尚也が管制官の役を吹き替えているので、吹替で観ました。 以下、後半で多少ネタバレしますが、観る人も少なそうだし、完走する人はもっと少ないかもしれない作品なので、最後まで読んで興味を持ってくれる人がいた方が良いようにも思います。 また最初に述べておきますと、原語で視聴していなくて吹替の出来ははかれませんが、違和感はなく安定したクオリティかと思います。

          【TV】コンステレーション

          【映画】デューン 砂の惑星 PART2

          デューン関連ですと過去の関連体験は…… リンチ版『デューン/砂の惑星』(1984)はTV放送で鑑賞。 ドラマ版も見逃しつつ、原作読みたいなーとずっと思ってたのですが(文庫の1冊目だけ確保して未読だったのですが)、ヴィルヌーヴ版ができることになってハヤカワ文庫で新訳が出たのでそれで読みました。 同じ頃、配信で『ホドロフスキーのDUNE』も観ました。 で、完成したヴィルヌーヴ版『DUNE/デューン 砂の惑星』を観て、なんと素晴らしいとうっとりしました。 映画を観て「うっとり」した

          【映画】デューン 砂の惑星 PART2

          【読書】不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

          ナレーターの野坂尚也が大学の後輩なので、彼が読んでいるAudible作品は基本的に聴くことにしています。 ナレーションについてはそういう贔屓目もあるし、パブリシティというかより多くの人に聴いてもらいたいというのはそういう意味での動機もあることはお断りしておきます。 しかし今回、まずは鴻上尚史の著書であるというだけで読みたいと思わせる要素になるし、とりわけこの特攻隊についての本はいずれ読みたいと思っていたので、Audible化されてサブスクリプションで聴けるのはありがたかった

          【読書】不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

          【TV】マスターズ・オブ・ザ・エアー / ブラッディ・ハンドレッド

          『ザ・パシフィック』は未見ですが『バンド・オブ・ブラザース』はだいぶ前に観ました。 地上戦の生々しさで発展してきた『プライベートライアン』以降の戦争ものの流れがありますが今回は空戦もの。 空戦ものというと昔『メンフィス・ベル』は観ましたがそんなに興味を持ったことがない分野かな。 特に米軍の爆撃機の話ということになると、デカい飛行機で爆弾落としに行くだけでしょ? っていうイメージ(日本を爆撃したB-29の無敵ぶりのせいかも)だったりしてたのもあります。 しかし今回の『マスター

          【TV】マスターズ・オブ・ザ・エアー / ブラッディ・ハンドレッド

          【映画】ARGYLLE/アーガイル

          マシュー・ヴォーンの映画は、『キック・アス』を観たのですが、『キングスマン』などは未見。 大人気スパイ小説の中の世界と、それを書いている小説家のいる「現実」がクロスオーバーするという話です。 こういう、作者と物語世界があわせて描かれる作品というのはたくさんありますが、新井素子の『…絶句』が近い感じだなーと思いました。 あれは映像化はされてないけど(ラジオドラマになったことがあって、それはたしか新井素子自身が出てたと思います)。 あと、スパイものという点では永井豪の『00学園ス

          【映画】ARGYLLE/アーガイル

          【映画】アカデミー賞授賞式での差別?問題

          今年のアカデミー賞は予想された通り『オッペンハイマー』が多くの賞を獲りましたが、大きく予想外だったのが主演女優賞。 『哀れなるものたち』のエマ・ストーンがなんといってもスゴイけど、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のリリー・グラッドストーンも素晴らしく、かつ、ネイティブアメリカンの役をネイティブアメリカンが演じたことでここ数年のトレンドに合致することから、彼女が受賞すると言われていました。 どころがエマ・ストーンが受賞し、みんな驚いたけど、決して変な結果ではないと誰も納得

          【映画】アカデミー賞授賞式での差別?問題